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時間だけは腐るほどある。四人はひたすらインターネットの世界に浸る。大半はゲームだがお金になりそうなものを昼夜関係なく調べてる。転売やセドリ、無料応募、アフェリエイト。
ほとんどが大人が居ないとダメなものばかり。それでもRMTで稼いでる実績は大きい。ケンやリンも調べてる。飽きもせず。
普段の会話はお金稼ぎの話が大半。良い事もある。皆、漢字や英語を勉強し始めた。
語学は通常使う単語や、ある程度の言い回しは全員、聞けたり言ったりは出来るのだが、読み書きが出来ない。
インターネットは読み書きもその単語の意味すらも教えてくれる。
[グーグル先生]という言葉があるのをえっちゃんは知った。
秋も終わりに近づく。えっちゃんの仕事と生活は変化がない平穏な毎日。
変わった事は四人が携帯電話に首ったけな事。テレビを観なくなった事。チラシの白紙に漢字やローマ字綴りの勉強した跡が残る事。
マーロンとは何度か出くわすものの向こうから何も言ってこない。えっちゃん達もマーロン達の居そうな場所には近づかない。
[仮想通貨を調べてみないか]
コースケがミヤビ達に言ったらしく、最近の皆の話題は仮想通貨の話に。
一週間後にはケンでさえ、えっちゃんが聞いた事のない単語が口から出てくる。が、いつしかゲーム話に戻る。
えっちゃんが尋ねると[難しいし登録や取引にに銀行口座が必要なんだ]とつまらなそうにミヤビが答えた。
数日後の朝、えっちゃんが帰宅する時にコースケがアパートの前にいた。
一瞬、ミヤビ達に何かあったのかと背筋が凍ったが、コースケの緊張感の無い雰囲気でえっちゃんはホッとする。
気付かないうちにえっちゃんも緊張感を欠いていた証。えっちゃんは自分に戒めながらも、コースケに[なんかあったの?]と聞いた。
コースケは[面白い金儲けがある]と言った。
一緒に階段を上がる。
[おそらく数千万円入る。そうすれば皆も生活出来る。エクスコも帰れる]
久しぶりにコースケの訳の分からない話を聞いた。
[まだそんな事言ってるの?帰るって、どこの外国よ?ロシア?]
えっちゃんはコースケの冗談に付き合う。
えっちゃんはネットで自分の国を探した事があった。少なくともアジアや中東ではない。アメリカでも無い。イギリスかフランス、ロシア、北欧の方の血が入ってる。が結論だった。信憑性は無い。
[国という概念はないなぁ]
コースケが真面目に返す。
[じゃあ、何よ?]
[星なのかなぁ]
コースケの疑問に疑問で返す言葉にえっちゃんが笑って言った。
[ウソつくならもっと設定を考えなさいよ]
[ウソじゃないよ。そんな概念がないんだよ。あそこは]
[ねぇ、コースケは何で稼いでるの?]
えっちゃんは話題を変えた。数千万円入る金儲け。聞いてからずっと頭にこびりついている。コースケが止まる。えっちゃんも上る足を止めた。
[仮想通貨]
コースケは一言だけ言った。




