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# 綴る
彼女の匂いを鼻腔に閉じ込め、鼻歌交じりに部屋の散策を始める。
食器棚には二つのマグカップがある。
洗面台には二人分の歯ブラシ。
寝室のシングルベッドには二人分の枕。
それも今日からは一人。
喧しく鳴り響く彼女の携帯。
ドアを殴りつけながら彼女の名前を呼ぶ野太い声。
鍵を開ける音。
ベランダからはフィギュアみたいな車や人々がいつも通りの日常を繰り返している。
――もう時間だ。
行ってきます。




