クロエを忘れた皇帝
「女王が女王になったね」ジュリアが目に涙を浮かべて言った。
「本当に頑張った。抱きしめてあげたい」セリーヌが言った。
「これからどうすればいいんだろう」エメが言った。
「これも運命かもな、、。」カイルが力無く言った。
「こんな話ジュネの前では言えないね。。。どうしてこんなことに。。」
ジュリアが涙を堪えきれずハンカチで目頭を抑えている。
「ジュネは?」
「ああ、執務室で仕事しているよ。クロエの事報告したけど、そんな女王がいるんだな!と言っていた」
カイルはため息をつきながら言った。
「本当にクロエの事忘れちゃったんだね。。。」セリーヌが言った。
「ブレーズが帰ってくるみたいだけど、先に話しておくか」エメが言った。
「ブレーズが帰ってきたらすぐにここにきてもらうように伝えろ」カイルが部下に指示をした。
三年ぶりにブレーズがジェノヴァに帰ってきた。
すぐにジュネの所に向かおうとしたがカイルがジュネに会う前に重大な話があるという事でカイルの執務室に向かった。
ブレーズはカイルの部屋に通されそこにジュネ以外のメンバーが集まっている事に驚いた。
ブレーズは「ただいま帰りました」と報告をしてメンバーに歓迎された。
「ところでカイル様、なぜ私はここに呼ばれたのでしょうか?」ブレーズは聞いた。
「実は、、」ブレーズはカイルが話した内容に愕然とした。
二年前ジュネ達は南東の国を目指して侵略を行っていた。
その時エディットとジュネの恋人達は連れて行かない事にしていた。
未開の場所で危険が多いからだ。
しかしジュネの言うことを聞かずどちらも抜け駆けして内緒でついていこうとした。
結果を言えば三人とも敵に捕まった。
ジュネは前に言った言葉どうり命をかけて三人を助けた。
敵の罠だと知りながら。
その時に毒による重傷を負った。
三週間の間生死を彷徨い目が覚めた。
その時にジュネは皇帝になってから四年間の記憶を無くしてしまっていた。
ちょうどクロエに出会った頃の記憶だった。
ジュネは一切クロエの事を覚えていなかった。
エディットと恋人達は瀕死のジュネを懸命に看護をした。
その甲斐あってジュネは元気になった。
エディットと恋人達はそれ以来ジュネのそばを離れなくなった。今もジュネのそばにいる。
ブレーズはその話を聞いて絶句をした。
なぜジュネはクロエを忘れてしまったのか、信じられなかった。
信じたくなかった。
ブレーズは黙ってしまった。
誰もブレーズに声をかけられなかった。
ブレーズは言った。
「私はクロエ様の元に行きます。ジュネ様が命をかけて守ろうとして私にクロエ様を託しました。ジュネ様がクロエ様を忘れてしまったならなおさら私はクロエ様を守ります。どうかお許しください」
ブレーズはカイルに跪き許しを乞うた。カイルは頷いた。
「クロエを女王を頼む」セリーヌやジュリアは泣いていた。
エメはブレーズに新しい剣を渡した。その剣はジュネの紋章が入った剣だった。
「ブレーズ今からお前がジュネの代わりだ」ブレーズはうなづいてその剣を受け取りジェノヴァを出て行った。




