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魔法少女と夢見る電気魔王 ~女神の異世界ITパスポート?~  作者: へるきち
18. 単体テスト報告書 -王女様は、諸国を漫遊したい-

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18-4. 資金を消毒ダー!

 目的と手段を取り違えてしまう事は、よくある事だ。

「ゴールドの相場を上げるのが目的じゃなかったの?」

 多恵子の言う通りだ。

 いつの間にか、ヨコハマを落とす事が目的になっていた。

 それは手段であって、目的ではない。

 じわじわと長引く戦局を演出しなければ、相場への影響は行って来いで終わりだろうな。

「相場の操作は後で考えるとして、資金洗浄を先にするわよ」

「はい、お願いします」

 多恵子による資金洗浄の開始だ。

 お風呂掃除の感覚だな。さすがの女子力。

「まず、コバトからタマヨンの口座に30キロのゴールドを移管します」

 出所不明なゴールドは、売却しても税金でほとんど消える。

 しかし、貴族に譲渡する分には、譲渡税もかからないのだそうだ。

 コバトも「チョココロネを使ってマネーロンダリングすれば」と言ってたけど、こういう事かぁ。

 ただし、非課税の譲渡枠は無制限ではない。やり過ぎると、搾取として処罰を受ける。

 ちなみに、このルールには大きな抜け穴がある。

 他の貴族へ譲渡すれば、その分だけ非課税枠が空くのだ。

 貴族達が、上納金大好きなのは、このせいらしい。

 もちろん、これもやり過ぎると問題になる。

 上納金を循環させて架空利益を上げていたバカが、摘発を受けて粛正されている。

 バカ貴族ホイホイで、わざと空けていた抜け穴なのでは?

「続いて、この30キロのゴールドを担保に融資を受けて、母さんの借金を返済します」

「借金を借金で返しているだけなのでは?」

「担保が土地からゴールドに変わってます。これが重要なところだよ」

「なるほど。土地の差し押さえはダメージがでかいもんね」

「最後に、踏み倒して、担保のゴールドを銀行に差し出します。以上です」

「なんと!?」

 非課税で、ゴールドが現金に変わった!?

 私の信用情報は、真っ黒だけどね!

「しかし、屋敷再建の資金が残ってないわよ?」

「真っ当に稼ぎなよ。しばらくは、地下設備だけで暮らせばいいじゃん。身の程をわきまえなさいよ」

「おっしゃる通りですね」

 多恵子が居なかったら、私達ポンコツマヌケ一家は、路頭に迷うか、監獄行きだったね。

 思わず、敬語になっちゃうよ。

「じゃあ、稼ぐために過去に行こうか!」

 深い考えのなさそうな事を、数子が言う。

 娘はこんなにしっかりしているのに、この母親はどうなのか?

 しかし、私自身も過去行きの誘惑に抗えない。

「行くのはええんじゃが。何年前に行くのじゃ?」

「数子の祖先が宇宙戦艦を開発した直後とか?」

「宇宙戦艦を作ったのは、ワシらなんじゃが?」

「俺の記憶でもそうだな。ポンコツアンドロイドの協力はあったけど」

 あれっ!?

 ニャアとスズメの記憶が正しいような?

 そういえば、そうだよ!

 ニャアが轟沈させた弩級戦艦を、魔改造したんだったね?

 ポンコツアンドロイドを作ったのが数子の祖先という可能性はおおいにあるだろうけど。

 だったら、数子を最上位マスターだと言い張る、あの戦艦は一体?


「あー、落ち着いて見れば、この戦艦、私達が作ったのと全然違うね?」

 今回は、ニャアも連れて、戦艦の調査に来たよ。

「ほうじゃのう。ワシも、うろ覚えなんじゃがー。少なくとも、ワシらの宇宙戦艦の内装は、こんなメタリックじゃなかった」

 私達が作った宇宙戦艦の内装は、真っ白な漆喰の壁に、木の柱、扉は障子戸、床は板張りか畳、という日本のお城みたいなものだった。個室には、スズメが引き籠れる押し入れもあった。

 この戦艦の内装は、金属剥き出しで、小指とかぶつけると凄く痛そうだし、断熱性能も低そう。

 もしかして、ニンゲンが搭乗する前提ではなかったり?

「この戦艦は、天空の島の一部ではないわね」

「天空の島の地下に埋まっておった古代遺跡かも知れんのう」

 だとすると、私達の作った宇宙戦艦はどこに?

 大気圏突入時に、燃え尽きてしまったのかな。電気魔王みたいに。

「これが作られたところへ、行ってみれば分かるかもよ?」

 とにかく行こうよー、と子供みたいになっている数子。

「いつ作られたのかしら? あんた、ここの設備なんでしょ、分かるんじゃない?」

 私達に付き纏っているお掃除ロボに聞いてみる。

「王国歴1941年だったかなー? それから何年経ってるかはなー、どうかなー。オプションの戦略衛星が墜ちてなけりゃなあ」

 どうやら、電気魔王が入ってた人工衛星とセットの戦艦らしいね?

 しかし、王国歴と来たかー。

「私達が居たのって、王国歴で12000年とかだっけ」

「その王国歴とは違う気がするのう」

「ああ、確かに。戦略衛星とやらが、電気魔王の容器だとすると、120万年はズレている?」

 私達が居た王国歴12000年頃を基準にすると、そこから120万年前に古代文明が存在した。

 戦略衛星は、その時代に製造されたはず。

 240万年前にも、別の文明があったんだっけな?

 そっちでは、ポンコツアンドロイドが製造されたんだっけな。

 とにかく、古代文明がてんこ盛りの世界だったなー。

「4億5千万年とかいうスケールからしたら、誤差じゃのう」

「取り敢えず、4億5千万年前に行けばいんじゃないの?」

 数子は、気軽に言うけれど。

 そんな、たちまちビールみたなノリで数億年も時空を越えんの?

「猫ミニバンでは危険だよ。4億5千万年前に、ここに陸地があるかすら分からないんだから」

「あー、そうか」

 数子もなあ、私の無計画っぷりを批判は出来ないよなあ。

 数子の叔母は、前世の私そのものなんだけど、私はこんな世界で生まれ育った覚えがない。

 血の繋がりが、時空を越えているとしか思えない。

「じゃあ、猫ミニバンを水陸両用に…、する資金が無いから困ってるんだった」

「タイムリープは保留、他の事を考えよう」

「そうだねー。ここのメインコンピューターの起動方法でも探るかなぁ」

 だから、目的は何なんだっけな?

 屋敷の再建だっけな。

 だとしたら、お金をかけなくても可能かも知れないよ?

 しばらくここに籠ると言う数子を置いて、私達は地下シェルターへ行った。

 当面は、ここが生活の拠点になるかな。

「ミーナ、あんたの出番よ。ロールバック魔法で、屋敷を復元してよ」

 ロールバック魔法は、消滅したラゾーナ宮殿を復元した実績がある。

 最初から、それで良かったじゃんとか、そんな正論は聞きたくない。

 それは、ロジカルハラスメントだよ!

「あー。あれな? 魔力が足りないし。生活魔法じゃなくない?」

 だから、そんな正論は聞きたくないと。

 魔力なあ。猫ミニバンのバッテリーを使えばどうだろうか?

 しかし、それは数子が怒り狂いそうだしな。

「魔法とか素っ頓狂な事言ってないで、まじめに働いたら? タマヨン姉ちゃんは、いつも短絡的な行動をして、事態を悪化させる」

 小学一年生の妹に、正論で諭されてしまった。

 正論過ぎて、何も返す言葉が無い。

「なあ、辺境伯なんだからさあ。下っ端貴族から、上納金集めりゃいんじゃないか?」

 チョココロネから、悪逆非道な提案が。

 そういえば、こいつすっかり家に居ついてるな。

 役に立つから、家で飼うか。

「じゃあ、まずコロネ家の土地を担保にして金借りるか」

「いや、待て待て。お前、悪魔か? やっぱ無し。上納金に見合った加護を期待出来ない」

 悪魔とは失礼な。私は、元破壊神だ。一緒にしないで欲しい。

「ああ、ちゃんと見返りが必要なんだ」

「当たり前だろ? 一方的で理不尽な関係が成立するもんか。とも言えないのが人の世ではあるけど」

 この小学生、達観してんなあ。

 私よりも、大人なのでは?

 縦ロールの中に、NPUでも入ってんのかしら?

「しょうがねぇなぁ! じゃあ、働くかー」

「では、わたくしと諸国漫遊の旅に出ましょう!」

「何が、ではー、なんかさっぱり分からんのじゃがー」

 そういえば、旅をしながら悪を討って、ひと財産作った事があったっけ?

 あれをやるか? 

 コバトの妄言に乗ってみるか。

「踏み倒した借金の残りで、旅に出るかー。ご老公と愉快な仲間達で」

「おい、それって俺も入ってんのか? スケさん」

「ワシ、うっかりハッチなんじゃろかー」

「爆弾魔のヤシチも参加?」

 まずは、箱根かな。

 やっぱり、箱根で温泉入りたい。

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