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貞操逆転ギャルゲーに転生してヒロインのママ達ばっかり攻略してたらヒロインが病んだ  作者: マイヨ@貞操逆転男友達2【8/31発売】


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第26話 良きママの条件

 放課後。

 下校や部活へ行く子たちの慌ただしい時間が過ぎ、静かになった頃。


「う~ん……。やっぱりメンズのサイクリングジャージはこの世界では売ってないのか」


 自転車雑誌の後ろの方にある通販ページを眺めつつ、俺は唸った。


 むこうの世界でも月刊で刊行されていた自転車専門雑誌がこちらの世界でも売っていたので買ってみたが、案の定、ウェアについては女子用ばかりだった。


 でも、雑誌表紙のグラビアは男のモデルがやってるんだよな。

 このモデルの着てるウェアとか、出版社に問い合わせたら譲ってもらえないかな?


「ま、待たせたな佐野」

「あ、桜山先生。お疲れ様です。コーヒーでも一杯いかがですか?」


 そう言って、俺は雑誌を閉じて長机の上に置き、代わりにコーヒー豆の入ったボトルを手に取った。


「あ、ああ、いただこう。しかし、短期間で随分と部室らしくなったな」


 長机の対面に座った桜山先生は、キョロキョロと部室内を見渡した。


 部室内には、先日購入した俺と桜山先生の愛機はもちろんの事、お金があるのに任せてネットで購入したパーツ類が収まった棚や、替えのホイールなどが天井からぶら下がっていたりと、色んなものが所狭しと並んでいる。


 そして、長机の上にはクリーナースプレーやチェーンオイルのボトルと並んで、コーヒーミルなどが並んでいるという、俺の城が出来上がっていた。


 学校内に、こんなプライベート空間を持つことが出来るだなんて、本当に男女比1:99の世界は最高だな。

 何より、ママに手を出しても不法行為にならないのも良い。


「それで、次のサイクリングについてなんですけどね。ちょっと遠出をしたいんですよ」


 ハンドドリップでコーヒーを淹れながら、俺は長机の前に置かれた大型モニターの電源を入れる。

 そこには、俺が授業そっちのけで作成したライドマップが大写しになる。


「コーヒーを男の子が手ずから淹れてくれるのか……。これって、そういうお店で頼んだら1杯5,000円は取られるだろ……」


 が、桜山先生は目の前の俺の渾身のライドマップより、別の事が気になっているご様子。

 まったく……。教師のくせに、授業に集中しなきゃいけませんよ。


 って、授業中に内職してライドマップを作っていた俺に注意する権限無かったわ。


「コースの細部については、後で走行スケジュールを確認してもらうとして、走行距離は約40kmになります」


「そんなに長い距離をか⁉ 初心者の私や、ましてや男の子の佐野では……」


 まぁ、40kmって聞いたら、初心者はビックリしちゃうよな。


 でも、ロードバイクって、高速で楽(・)に(・)長距離を走るための道具だから、40kmって割と初心者でも問題なく走りきれるんだよな。


 今回のコースには斜度のキツイ山道でなく平坦基調だし、休憩もこまめに取るようなスケジュールを組んでいる。


「そこは大丈夫ですよ。俺はちゃんと家でもトレーニングしてますので」


 家が広く、予算も潤沢という事でVR機能付きの室内漕ぎマシンを導入して、最近は毎日漕いでるのだ。


 前世ではスペース的にも経済的にも難しかったのだが、この世界では男であるというだけでお金が入ってくるのだから、ママに手を出しまくれる事の次に最高だぜ。


「そうか……。だが、休日にか……ううむ……」


 ここで、桜山先生が腕を組み考え込む。


 はて? 真面目教師な桜山先生の事だから、ここまで準備周到であれば二つ返事でオーケイが出るかと思ったんだが。


 あ、ひょっとして。


「桜山先生、この日は都合が悪かったですか?」


「あ、いや……。そういう訳ではないんだが……」


 歯切れの悪い桜山先生の表情を見て、俺は前世でシングルマザーの女性を口説いていた時の事を思いだした。


「もしかして、休日は娘さんと一緒に過ごしたい感じですか?」


 子持ちの人妻が真っ先に気に掛けるとしたら、子供の事だからな。


 だが、妙だな……。

 以前、綾乃からの情報で、桜山先生の娘さんは中学生だと聞いていたのだが。


 未就学の子供がいるシングルマザーが相手の場合なら、はなからお子さんも含めてのレジャーデートをこちらも提案するのだが。


 中学生なら、休日は部活に塾に忙しくて、ある程度は手が離れているのが一般的なのだが。


「あ、ああ。平日は寂しい思いをさせているからな。せめて休日は一緒に居てやりたいんだ」

「そうなんですか。娘さんと仲が良いんですね」


 デートの誘いを断るのに、子供の事を引き合いに出してくるのは、子育てが大変なママの常套手段ではある。


 だが、娘の事を大事に想っているのは良きママの条件なのだから仕方ない。

 例えどんなムチムチ美魔女なママでも、子供を蔑ろにするようなママはママと認められない。


 だから、ここは残念だけど、一度撤退が望ましい。


「いや、そういう訳じゃ……ないんだけどな……」


 ん?

 娘の話なのに、桜山先生は何でそんな浮かない表情をしているんだ?


 普通、子持ちの親と言うのは、子供の話になるとつい顔をほころばせたり、ここぞとばかりに子供自慢を始めたりするものだが……。


 あっ!

 これは、ひょっとして……。


「じゃあ、こうしましょう桜山先生」


 ある仮説と、その解決策が思いついた俺は、手元にモバイルパソコンを引っ張り出し、ライド実施計画の文書ファイルをモニターに大写しにした。

Zwift環境が欲しいな~。


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