クロエに忠誠を
クロエはそろそろ部屋に戻ろうと思った。
このまま夜の散歩をしていたらまた誰かに会ってしまいそうでそれがクロエに好意的な人であればいいがそうでない場合また戦わなくてはならない。
それはもうエメスだけで十分だ。
そう思って部屋に戻る途中やたら誰かに会うようになった。
「クロエ様」
「お初にお目にかかります。私はセザールと申します」
「セザール様?ああ、私にエメラルドの腕輪を送ってくださったセザール様ですか?」
「おお、クロエ様覚えてくださったのですね、これは大変嬉しゅうございます」
という具合に少し歩くと必ず誰かに会い、挨拶するので中々部屋に戻れなくなった。
だが、プレゼントを贈って下さった多くの人に会い、直接お礼が言えたことはクロエも嬉しかった。
きちんと全員を覚えてお礼を言ってくれるクロエは多くの貴族や王族に信頼を得た。
クロエは多くの味方を見つけたのだった。
実はシャルルが晩餐会会場に戻って庭でクロエにあった話を仲間に話し、それぞれがクロエに会いに来たのだ。
ようやくクロエは部屋に戻れた。
クロエは部屋のテラスから青い月を見ていた。
大きな青い月は神秘的でどこか懐かしいような気持ちになる。
昔国で見た月を思い出した。
そういえば初めてジュネにあった日もこんな月夜だった。
「クロエ!」突然部屋にジュネが現れた。
「ジュネ?どうしたの?」クロエは驚いた。
「クロエ今から会場に来れるか?」ジュネは突然そんな事をいった。
「え?今からですか?私は何の用意もしておりませんのでできればご辞退申し上げたいのですが、、、」
「用意はいらん、お前だけこればいいんだ」ジュネは珍しく強引だ。
「ジュネ、私は少し困ってしまいます。せめて着替えて行きたいのですが、、」
「美しいお前はそのままでも十分だ。大丈夫だから」
そう言ってジュネはクロエを抱き上げ逃げられないようにした。
「ジュネ?だめよ、私は行きたくありません」
「ダメだ。今日は無理矢理でも連れて行く」部屋を出るとブレーズがいた。
「ブレーズ、ジュネを止めて」クロエは言った。
「クロエ様申し訳ありません。それは出来ません」と言って笑っている。
「なんてことでしょう、ジュネ、私は靴も履いておりませんし裸足です」
「ああ、クロエは裸足でも美しい」
「もうちゃんと聞いてください、私は恥ずかしいといっているのです!」
「クロエ、俺はお前ほど美しい人に会ったことがない。俺を信じろ」と言って笑っている。
「もーージュネ、信じられないわ」クロエは観念した。
ジュネに抱かれて会場に入った。
クロエは恥ずかしくて死にそうだった。
しかし状況は違った。「クロエさま!!!」会場にいる貴族達が一気にクロエの周りに集まった。
クロエはもう訳がわからない。
ジュネに抱かれたままクロエは固まった。
そこにシャルルが現れた「クロエ様またお目にかかれて光栄でございます。この者達は恐らく先程クロエ様にお会いした者だと思いますが」
クロエは周りを見渡して「はい、先程ご挨拶をさせていただきました」
「ははは、クロエ様それは良かった、この者達もクロエ様に忠誠を誓いたいと申しましてな」
「え?私にですか?なぜでしょう?」
「クロエ様はご自身の事をわかっておりませんな、まあ陛下は一番ご存知でしょうから我々のお願いを聞いてくださってこうしてクロエ様をお連れくださった訳ですからハハハ」
クロエは全く意味がわからなかったが、先程あった貴族達がクロエをここに連れてきてほしいとジュネに言ったという事?
クロエはジュネの顔を見た。
ジュネは優しく額にキスをし微笑んだ。
そしてクロエは床に降ろされ、貴族達が一人一人、クロエの前で跪き、手の甲にキスをして忠誠を誓った。




