ジェノバへ帰ろう!
二人は旅をした。
二人で行ってみたい場所を一つ一つ尋ねて、二人で思い出を作っていった。
ジュネもクロエも顔を知られていたが、心から愛し合っている二人を見て人々は静かに暖かく見守ってくれた。
「ジュネ、あの時どうして私に生きたいのか、死にたいのか聞いたの?」
クロエはジュネと手を繋ぎながらコスモス畑を歩いている。
「クロエ、あの時のクロエはどこか諦めたような、でも希望を持っているようなそんな目をしていた。もし死にたいと言ったら俺はクロエをそのまま連れ去って俺のそばにおいておくつもりだった、でもクロエは生きたいといったから、、本当は離したくなかったけどね」
「ウフフ、そうだったんだ。あの時どこかで貴方になら殺されてもいいとおもっていたの」
「クロエ、クロエが死ぬ時は俺が死ぬ時だから俺も死んでいるな」
顔を見合わせて笑った。
「ジュネ,貴方は騎士だったでしょ?騎士の誓いはしたの?」
「騎士の誓い?ああ、どうだったかな?自分の心にない事は覚えていないんだ」
「ジュネって本当に面白い!」
「俺が?そうなんだ。クロエに喜んでもらえるならなんでも嬉しいな」
「ジュネはやっぱり愛の人ね」
「何それ?」
「私が一人で旅をしている時にジュネの国の国民を見てジュネは愛の人なんだと思ったのよ。ジュネは大きな愛を持ってみんなを照らしてくれている、そんな人だと思ったの」
「フフフ、俺の愛はクロエだけだよ。」
「はいはい。嬉しいですジュネ様」
クロエはジュネに抱きついた。ジュネもクロエを優しく抱きしめた。
「ちょとぉ!あんた達いい加減気がつきなさいよ」
突然ジュリアが二人の前に現れた!
「ジュリア?いつからいたんだ?」
ジュネがクロエを抱きしめたままジュリアに聞いた。
「さっきからよ。本当熱いわね!羨ましい!」
「ジュリア様!」クロエはジュネから離れてジュリアに抱きついた。
「女王、よかったね。本当によかった」
ジュリアはクロエを抱きしめながらジュネとの事を喜んでくれた。
「ところでジュリア、どうした?」ジュネが聞いた。
「ジュネ、あんたが全て投げ捨てて行っちゃったせいでカイルとエメが忙殺されて死にそうだったの。だからみんなでヴァカンスにきたのよ!」
「ね!」
その声を聞いてエメ、カイル、セリーヌが現れた。
「ジュネ、おまえ!!!」エメとカイルがジュネに文句を言っている。
ジュネは嬉しそうに「貴族は大変そうだな!俺は幸せだ」などといって笑っている。
ジュリアとセリーヌはクロエと抱き合いながら「よかったね。本当に、、」と涙ぐんでいる。
「ところでお前達はこれからどこに行くんだ?」ジュネが聞いた。
「え?ジュネ達と一緒に行くよ」エメが答えた。
「いつまで?」ジュネが聞いた。
「お前が帰ってくるまで」カイルが言った。
「俺はクロエと一緒に生きるから帰らないぞ。」
「わかってるよ。そんなの当たり前だろ?わかっていて言っているんだよ。クロエと一緒に帰ってきてくれって。」
「無理だな。俺は自由でいたいし、クロエも同じだ。」
「それもわかっている。わかっているけど、あの国はあまりに大国になり過ぎた。俺たちの器では無理なんだ。ジュネ、お前が必要なんだ。お前とクロエの力が必要なんだ」
「俺は帰る気はない。クロエも巻き込む気もない」ジュネは少し苛立っていた。
「ジュネ、少しお話を聞いてもいいんじゃない?」クロエはジュネに言った。
「クロエがそう言うなら話は聞こう」ジュネは仕方ないと言う顔をしてエメ達を見た。
エメは話し始めた。
「ジュネが城を去った時から、ジュネが居なくなった事で動揺する人間が増えた。今までの生活が変わってしまうのではないか等不安が出始めた。その不安を取り除くために様々な手を打ったが、ジュネの姿が見えない限りなにをしてもなかなか受け入れてもらえなかった。」
「だから俺たちは国民に約束した、ジュネとクロエを連れ戻すと。こうして四人揃って迎えに来たわけだ。」
エメはそう言いながらジュネを見た。
「……俺は、そんな立派な物じゃない。お前らの知っての通り、全てはクロエの為にやってきただけだから何も考えてないよ。何度も言うが、俺はクロエだけいてくれたらそれだけで幸せだから、今俺に出来ることはない」
「ジュネ、わかってるよ、わかっているがお前が必要なんだ。」
「ジュネ、お願いジェノヴァを捨てないで。貴方が作った国なのよ」
「まだジュネが必要なんだ」
「私たちをもう少し守ってほしい、お願いジュネ」
クロエはジュネが本当に全てを捨ててクロエを選んでくれたことに感謝をすると同時に、
ジュネが本当にみんなに愛されている事に感動をした。
やはり、この巨大な国を治められる人はこの人しかいないと思った。
そして何よりジュネは皇帝が似合う。
クロエはジュネをジェノヴァに返さなければと思った。
「ジュネ、」クロエはジュネに話そうとした瞬間
「俺が戻る条件がある。俺はクロエと離れる気は一切ない。その上での条件は皇帝である前に俺はクロエを愛する一人の人間であるから何かが起きた時は一人の人間としてクロエを最優先させる。」
「そしてクロエは自由にさせる。これは皇帝の権限を与えると言う意味だ。誰にもクロエを利用させない。」
「最後に俺が命令したことは全国民までしたがってもらう。これまで俺は何かを命令することはなかった。この先も無いと思いたいが、万が一そうなった時は必ず言う通りにしてもらう。この三つは絶対に譲れない条件だ。」
「考える時間はやらない、今すぐどうするか決めてくれ。」
ジュネはそう言ってクロエに言った。
「クロエ、勝手に決めてごめん」
「ジュネ、貴方はそれでいいのよ。私はそんな貴方だから愛しています」
クロエはジュネに微笑んだ。ジュネはそんなクロエを抱きしめてキスをした。
「ええ、、と。まだ俺らいるんだけど、、、」
エメが言った。
ジュネはエメにいった「で、どうする?」
「決まってるじゃない!今すぐジェノヴァに帰ろう!!」ジュリアはジュネとクロエに抱きついて言った。
「皆んなで帰ろう!」




