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BLUE in the ガールズバンド  作者: あまだれ24
40/80

第40話 その名はTRUE BLUE その2


目的地のライブハウスはトアロード沿いにある。


トアロードっていうのは南は大丸百貨店の手前、北は六甲山の(ふもと)まで約1キロに渡ってまっすぐ伸びる坂道の名前だ。


そのライブハウスの名前は『Very's』。年季の入ったビルの地下1階にある。


私たちは徒歩でVery'sに向かう。


薄紫色の夕闇の中。飲食店が多く立ち並ぶ三宮の北側エリアでは、たくさんのお店の灯りや目の前を走ってゆく車のライトが賑やかに輝いている。


「あの…葵さん」


信号を待ちながら小声で呼びかけた。


「なに?」

「もしかして…今から行くライブ…なにか(いわ)くでもあるんですか?」


腕組みして信号が変わるのを待っている凛子さんをチラッと見た。


キャップを目深にかぶって、ずっと顔をしかめている。

今日の凛子さんは一目で分かるほどピリピリしてる。


「せやなぁ。一言でいうなら…」


葵さんは数秒、間を置いてから言った。


(いわ)くしかないなぁ」

「やっぱり」


嫌な予感が当たって一気に全身が重くなる。


でもすぐ「ひょっとして」という考えが頭によぎった。


その "(いわ)く" って…失踪した蘭子さんに関する事じゃ?


そのとき横断歩道の信号が青になった。


混雑する人の流れに押され、私たちはばらばらに横断歩道を渡る。


「あの! もしかして」


渡りきってから人混みの中で葵さんを探す。前方に見つけその背中に質問を投げかけた。


「それって蘭子さんの」


「TRUE BLUEのリーダーの名前は(はな)


後ろから凛子さんの声がする。


「え?」振り向くと、凛子さんは私の横を通り過ぎながらハッキリと言った。


「春香が私たちのバンドに加入する前にいたギタリストだ」


「なんですか…それ」


肩からスーッとちからが抜けていく。


「つまり今から元メンバーの出世を妬みに行こうって、そういうことですか?」


凛子さんがそんなに器の小さい人だとは思わなかった。


そう思っていると、葵さんと肩を並べてVery'sを目指していた凛子さんが立ち止まった。


「そうじゃない」


凛子さんが振り返る。私も人の流れの邪魔にならないよう歩道の端で立ち止まる。


キャップのつばの下から覗くその目がゾッとするくらい鋭かった。


「じゃ、じゃあ何なんですか?」私はビビって声が震える。


すると凛子さんは衝撃的な言葉を続けた。


「華が蘭子の失踪の…重要な手がかりを握ってるかも知れないんだ」


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