不思議な皇帝
食事が終わり大人達は話をしていた。
「あなたはは女王様だったと聞いた」ボブが言った。
「はい、本当にダメな女王でした」クロエは本心でそう言った。
「陛下のメイドをしておりましたが私があまりに世間知らずで、、一年お暇をいただいて旅を始めたばかりです」
「それで最初にここに来てくれたのですか?」ボブの奥さんマリアが言った。
「はい、どうしても訪ねて見たくてご迷惑も顧みず来てしまいました」
「光栄です」息子のノックが言った。
「で、どうでしたか」ボブがクロエに聞いた。
「とても好きになりました。スミスさんのパンを好きになって、この麦畑をみて、お話しを伺ってかけがえのない好きにかわりました。」ボブは嬉しそうにうなづいた。
「次はどちらに?」マリアが聞いた。
「水源を、見てみたいと思っています」と答えた。
「なぜですか」ノックが聞いた。
ジェノバは水が豊富な都市だが、地形から見ると水源は近くに無い。
どうやって水を確保しているのかその理由を知りたい、そう思ったからだ。
「ここから山を二つ超えると大きなダムがある。そこは陛下が即位してすぐに作ったものだ。そこから水道工事をし、国のあらゆる場所に水を届ける事が出来るようになった。それを見ると良い」
「ありがとうございます。明日行って参ります」
クロエはジュネが作ったダムを見に行く事にした。
夜またジュネの事を考えていた。
今頃は愛おしい恋人と愛の時間を過ごしているだろう。思い出したら少し胸が痛んだ。
そんな事をしながらも国民のために働いている。不思議な皇帝だと思った。
「つまんない!!」
ジュリアはクロエが居なくなってからつまんないが口癖になっていた。
「ジュリアうるさいぞ」カイルが迷惑そうにジュリアに注意した。
「だってあの女王本当すごくて」ジュリアが言った。
「いや、それよりお前、恋人のクリスチャン殴ったらしいな」エメが言った。
「あーー、ーあいつジュネの恋人にちょっかい出してて、粛清ってやつよ」
「あははは、なにその粛清って」エメが言った。
「あの女とジュネの部屋で喧嘩してたら女王が仲裁に入ってきて、どっちが格上かって聞いたの、私が格上っていったらさ!!粛清なされば良いって、あの顔でいうのよ!!!」
カイルとエメとセリーヌは大爆笑した。
ジュネが言った。
「我らが女王が帰って来る前に何個国捧げるかなぁ」
「そうね、粛清しないとね!」
ジュリアが言ってみんなで笑い合った。