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差別を無くしたい14





そんなケイに、ジュンは容赦無く魔法で水を浴びせ、クラは目覚まし時計を山程鳴らした。

「俺は夜行性なのにさぁ」

ずっとメソメソ泣いている。

「えっと、きっと、悪気がある訳では無いと、思います」


(分かんないけど)

早く寝たいからさっさと起きろ。みたいな感じだった気がします。依頼が有りますからね。リク達を完全放置は出来ないですし、1人は見守っておかないと。っと、ケイ先生を起こしていました。

だから、これは悪気?では無いですよね?わざととかでは無いし、意地悪でも無いし、ただ、眠たかっただけで。


「でも起こし方あるじゃなーい?」


まぁ…。いきなり水ぶっかけられるのも、大量の目覚まし時計を仕掛けられるのも嫌ですね。でも頷きませんよ。どちらかと言えば、私も共犯です。眠たかったですから。

徹夜は慣れてるとは言え、慣れないし緊張したし怖かったし、疲労感は一杯だったから、ベットに入った途端に眠りについた。


「先生、キリアにグチグチ文句言うの止めてあげなよ」

続いて、クラもジュンも起き、リビングにやって来た2人は、ケイに朝方の事で愚痴られているキリアをかばった。

「言いたくもなるでしょー?!2人は俺を師だと敬って無い!敬意が足りない!」

「弟子が危険な仕事に行ってんのに、何時までもぐーすか眠って出迎えもしねぇ師匠に言われたくねーよ!」


昨晩出発したのが夜の22時だとして、帰って来たのは朝の6時。7~8時間は寝れてる。


「信頼の証だよ、信頼♡2人なら任せても大丈夫!ってゆー」

「あはは。嘘過ぎて笑えるね。結局寝たのは何時なの?」

「朝の5時♡いやぁ、本読んでたら遅くなっちゃってーーいてぇっ!!」

クラは思いっきりケイの足を踏み付けた。



「とりあえず、昨日の調査報告するね」

キリアの作った朝食兼昼食を食べ終わった後、そのままリビングのテーブルで、3人に向かって声をかけた。

「リクの言ってる事に矛盾点は今の所無いかな。店には嫌がらせの形跡もあったし、ヒゲールに依頼されたってゆーチンピラが店に火をつけようとしといたから、お仕置しといた」


テーブルの上には、水晶玉が有り、その水晶玉には、リクの母親が経営する喫茶店の様子が映されていた。これも、ケイ先生の空間魔法の一種らしい。

「あの髭男…!」

「俺達が依頼を断ったから、自分達でする事にしたんだねー」


人殺しはリスクが高い。なるべく、自分達の手は汚さず、紅の魔法使いーー即ち、どうでも良い存在に押し付けれるなら、押し付けたかった。が、彼等の本音だろう。

でも、紅の魔法使いである私達は、それを拒否した。


「リクの言ってた、街の人達が用意してくれた警備員も、ヒゲールに雇われてた。喫茶店を燃やしてくれたら、金をやるって大金詰まれて、快諾したらしいよ」


この世界には冒険者ギルドと呼ばれる物があって、そこには様々な依頼が有り、基本、誰でも依頼を受けれるようになっているらしい。

誰でも依頼を受けれるので、不誠実な輩が紛れ込んでいる可能性は充分にある。勿論、依頼に背いた事がバレればOUTで、ギルドが対処し、厳しい罰が与えられる。あの男達も今頃、全員揃って牢にぶち込まれているだろう。前世でいう、警察の役割もこなしてるようだ。


「ただ、チンピラの中に1人、ヒゲールの直接的な従者が紛れ込んでて、そいつが言うには、例え成功していたとしても、金を払う気は無かったみたいだよ」

やらせるだけやらせて、報酬は払わない。

やってる事が犯罪なだけに、例え支払われなくても大事には出来ないし、泣き寝入りするしかない。


「だろーな。帳簿見たけど、売上悲惨だったぜ?それでいてヒゲールは贅沢三昧してんだから、金が無くなるのも当たり前だろ」

単身、ヒゲールの様子を見に行ったジュンは、順調に家に潜り込み、色々偵察して来たようだ。


「火事作戦が失敗しちゃって、きっとヒゲールは、俺達が関わってることに気付いただろーし、次はなりふり構わずにしでかすかもねー」

「なりふり構わずに…」


今ですら、商売敵の拠点を火事で燃やしてしまえ!というヤバい思考なのに、これ以上なりふり構わずに来られると、恐怖でしか無い。今度は、本当にリク達に手を出すかも知れない…!


「どーするの先生?始末するのが1番手っ取り早いけど」


お願い止めて。クラさんまでそんな事言わないで!激しいのはジュンさんだけでお腹いっぱい!!


「家燃やすか?全員丸焼けにしてやろーぜ」


もう止めて…!分かるけど!ヒゲールさんが鬱陶しいのは分かるけど!安直にすぐ殺気を剥き出しにするのは止めて!!


「んー。始末するのも火事を起こすのも簡単だけど、それじゃあ、俺達もあいつ等と同じ野蛮な奴等と同等になっちゃうだろ。俺はそれを望んで無い。俺は、紅の瞳の持ち主も、まぁまぁ良い奴等もいるって、皆に知らしめたいんだ」


「ーー!」

呪われてるとされる紅の瞳。

その瞳を持って産まれた私達のイメージを、良くする為にーー?


「聖人君子って思われたい訳じゃない。ただ、普通の奴等なんだって、思って貰えたら充分。少しでも、差別を無くす為にね」






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