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女王になったら会いに来い そう言った皇帝は私を忘れた  作者: ねここ


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ジュネのメッセージ

 出発の朝、クロエはもう二度とここには戻れないと思った。


 誰にも悟られる事のないように自分の痕跡を消して行った。


 以前着ていた洋服は全て処分していたので何もない。


 黒の衣装は全部持っていくことにした。最小限にしか作っていなかったので大した荷物にならなかった。


 ジュネと過ごした部屋にはジュネがいなくなってからあまり帰らなくなっていた。


 忙しくて執務室で寝てしまうことが多く、執事が執務室にベットを置いてくれたからそこで過ごす事が多かった。


 あの部屋にいると孤独で追い詰められそうで帰りたくなかった。


 クロエはこの部屋にさよならをした。


 ジュネと沢山愛を語った部屋。


 

 クロエはカイルの所に行った。


 カイルはついてゆくと言ったが断った。


 ジュリアの出産があるし、カイルには万が一の時皇帝になってほしかったからだ。


 カイルもこの半年でかなり変わった。


 クロエと共に行動するうちに確固たる信念が根付いた。


「カイル様、私はできるならジュネをこのジェノヴァに取り戻したいと思っています。だけどそれが出来ない時はこれを使って即位して下さい。」

 

 クロエはジュネから預かっていた皇帝の権限をカイルに渡した。



「クロエ様、、あなたが戻ってくだされば良いじゃないですか?」カイルは言った。

 

 「ジュネが戻らない時は彼は私を敵とみなし殺すという事、私も彼を殺すという事です。無事でいられるはずがありません。だけど、最善は尽くします。どうか信じて下さい」


 カイルは泣いていた。


「カイル様どうか泣かないで、父親になるのですからもう泣いてはいけません。どうかジュリア様とお子様を守って下さい。万が一の時はジェノヴァをお願い致します。」

 

 クロエは泣くカイルに微笑んで、それから皇帝の権限にネックレスを外しカイルにつけた。


「カイル様、私は皇帝ですからこのネックレスは意味ありませんね!これで良いのです」

 

 クロエはジュリアにも会いに行った。


「ジュリア様どうか無事に出産なさええるよう神に祈っております。帰ってきたら元気なジュリア様とお子様に会いたいわ!」

 

 「クロエ様、、、」ジュリアは泣きじゃくった。


 そんな日が来るのだろうか。。


 そう考えるとジュリアは辛くて辛くてクロエを止めたくなってしまう。


 だから何もいえなかった。、


 クロエはエメとセリーヌに会いに行った。


 二人は一緒にいた。そしてクロエに言った。


「陛下、どうか私たちをお連れください!どうか!!」

 

 クロエは言った。


「ありがとうございます。一緒に戦ってくれますか?」

 

 「もちろんです!相手が誰であっても我々はジェノヴァを必ず守ります!」クロエは二人を抱きしめた。


「よろしくお願いします。エメ様、セリーヌ様」


 

 クロエは嬉しかった。


 この二人がクロエの考えを理解してくれた事に心から感謝をした。



 

 クロエはブレーズを伴い出発した。


 一応出かける名目は結婚式参加なので馬車を用意し乗った。


 クロエは女王だったので幼い頃から乗馬も出来る,。


 自分を守るための剣術の基本もできていたが随分やっていなかったのでブレーズに手ほどきを受けて今は自分の身を守れるくらいは戦える。


 ブレーズはクロエのセンスに脱帽した。この半年での成長は驚異的だったからだ。


 

 馬車に揺られながらクロエはジュネとの約束を思い出していた。


 帰って来たら一緒にどこかに行こうと言っていたこと、まさかこんなかたちでジェノヴァを出ることになるとは。。


 気を抜いたら崩れ落ちそうになる。


 クロエはグッと堪えた。


 もうここに帰ってくる事は無いだろう。


 たとえジュネが帰ってきてくれてもクロエは皇帝になってから強引に行ってきた事、


 その罪を忘れて自分だけ幸せになれると思えなかった。


 その罪を償わなければ。


 ああ、またそんな事を考えてしまっている。


 クロエは外を眺めた。



 ブレーズはクロエの瞳に映っている景色はクロエに届いていないと思っていた。


 この皇帝を絶対に守る。


 例え相手がジュネであったもクロエのためならジュネと戦う覚悟はもう出来ていた。


 


 クロエはまたジュネのことを考えていた。


 どうしてジュネはジェルベージュを攻撃しなかったのだろう。


 戦意を失ったジェルベージュは簡単に倒せたはずだ。



 どうして?クロエはどうしてもそこがわからなかった。


 それを考えると期待してしまう。


 でもその期待が外れてしまうとクロエは戦う意欲すら消えてしまいそうになる。



 でも万が一ジュネが意図的にエメスの所にいるのなら。。。



 まさかジュネは内部から一人でエルメストを崩壊させているのなら、、、。



 そう考えると辻褄が合ってくる。




 でもその前にジュネなら逃げ出すことも不可能では無い。



 どうして逃げ出さなかったのか?



 いや、逃げ出せなかった?。。



 まさか人質、、




 クロエは馬車を止めてブレーズに言った。


「今すぐに誰か信用できる人間に修道院にいるエデット様とジュネの元恋人二人に接触して頂けませんか?」


 

 ブレーズは騎士の一人を呼んで命令した。


 その騎士は確認後すぐにクロエに追いつくと約束してジェノヴァに戻った。

 

 ジェルベージュを攻撃する絶好のチャンスなのにジュネが率いるエメスの軍は一切攻撃しなかった。


 ジュネは軍を掌握したのではないか、、


 クロエは考えた。



 そんな事が出来るの?



 いや、ジュネなら出来る。





 これはジュネのメッセージかもしれない。

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