4章
「おはよう。」そう微笑みながらエプロンをつけた兄さんは朝食の用意をしている。
大きな窓からは朝日が入り食卓を照らしている。
食卓には鮭に味噌汁と卵焼きなどのおかずが並べられていて完璧な朝食が輝いていて見える。
「すごい・・・。」
料理ができない母さんとの朝食はいつも菓子パンだけだったので驚いている。
「さぁ一緒に食べよう。」
僕はまず卵焼きを食べた。
「うまっ」自然に声が出てしまった。
「兄さんおいしすぎる。」
「それはよかった。」
僕は感動しながら食べたことのない朝食をかみしめていた。
「そうだ、兄さん今日の光月の入学式行くから。」
「え!?仕事は大丈夫なの?」
「休んだから大丈夫だよ。弟の晴れ姿みたいからね。」
「そっか・・・うれしいよ。ありがとう。」
母さんは学校行事には仕事であまり参加してくれなかったから家族がそう言ってくれて素直に嬉しかった。
僕は朝食を終え支度をすると一階のロビーで待つように言われて待っていた。
地下に車があるらしく兄さんはそれを取りに行った。
するとかっこいい高級感のある白のオープンカーが止まる。
兄さんが手を招き僕を呼んでいる。
「えっ!?」
高そうな車に驚き一瞬フリーズしたが乗車し大学まで行くことになった。
兄さんはカントリー調のゆったりした曲をかけて特にそれといった話はせずに20分ほどで大学に到着した。
車から降りると正門をくぐり会場まで歩いる道中なのだが違和感を感じる。
女子の視線だ。はっとして横を歩く兄さんの顔を見た。
「どうかした?」
兄さんはにこっとハニカミ首をかしげてこちらを向いた。
「いやなんでもない」
確かにこの顔は注目を浴びても仕方ない・・・と静かに納得した。
今さらになってわかったことだが兄さんはモデル並みにイケメンだと思う。
女子たちが兄さんのことをみて話している。
「あの人かっこいいね。」
しかし妙にこちらをみて話している。
話に気をとられていたら僕たちはいつのまにか手をつないでいた。
あれ・・・なんで僕たち手繋いでるの?そう思いながらしばらく歩いていた。
いもあらい状態の中ではぐれないようにと兄さんが思ったのだろう。
恥ずかしいので会場についたら僕から手を離した。
すると兄さんは離された手をみた後僕に微笑んだ。
入学式も終わり兄さんと写真をとって、帰るために車に乗り込んだ。
その道中、兄さんと話をした。
「光月のスーツ姿、すごい決まっててかっこよかった。」
「そうかな。」
「身長が高いからなんの服でも似合いそうだけどね。
今日は光月のことずっと見てたけど周りの女の子、光月のこと見てたよ」
「そんな・・・気のせいじゃない?兄さんこそモテてたじゃん。兄さんよりモテるわけないじゃん。」
少しふてくされながら僕が言うと
「今は恋愛する気もないよ。光月はどうなの?兄さんから見てもかわいい顔してると思うけど、もてない?思ったんだけど俺と目が似てるよね。」
「確かに似てはいるけど僕は普通レベルの顔だよ。
それに僕は兄さんとは違って余裕なんてなかったから、勉強に集中したかったしまぁ男子校だったからね。恋愛経験は少ないよ」
「へぇ・・・。」
家に帰ってからしばらくは休日が続いた。
なぜか兄さんは家でできる仕事をしているといって、仕事に出かける日は少なかった。
監察医ってそういうものだよと言われてから別に疑いもしなかった。
ある日家に兄さんの友人と名乗る人が訪問してきた。兄さんは大学時代の友人だと僕に説明をしてから家にあげていいかと了承を得てきた。「全然いいよ。」
そういって家に上がってきたのは髪型がきっちり整えられていて服装も洗練されている眼鏡をかけた男だった。
「紹介するよ、こちらは僕の大学時代からの友人で智明。現在は外科医をやってるよ。それでこっちが弟の光月。かわいいでしょ。」
「弟がいたなんて初めて聞いたぞ。確かに少し似ているな。よろしく。」
「よろしくお願いします。僕も同じ大学の医学部に通うことになっています。先輩です。」
そういうと二人は兄さんの自室に入っていった。
僕も自室に入り読書をしていた。
すると突然
「どしんっ」
という大きな音がした。何事かと思って廊下にでてみたら二人の話し声が聞こえた。




