26話 帰還
なんかかっこいい言い方ですが単なる帰宅です。
俺は基地(自宅)へと帰還していた。
今日の出来事でボロボロになっていた俺を待っていたのはしょぼんとしていた妹だった。
「ど、どうした?」
テレビもつけずにソファーにちょこんと座っている。
酷くご機嫌ななめのようだ。
「遅い……」
空から発せられた言葉はそれだけだった。
確かにここ最近の俺としては遅かったような気もする。
「ごめん。ちょっとデパートで買い物してた」
「……誰と?」
「その校外学習の班の人とだけど」
それを聞いた空は顔をしかめた。
「もしかして女の人と?」
低い声のトーンで質問してくる空。
「あぁ、まあそうだが」
隠すこともないので俺は正直に話した。
すると、空は少し悲しそうな目をして
「……彼女?」
と、小さな声で質問してきた。
「違うよ」
俺はキッパリと断言した。
「制服を着たまんま一人でデパートに行くのは恥ずかしいから一緒に買い物に付き合って欲しいって言われたから付き合ってただけだ」
そう答えると心無しかほっとしたような様子で
「そうなんだ。よかった」
と、呟いた。
「あ、でも今度からは早く帰ってきてね!そ、その心配だから……お、遅くなるにしても何も連絡しないのはやめてね」
どうやら俺が思った以上にも空は俺のことを心配して精神をすり減らしていたようだ。
謝罪とずっと一人にさせていた分寄り添ってあげようという思いでソファーに一緒に座り俺は空の頭を撫でた。
空はそれを黙って受け止めて、3秒くらい撫でて俺がやめようとすると、
「もっとぉ……」
と、甘い声でせがんできた。
「はぁ、しょうがないなぁ」
いつもよりも甘えてくる妹に若干驚きながらも俺はその後もずっと頭を撫で続けた。
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