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輪転  作者: ス喜一


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充たす

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tags:

- 806号室

- おめでとう

status: 不適合

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# 充たす

あなたの指に触れる。

確かな温もり。


僕だけのあなたを確かめながら、

静かに、目を閉じる。


その、感触を。


二人の息遣い。


あなたの瞳に映る僕を。


僕等だけの時間が、静かに再生される。


僕らだけの、二人だけの時間。



空間があなたに乱される。


あなたは僕に満たされる。


あなたの指が少し冷えてきた。


あなたの瞳に僕だけが映る。


その瞳は僕だけを映す。


華奢な首元の証を指先でなぞりながら。


「愛してる」


小さなその耳元に囁く。


僕があなたに充たされたことを。


確かめるように。


もう一度、重ね合わせて。



――強くなぞらえた。


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