[Lil'in of raison d'être:Chapter.0+1:introduction]
抵抗を、諦めろ──。
西暦2100年8月20日。
日本・富士樹海に小惑星が落下。その小惑星には人体へ超常現象を引き起こし、ありとあらゆる人間の才能を極限にまで高める細胞粒子状物質が付着していた。そんな小惑星落下の被害に遭ってしまった少女、ユベル・アルシオン。ユベルは瀕死状態に陥ってしまう。そんな中、とある集団がユベルを“回収”してしまう。その集団というのは、37年後の時代を生きる者達だった。
“未来からの使者”の時代、西暦2137年。
小惑星に付着していたウイルスが日本列島全域に蔓延。そのウイルスに感染した7歳~15歳を中心とした少年少女がウイルスの力を使い、暴走事件を起こす。彼等は“セカンドステージチルドレン”通称・SSCと呼称されている。ユベルを回収した集団、科学研究部隊はバイオハザードの原因であるユベルを回収し、暴走事件を引き起こす少年少女らに対して、“有効的な兵器”を製作する事となる。能力者には能力兵器を⋯といった考えだ。
しかし、ユベルが死んでしまい、計画は一時的中止へ。その際、ユベルの遺伝子情報・血液サンプルは採取済みだ。
西暦2158年1月7日。ユベルの血統であるアルシオン一家。日本政府は極秘裏にアルシオン一家を拘束する。ユベルが死んでしまった為、同血の遺伝子情報を採取する必要があったからだ。これによってSSC対抗兵器製作計画が再び動き出す。だが翌年の6月19日。2人のアルシオンが脱走に成功。兄と妹だ。2人が必死に逃亡する中、一つの“渦”を発見し飛び込んだ。その先に待ち受けていたのは、日本とは思えない異世界だったのだ。
2人は近親相姦で嫡出子を6人産んだ。
第五子、ペンラリス・アルシオン。彼は、親が“別の世界”で体験した出来事を“夢”で見る。それによって殺意が芽生え、親に一切言わず、復讐を決意する。婚姻をし、嫁・ペイルニースとの間に、“サリューラス”を授かった。“夢”で見た場所を“この世界”で特定し、襲撃地点を決定したペンラリス。復讐決行日、サリューラスの遺伝子暴走によって多くの兵士と共に、親も死亡。サリューラスは昏睡状態となる。
7年後。サリューラスの公開処刑が始まった。そんな時、SSCがサリューラスを救出。“フェーダ”と呼ばれる反人類対抗組織には、サリューラスと同じアルシオンが、皇帝、皇女という肩書きで存在。アルシオンとの再会に、3人はそれぞれの歓喜を見せる。2日後、航空母艦襲撃を決行したフェーダ。目的は原子爆弾の奪取とSSC対抗兵器に使用される“オリジナルユベル”の遺伝子情報破壊。この襲撃作戦では皇帝と皇女を失う、悲劇的な展開を迎える運びとなった。新皇帝はサリューラス。翌日、王都ツインサイド襲撃。世界の代表者が一堂に会する首脳会議にフェーダがカチコミ開始。原子爆弾にここで使用されるものだ。ツインサイドには特殊バリアが張られている。それはSSC遺伝子を無力化するものであり、原爆の力が必要だった。民間人を巻き添えに行われた人類とSSCの戦争。争いはSSCの圧勝で終焉。繁栄していた花の都は戦果の大地へ。首脳陣も皆殺しにされ、完膚無きまでに叩き潰したフェーダは、エゼルディへ帰還し、どこかへ消失した。




