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BLUE in the ガールズバンド  作者: あまだれ24
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第2話 待てど暮らせど


蘭子さんの失踪を知らされた日は、待てど暮らせど凛子さんからの連絡はついに来なかった。


凛子さんから新しいメッセージが届いたのは翌日の夜の事だ。


『やっぱり直接会って説明する。今週の土曜か日曜の昼空けといてくれ』


「えっなんだよそれ!」


LINEで教えてくれるんじゃなかったのかよ…


私は色々聞きたいことが渦巻いてたけど「ぐぐぐ…」と歯を食いしばった。


仕方なく『土曜でお願いします』と返信する。


『じゃあ土曜にいつものコメダで。時間はまた連絡する』

『了解です』


「あーもぉーっ!」


そう叫んで私はベッドの上でジタバタする。八つ当たりでスマホを投げそうになって、なんとかギリギリで堪えた。


「なんなんだよ凛子さんのヤロー!」


この2日で心配と不安がストレスにメガ進化して、ずーっと胃がズキズキ痛んでる。


でもどこにもその気持ちのやり場がないのだ。


蘭子さんが失踪して大変なのは分かってるけど、凛子さんもマイペースすぎる。


我が道を行くのは凛子さんの魅力だ。そういう所は凄くロックだ。

でも、こういう時ばかりはそのマイペースさが腹立たしくなる。


「春香なに叫んでるの?もう10時よー」階段の下からお母さんの声がした。


私はベッドから部屋のドアに向かって「わかってるよ!」と返す。


荒っぽい言い方になる。これじゃただの八つ当たりだ。高校3年生にもなってみっともない。


そんなことは分かってる。分かってるけど…不安で不安で仕方ないんだ。


実家が宝塚市の高級住宅街にあって、お嬢様ぜんとしていて、細く白い手で流麗に鍵盤を操る蘭子さんの姿を思い出す。


クラシックでもジャズでも何でも弾きこなす天才的なキーボーディスト。


そして信じられないくらい天然。


それが私たちの蘭子さんだ。


その時LINEの着信音が鳴る。あわてて手が滑りスマホを落《お》っことしそうになった。


「誰?!」


確認するとメッセージ主はベースの葵さん。


『ウチもわからん』


今朝送った質問への返答だった。蘭子さんの失踪の事情や行方は彼女も知らないという事だ。


素っ気ない返答だ。


けど葵さんは嘘で誤魔化したりしない。周りが凍り付くくらい正直に物を言うお姉さんなのだ。


その彼女が知らないと言うなら本当に何も知らないに違いない…


『そうですか。ありがとうございます』


そう返すとすぐ葵さんからメソメソと泣いている猫のスタンプが届いた。


こんな弱気なスタンプを送ってくるのはかなり珍しい。


どうやら葵さんも心配しているようだ。


凛子さんからはよくサイコパス扱いされてる葵さんだけど、2年以上一緒に活動してるメンバーが行方不明なんだ。


当然だよね…と妙にホッとした。


ベッドの上に仰向けになって目を閉じ、ハーッと深いため息を吐く。


「土曜かぁ…」


蘭子さんの情報は凛子さんに直接会って聞くしかないらしい。今日はまだは木曜日だ。


明後日までこの行き場のない不安と苛立ちはどうにもなりそうになかった。


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