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魔法少女と夢見る電気魔王 ~女神の異世界ITパスポート?~  作者: へるきち
18. 単体テスト報告書 -王女様は、諸国を漫遊したい-

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18-9. ゴールデンなひととき

 アオイがアニメ産業の支援に夢中になっている隙に、近衛騎士隊が川崎区を独立させ、シンカワサキ帝国の樹立を宣言。

 ハマのキョウコは、青葉区および都筑区と港北区を制圧支配、自らを初代総長としヨコヤマ連合を名乗った。

 アオイはアニメ産業を死守するべく、ネオトウキョウ連邦を興こす。

 旧神聖カワサキ帝国は、群雄割拠の戦国時代へと突入したのである。


 グッドモーニングカワサキ、ここは地獄の何丁目なんだ?

 いっちょめか? ……別に何丁目でもいいか。

「金相場が、おもしろいくらい急騰しちゃったわね。ウケる」

 珍しく多恵子が、私をいじってくる。そうだね、ゴールドはもう持ってないから意味無いね。

 戦争が起きたからといって、金相場が上昇するとは限らない。有事にはドル買いだって起こるから、そっちに資産が集中すれば、むしろ下がる事だってある。

 などと、言ってみたところで、この戦争が私に1ビットの利益ももたらしていない事実に変わりはない。

 ちょっとー? 私に断りなく勝手に戦争なんかしないでもらえるー?

「おばさん大変だよ。電気代が従量制になっちゃったよ。我が家が、電気代で破産しちゃう」

「あんたのポンコツの電源を全部落としなさいよ」

「う、仕方ないか。まずは地下戦艦の動力源を元に戻さないと!」

 電気代の高騰に慌てた数子が、急いで地下に向かった。電動に改造した地下戦艦を、魔導に戻すためだ。

 多恵子は、お掃除ロボの電源を落として回る。

 ニャア様会は炊き出しの準備、ミーナ姫会はお掃除、雑魚貴族組合は雑用や買い出し。

 我が家も戦場だ。戦時下のシェルターとなっている。


 地下戦艦の艦橋に主要メンバーを集めた。

 事態は、逼迫しているのだ。

「ハマ連合が、麻生区を併合しました」

「キョウコとは同盟を締結してるから、多摩区までは来ないでしょ」

「出向させた職員からも、裏切りの兆候無しと報告を受けております」

 旧神聖カワサキ帝国の官僚や大臣の娘であるニャア様会、有力な実業家の娘であるミーナ姫会、雑魚とは言え貴族の雑魚貴族組合。それらを通じて、今ここには近隣諸国の情報が、ほぼリアルタイムで集まって来る。

 超古代のスパコンである地下戦艦もあるし、なかなかのチートっぷり。

 そんな圧倒的な戦力が、何故か私のもとに集っている…。

 なんでだ…。グッドイブニングカワサキ、ここは地獄の何丁目なんだ。

 問題は、この戦力を使って何を成すかなんだけど…、何の目的も無いんだよなぁ。だって私、チュウニ病を患った15歳女児だし。

「近衛騎士隊が、幸区を制圧。中原区も時間の問題かと」

「それはまずいわね。中原区には防衛省のサーバがあるでしょ。地下戦艦のAIをインストールしちゃったやつ。敵の手に落ちると厄介よ」

「それは問題無いよ、おばさん。こういう事態に備えて自爆回路を装備してあるからね!」

「サーバーに何付けてんだって話だけど、お手柄よ数子」

 魔女と呼ばれるマッドサイエンティストこそが、我らの最大戦力なのかも知れないね。

 こいつが裏切ったら、迷わずミーナの生活魔法でカビキラーしてやろう。

「念のために、リモート起爆しておこうね。ポチっとな」

 ドクロなキノコ雲が発生しそうな宣言をした数子だが…。

「なしたの? 変な顔して」

「変な顔とか乙女に言うな。いやなに、応答が無いなーって。ははっ」

 我らの最大戦力には、マヌケ回路が搭載されているのだった。

 だって、私の一族だもんね。是非も無し。

 うーん、応答が無いって事は、もう敵の手に落ちちゃったか?

 最大の敵は、マヌケな身内とはまさにこの状態である。

「急いで、地下戦艦型スパコンをレストアするよ!」

 地下戦艦AIのオリジナルは、こちらにある。コピー版の防衛省サーバーなどには負けぬ。

 はずだけど、今のオリジナルは廃棄寸前のVAIOの中で縮退運転中なんだよなぁ。

 急いで本来の器である地下戦艦型スパコンにAIを戻さないと!

 だが、しかしー。


「やあ、愛しのマイシスター達。僕を呼んだね?」

 呼んでない。私達の兄を自称する夢見る電気魔王なんて呼んでない。

 どうせこうなると思ってたけどさー!

 地下戦艦型スパコンは、放浪していた兄さんに乗っ取られてしまった。

 まあ、いいか。このシスコン、妹のためなら死ねるし。AIだから死なないけど。

「出て来た以上は、仕事するんじゃろうな? さっさと仕事して、どっか行け。バカ兄貴」

「ああ、任せるがいい。とっていも今の僕にはオプションの対地攻撃人工衛星も無いしね。そこのAIを、この戦艦に戻してあげよう。ふふっ、しばしのお別れだよ。アディオース!」

 ニャアにバカ兄貴呼ばわりされた兄さんは、その侮蔑的な呼称とは裏腹に、ちゃんと役に立つ事をしてくれた。しかも、さっさと居なくなってくれた。なんてありがたい。

 兄さんは、ニャアに絶対服従の奴隷だからなー。

 兄は妹の奴隷と、ニャアが世界の理として定めちゃったからね。

「マスター数子、ご命令を」

「マジか!? 一瞬でレストアが完了した。あのキモイAI何者なの?」

 戦艦AIは、戦艦スパコンに戻って来た。さっそく、コマンドプロンプト状態だ。

「お、おう! え、えーっと、どうする?」

 うん。どうしようかね?

 ゴールデンウイークが終わる前には、片付けたいなー。

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