キマリ
「うーん、やっぱり逃げて正解だったな。」
逃げ込んだ空間が揺れる。
魔力の回路が暴走をしているのだろう。
「そろそろ終わったかな。リナちゃんと、ニェールさんを回収しに行かないと。」
僕は二人の鼓動を発見し、その場所に空間を生み出す。
十字に切り込みを入れ、開いた先には息切れを起こしている二人の姿があった。
「やぁやぁ、無事だったかい?」
「キマリ...さんは良いですね...空間に......逃げれて。」
「ずる...はぁ......す...ぎ。」
二人の後ろを見て見る。
そこには美しいの一言に限る大きな魔法痕が残っていた。
「まさか、こんな所でこれを見れるとはね。ついてきて良かったよ。」
「お兄が、あんなに...追い込まれていたの、久しぶりに...見た。」
「そうですね、あれが冥星ですか。」
セナ曰く、星を素に魔法を使っているとか言っていたが、これはそんな簡単に済む話ではない。
セナが使っている魔法は全部禁忌と言ってもいいだろう。
この僕が保証する。今の僕がこれをくらったら間違いなく死ぬだろうな。
「二人とも、これからどうしよっか。」
「お兄についていく。」
「私はそうですね、ほかに行くあても無いですし、マスターには裏切られましたし、やることも無いので、ついていくことにします。」
「僕はちょっとこの先の聖エルフ大国に用があるから、先行ってるね。セナによろしくと伝えておいてくれ。」
「おそらくそのうち私たちも大国に行くと思いますが。」
「いや、この森林が無くなった今、大国内ではパニックになってるはずさ、その瞬間をついてある者と物を回収しに行くね。」
「そうですか、ではまたどこかでお会いしましょう。」
「ばいばい、キマリ。」
「あぁ、二人ともじゃあねー。」
空間を切り開きそこに入っていく。
空間が閉じたのを確認して、新しい場所に繋げる。
「おかえりないませ。キマリ様。」
「あぁ、爺や、ただいま。」
「客人がお待ちです。」
「分かったよ、ちょうどいい話があるから今すぐ行くね。」
先の尖った鋭い爪、魔族ならではの魔力、高位の存在。
聖エルフ大国に勝負を挑もうか。




