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二つのR ~ 守護霊にResistanceとReactionを与えられた  作者: サクラ近衛将監
第四章 起業

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4ー15 結婚と新婚旅行 その八

 英国到着当日はホテルへのチェックインと、部屋の掃除(盗聴器等の回収・廃棄)だけで、後は二人ともベッドインだから、特筆事項は何もなしだね。

 翌朝九時には二人で朝食のためにレストランへ行き、そこで今日の予定の確認だ。


 実はこのレストランは、ハイドパークに面しており、時間帯によってはバッキンガム宮殿に向かう騎兵隊の行進を窓越しに間近で見られるんだ。

 いつもは午前10時半頃なんだけれど、日曜日や祭日は9時半ごろになる。


 今日は土曜日で明日が日曜日だから、明日は9時に窓際の席を予約しておいて、可能であれば騎兵隊の行進を見ることにしているんだ。

 朝食もメニューはたくさんあって、和朝食まであるんだぜ。


 今日はオーソドックスなイングリッシュ・ブレックファーストと紅茶を二人で頼みました。

 さて予定の方なんだが、ホテルに一番近いのはハイドパークで、ここではお馬さんに乗って散歩するコースもあるんだけれど、アズがお馬さんは何となく怖いということで、この話は無し。


 また、ハイドパークに隣接しているのが、ケンジントン宮殿。

 ここは、17世紀後半国王であったウィリアム3世の療養先として「ノッティンガム邸」を改装したのが始まりで、これ以降、ヴィクトリア女王の誕生の地となり、現在はウィリアム皇太子一家の公邸になっている。


 このためプライベートな空間は公開されていないけれど、一部を入場料を払えば見せてもらえるんだよ。

 但し、拝観料(?)が大人は30ポンド弱だから、日本円で6千円超だからかなり高いよね。


 バッキンガム宮殿もホテルから近いけれど、ここは王室ご一家が不在となる夏休みぐらいしか一般公開はしていないんだ。

 従って、でかいベアスキン(Bearskin)の帽子をかぶった近衛兵の交替儀式を遠目に見るぐらいが関の山かな?


 ウエストミンスター寺院も割と近いんだけれど、ここも実は拝観料が一人30ポンド。

 当然予約でのチケット購入になるね。


 まぁ、小金持ちだから左程気にはしていないけれど、何だか高すぎるきらいがあるよね。

 円レートが低い所為もあるのだろうけれど、二人で1万二千円を超える価値が本当にあるのかなと思うよ。


 フランスでも感じたことではあるけれど、日本とは物価の違いがあるんだろうね。

 今日の予定ではないけれど、ロンドンでアズが最も楽しみにしているのがミュージカルなんだ。


 けち臭いと言われそうだけれど、こいつも高かったな。

 予約チケットで、御一人様1万5千円なんだぜ。


 当日券ならもっと高いんだろうね。

 二人で三万円は、日本で高級料理店に行った時の値段だけれど、日本での劇団「四季」のチケットはS席だと2万円を超すよとアズに指摘されてしまうとグウの音も出ないぜ。


 その意味ではむしろ安い方なのかな?

 俺の頭の中では、どっちかと言うと観光地の入場料や拝観料は、京都のお寺の拝観料なんかが基準になっているからね。


 そう言う実体験から言うと、随分と価値観が違うんだよなぁ。

 そう言えば、日本での計画段階で、一生に一度の新婚旅行だから散財一択とばかりに、結構高額な予約をしたんだっけ。


 今日の予定は、ウェストミンスター寺院、ビッグベン、ロンドンアイ、サウスバンクセンター(昼食?&ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団のコンサート)、グラフィティ・トンネル、タワーブリッジを見学して、夕食はホテルに戻ってDinner by Heston Blumenthalで頂く予定。

 因みに明日の夕食は、リッツホテルのThe Ritz Restaurantで予約しているよ。


 今日の見学コースは、ホテルから一番遠いタワーブリッジで約4.2マイル(略6.8キロ)だから、タクシーを適宜使うことにしている。

 目玉は、何と言ってもロンドン・フィルハーモニーのコンサートだろうね。

 

 これもアズのご希望で予約しているコンサートなんだけれど、サウスバンクセンターにある四つのホールのうちの中ぐらいの大きさのクイーン・エリザベス・ホール(Queen Elizabeth Hall:座席数917)での演奏だ。

 ここはロンドン・フィルハーモニーの根拠地でもある。


 コンサートの予約が取れなかった場合は、大英博物館に行く案もあったのだけれど、予約が取れたのでそちらはお預けになったわけ。

 食事は終えて前面の道路に左側から騎馬隊の行列が近づいてきたのが見えたけれど、次の予約の客が待っているようなので、俺たち二人は席を立った。


 騎兵隊の行進は、明日見ればよい。

 それから二人で軽装(決してラフではない)のままでホテルを出たよ。


 最初に行くのはウエストミンスター寺院。

 およそ2マイル(約3.2キロ)なので、歩いて行けない距離じゃないけれど、見学時間が長いと後半がきついのでタクシーで移動。


 チケットを事前に購入しているから待ち時間はほとんどなしで内部に入れたよ。

 欧米のでかい教会と言うのはとにかく天井が高い。


 まぁ、日本の大きな寺院もそうだけれど、天井を高くすることで人間の卑小さを感覚的に受け取らせようという小細工なんだ。

 但し、その桁が違うと言ったところかな。


 ウエストミンスター寺院の高さは31mだそうだから、ビルで言えば8階建てか9階建てくらいに相当するところに天井があることになるね。

 この高さは、ゴシック様式としては一番高いんだが、こちらはイギリス国教会の寺院なんだ。


 一方で、この近くに英国カトリックの総本山であるウエストミンスター()()()がある。

 こちらの方が身廊(みろう)の天井は高いんだけれど、イギリス王室の式典関係で有名なのは()()の方。


 王家の葬儀や戴冠式なども全て()()の方で挙行されているんだ。

 内部は、まぁ、荘厳と言う言葉が一番似合っているね。


 ここにはパイプオルガンもあるんだけれど、演奏は日曜日にしか公開されていないようだ。

 おまけに日曜日は一般公開がされてはいないけれど、お祈りをするなら午後5時から30分ほどパイプオルガンを聞くこともできるようだね。


 因みに日曜日の御祈り場合は無料なんだって。

 北側の入り口から入って、寺院の中をコース順に巡って、付属の建物や中庭まで見学して、西側の出口へ出て来るまでおよそ二時間でした。


 次の目的地はビッグベンだけれど、これは遠目に見るだけにする。

 ビッグベンを訪れたならウェストミンスター宮殿(国会議事堂)のツアーに参加するのが定番らしいけれど、俺もアズも政治には関心が無いし、英国の高名な政治家たちの肖像画や写真を見ても仕方がないでしょう。


 だから国会議事堂はビッグベンと同じく遠目で眺めるだけにしたんだ。

 ビッグベンを右手に見ながら、徒歩でウエストミンスター橋を渡り、テムズ川を行き来する船を眺めつつ、ロンドンアイへ向かった。


 ロンドンアイは、高さが135mの観覧車で、ロンドン市内が一望にできる観光スポットなんだ。

 一周するのに約30分かかるし、結構混み合うので1時間ほどはみておいた方が良いかもしれないね。


 俺達は正午過ぎに乗って、12時半過ぎには降りたけれど、確かに見晴らしがよいのとゴンドラ(最大25名が乗れるカプセル)が広いので中々快適だったよ。

 ロンドンアイから近くのサウスバンクセンターに移動し、そこで昼食をとった。


 混み合っていたら困るのでロイヤル・フェスティバル・ホール3階にあるモダン・ブリティッシュ・レストランのSkylon (スカイロン)を午後1時から2時の間で予約しておいたんだ。

 勿論ディナーじゃなく、軽めのランチだけどね。


 今日は土曜日だから手軽に食べられる屋外のフードマーケットもあるのだけれど、席を確保するためにスカイロンを選んだわけだ。

 ここは大きな窓からテムズ川と対岸が眺められる景色が有名なんだ。


 多分、ここには夜に来るといろんな明かりがついてきっと賑々しいのだろうと思うよ。

 昼食を食べたらサウスバンクセンターの館内を見学しつつ、クイーン・エリザベス・ホールの一角に向かう。


 午後2時半からは、ロンドン・フィルハーモニーのコンサートがあるんだ。

 公演時間は休憩を含めておよそ2時間だ。


 感想は?

 俺に聞くなよ。


 とっても良い演奏だったはずだ。

 アズがそう言っていたから多分間違いないだろう。


 俺も色々な能力は持ってるけれど音楽を聴いて聞き分けるほどの才能はなさそうだ。

 そりゃぁ、良し悪しをそれなりに判断はできるけれど、例えばコンクール出場者の順位をつけろと言われても出来ないものは出来ないよな。


 コンサートを終えて、ホールを出たら最寄りのウォータールー駅の南側にあるグラフィティ・トンネルへ向かう。

 グラフィティ・トンネルというのは壁や天井にスプレーアートが多数描かれた地下道の事なんだよ。


 日本では違法な落書きとして扱われるけれど、海外では政府や地方自治体が公認して、観光の目玉になっているところもあるんだ。

 因みに俺達が来たリーク・ストリート・トンネルは、全長300mのトンネルで、様々なアーティスト達が共演しているところだ。


 まぁサイケな絵画のメッカとも言えるだろうね。

 チョット薄暗いのが玉に瑕なんだけれど、こういうところでは往々にしてワルもいる。


 背後から結構な速度で走って来た二人組が、俺達の背後で派手にこけていた。

 この二人、アズが肩から下げているハンドバックを狙って走り込んできた奴らだ。


 黄さんから工作員ではないことと、ひったくりの常習犯と言うことを知らされており、俺もその気配を感じ取っていたけれど、アズに怪我でもさせては大変だからね。

 俺達の手前5mほどのところですっころんでもらったわけだ。


 踏み出した足が一瞬でほぼ固定されたら、勢いのままに転ぶしかないよな。

 二人とも足首を相当に痛めたはずだが、俺は知らん。


 例によって、MI5なんかも俺達の後をつけていたから彼らが何とかするだろう。

 ここからはタクシーに乗って、タワーブリッジへ移動だ。


 途中で川岸に係留されている巡洋艦ベルファストも見られたね。

 こいつは第二次大戦前に建造された巡洋艦だが、主に大西洋での戦闘に従事し、1945年8月の終戦間際には太平洋(豪州)にも進出していたが、到着後まもなく終戦となったので、日本軍との戦闘は無かった軍艦だよ。



** 注) **

 既に気づいた方もいらっしゃるかもしれませんが、新婚旅行中の夏時間を話の想定上若干ずらしています

 現行ではパリは3月29日から、ロンドンは3月30日からが夏時間です。

 


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