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6話:家族

私は小さくため息をついて、肩を落とす。

「……朝はちょっとイライラしてて、落ち着くために教室を出たんだ」

「あ、そうだったんだ!!それならそうと早くいってよ!!あたしがそのイライラ吹き飛ばして上げれたのに」

 私はそうゆうことじゃないと思いながら苦笑いをした。耳鳴りが遠くからキーンと聞こえる。彩芽が今までのことを無自覚でやっているのなら、私は今後、卒業するまで救われないだろうと思った。

 7月11日、少しずつ外が暑くなってきた。今日は学校が休みなので、妹と公園に遊びにきている。妹は私の腕を四方八方に引っ張りながら、「次はあれ!!」と私を振り回す。だが別に私は嫌ではない。妹に好かれていることはいいことだからだ。彩芽に振り回されるのは嫌だが、妹なら話は別である。そんなことを考えながら、妹と砂のお城を作っていた時だった。

「あれ、遙じゃん!!」

近くから聞き覚えのある声が聞こえてくる。その声の正体は彩芽だった。正直最悪だった。休日に嫌いな人の顔を見ていい気はしない。ついでに妹もいるのだ。あまり変なことはしないで欲しいと願う。

「妹と遊んであげてるんだ!!遙は優しいね!!」

「あ、ありがと……」

 私に構わず早くどこかへ行ってくれ、頭の中はそれでいっぱいだった。そんな時、砂場で遊んでた妹が立ち上がり、彩芽の前に立つ。

「彩芽ってあなたのこと??」

「うん!!そうだよ!!」

 妹が何を言い出すのか気になり様子を見ている。すると妹が大声を出し、こう言った。

「お姉ちゃんのこといじめないで!!」

 まずい、妹がとんでもないことを言ってしまった。家で私は彩芽に対する愚痴を言っていた為、妹の耳にも彩芽という存在が入っていたことを忘れていた。彩芽は妹の言葉を聞いてポカンとしている。私は気まずくなり、なんとかそこで彩芽に別れを告げて妹を連れてその場を後にした。帰る途中、妹は満足そうに「言ってやったからもう寄ってこないでしょ??」と言っていた。しかし私はその逆で、面倒くさいことが起きるような気がしている。

 一日空いた後の月曜日、私は渋々学校へ行く。この間の休日のことを彩芽が忘れることは確実にない。絶対根に持っている気がする。教室に入ったら目の前に彩芽がいた。彩芽は私を見て睨み、そのまま無視しようとしてくる。私も同じくすれ違おうと歩き出す。

「この間のやつ、嫌だったなぁ」

 すれ違う時に彩芽は小声でそう言っていた。そして私が振り返ると彩芽はこっちを睨みつけてから去って行った。私は動悸が激しくなる。それと同時に吐き気もしてきた。なんとも言えない謎の感情が渦巻いている。しかしそれを表に出したら相手の思う壺だろうと思ったため、平然を装って自分の席につく。しかし気持ちは落ち着かない。そのまま朝の会が始まってしまった。動悸は治ったものの吐き気が治らない。朝の会が終わった後、彩芽の方をチラッと見た。すると彩芽は睨みながら笑っていた。その途端、吐き気が一気に押し寄せてきて、私は保健室に駆け込んだ。正直気味が悪い。心がモヤモヤして心地が悪い。そのまま私は保健室で1時間目を休んだ。

 そのまま時間は過ぎて6時間目が終わった。私は帰る準備をしている。あれだけ彩芽は一日中私のことを睨んできていたのだから、一緒に帰ろうとはならないだろう。そう思って少し安心していたら、彩芽がやってきた。彩芽は私の腕を掴んで教室の外に連れ出し、人気の少ない階段の方へ連れて行った。すると彩芽はクルッと私の方に向きを変え、話し出す。

「あたしね、これからも遙と仲良くしたいから、この間の休みのこと許したの!!」

 そう言っていた彩芽はにっこりと笑っていたが、どこか不気味さを感じる笑顔だった。私は機嫌を取るためにとりあえず謝る。

「彩芽この間の休みの日はごめんね、妹が変なこと言って……」

「だーかーら!!あたしはもう許したんだって!!あたしたちは親友なんだから、これくらいのことで仲が悪くなるなんてないよ!!」

 その言葉を聞いた私は、どこか安心しつつも、彩芽に謝ったことに対して少し罪悪感を感じていた。その二つの気持ちが混ざり合い、なんとも言えないモヤモヤした気分だ。私はその後彩芽と一緒に帰り、いつも通りの自慢話を聞き、家に帰った。家に帰っても、モヤモヤした気持ちはそのままだった。


 8月26日、あれから夏休みに入り、夏休み中は彩芽に会うことがなく平和だった。しかし

もうすぐ夏休みが終わってしまう。とても憂鬱だ。思わず大きなため息が出る。

「おいおい、またため息か」

「また彩芽ちゃんのこと考えてるの??」

そう言ってきたのはお父さんとお母さんだった。私のお父さんとお母さん、そして妹は、私が家で密かに彩芽に対する愚痴をこぼしているため、事情は全て把握済みだ。つまり私が落ち込んでいる時の大抵は彩芽に関することだということを知っているため、こういう会話が家ではよくあるのだ。

「お姉ちゃん、また彩芽ってやつのこと考えてるの??」

「いや、夏休みが終わったらまた大変だろなーって考えてただけ」

 正直半分嘘で半分正しいことを言っている。大変なのに変わりはないだろうが、それが彩芽のせいかどうかはまだわからない。しかし大抵の学校での大変なことは彩芽に関するため、どうしようもない。ため息も出るほどに、この現実から逃げ出したい、いっそのこと交通事故にでもあって異世界にでも行きたいほどだ。

「……よし!!それじゃあ、遊園地に行くか!!」

 そう言い出したのはお父さんだった。突然遊園地に行くなんて、人混みが嫌いなお父さんからは一生出ないと思っていた発言で正直驚いた。

「遊園地行くの!?やったー!!」

「遙が元気になるように決まってるだろう?ここは俺とお母さんが、一肌脱ぐよ!!」

「遊園地ね……人が多そうだけれど、どうなのかしら??」

 話がどんどん進んでいるが、私は正直遊園地に行くのは賛成だ。人生で一度も行ったことない遊園地、友達の話を聞く限り楽しそうと思ったことがある。本当に行けるのなら、飛び跳ねて喜びたいほどだ。

「遙はどうだ??遊園地、行きたいか??」

「うん、行ってみたい」

「そうと決まれば、夏休み明けの2日間の学校は休みだな!!」

「え??」

 思わず声が出て驚いてしまった。学校を休んでいくのは果たしていいのだろうか。学校をサボって遊びに行くようなものになってしまうのではないだろうか。そんな考えが頭の中をぐるぐるしている。

「たまには彩芽ちゃんから離れて息抜きが必要だろ??」

「そうよ、小学生のうちならできることね」

「遊園地ー!!お姉ちゃん!!いっぱい遊ぼうね!!」

 親の優しさに思わず涙が溢れそうになる。私はその気持ちをグッと堪えて楽しみでワクワクしている本心を出す。家では本心を出しても何も言われないが、彩芽のせいで少し本心を出すことに抵抗がある。しかし今はそんなことはどうでもいい。家だから少しはめを外してもいいだろう。

「よーし!!準備するぞー!!」

 そういって私たちは唐突に決まった家族旅行の準備を始める。

〜7話の宣伝〜

どもども、ろったりかです♪

さあさあ遙は家族旅行を全力で楽しめるのでしょうか!?

それはそうとして、家族旅行明けは何やら不穏な空気が…?

ぜひその目でご覧ください!

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