表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
BLUE in the ガールズバンド  作者: あまだれ24
93/104

第93話 これからのバンドの話をしよう その1


「なあ春ちゃん。改名するってマジなん?」


教室でお昼ごはんを食べていると、向かいに座る咲ちゃんがふと思い出したように聞いてきた。


「なんで知ってるの?」


聞き返すと咲ちゃんはお箸を持ったまま、うっとりした表情で胸に両手を当てる。


「うふふ…葵様から聞いたのさ」

「そんな事だろうと思った」


私は「葵様」というワードに眉をしかめながら、お母さんの作ってくれた甘口の玉子焼きを頬張った。


「よだれ出てるぞー」

「あっいけね」


えへへ、と濡れた口元を手の甲でぬぐう咲ちゃん。


けどその顔が不意に真顔になり、そっと顔を寄せて小声で尋ねてきた。


「けど…なんで春香から春風亭に改名するん?」

「春風亭?!」


玉子焼きが変なところに入って盛大にせる。やばい。めっちゃ苦しい。


「春ちゃん大丈夫?!」

「げほっ…だっ誰のせいですか…げほっ」


きっとまた葵さんから間違った情報を与えられたに違いなかった。このままだと東京でやばい男にカモにされる未来しか見えない。


「改名するのは私じゃないって」

「えっ? ちがうん?」


呼吸が落ち着いてから私は咲ちゃんに事の次第(しだい)を説明をした。


昨日、10月29日。


凛子さんのマンションに集まった時の話だ。


私たちのバンドの結成のいきさつを聞かせてもらったあと、私は思い切って、凛子さん葵さんの2人にこんな提案をした。


「これからの私たちの話をしましょう!」


「これからの話?」と凛子さん。


「うちはこれから夜中までバイトやわぁ…」葵さんが哀しげな声を出す。


「このあとの予定の話じゃなくて対バンの後、未来の話ですよ!」


すると凛子さんと葵さんは顔を見合せた。


「今も言うたけど…うちはこれからバルのバイトやからなぁ。あんま話してる時間ないで?」


「未来も何もまずは対バンで華に勝たなきゃだろ」


凛子さんが真顔でリアリズムに徹した言葉を返してくる。


まあ正論だ。対バンに勝たないと私たちの未来はない。


けど私は譲らなかった。なぜなら私は私で、このバンドと華さんの因縁を完全に断ち切りたかったからだ。


「もし日曜日の対バンに勝ったら…バンドの名前を変えたいんです」


「バンドの名前を変える?」意外そうな表情をする凛子さん。


「それはまたなんでなん?」と葵さんがベッドに寝そべりながら穏やかなトーンで尋ねてくる。


「それはこのバンドを…」


そこで深呼吸してから私は自分の考えをハッキリと伝えた。


「このバンドを『TRUE BLUEの華さんのいたバンド』から『私たちのバンド』にしたいんです」


自分の中で感情が高ぶるのを感じながら言葉を続けた。


「華さんとはなんの関係もないバンドに…私たち四人だけのバンドにしたいんです!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ