第一話 すべてのはじまり
身長170センチ、体重は一般的、顔は、まぁ中の上くらいだけど、頭も悪くないし、何が原因で彼女いない暦イコール年齢なのか…横を通り過ぎたカップルだって、男のほうは(下)に分類されるであろう顔をしているのに。何であんなのに彼女が出来て俺には出来ないんだ、そんな憤りを感じながら、汐崎幸介(彼女いない暦20年)は街を歩いていた。
だが、彼が今この街にいる理由こそ、その悩みの最大の原因であることに彼は気づいていない。彼はバイト代の10分の1と引き換えで新作のゲームを手にするためこの街に来ていた。
どのキャラから攻略しようか…、やはりあのツンデレっ娘からか…、そんなことを考えながら僕は店を目指し歩いていた。だけどそのとき突然、僕の腕を何者かが掴んだ。
「え〜っ…」
街中で腕を掴まれるなどという想像していない事が起こり、僕の口から思わず言葉がもれた。
僕は振り返る、意外に細い腕、その主は…
って女!?しかも、ショートカットでめちゃくちゃカワイイ、まさに直球ど真ん中、とびっきりタイプの女の子。
「ええと…何か…」
めちゃくちゃカワイイ女の子だけど、よくみるとその表情はめちゃくちゃ怖い。
「あの、俺、何かしました?」
彼女は表情を変えずに言う。
「ちょっといいですか?」
そういうと彼女は僕の腕を引っ張り歩き出した。
さて、彼女に腕を引っ張られたまま、5分は歩いただろうか、彼女に質問しても答えは返ってこない。だが彼女は急に立ち止まると「ここで待ってて」と言い残し、側にあった交番へ入っていった。
ん、まさか僕が痴漢だとか言いだすんじゃないだろうな…
でも、それなら一時、それも交番の目の前で開放するのはおかしい、中まで連れていくのが当然だ。彼女は警官と何か話すと、すぐに、一人で戻ってきた。
「何、話してたの?」
彼女の顔が若干赤くなった気がした。
「いいでしょ!」
そう言うと彼女は再び僕の腕を掴み歩き出した。そのまま少し歩くと、自然に彼女の目的地がわかってきた。でも、まさか…なんでだろう?彼女が向かうその通りには、あの…恋人達が利用するホテルが…
「ここでいいや…」
彼女はその通りの中でも一番目立っているピンク色の建物の前でそう言った。
「もしかして…入るの?」
僕の胸は期待で大きく膨らんでゆく、ついさっきまで、どのキャラから攻略しようかなんてことを真剣に考えてたのに…
今、僕はルートもフラグも関係なくおそらくこれまでの人生で最高のエンディングを迎えようとしているのだ。
「お金あるよね?」
そりゃもちろん、1本1万のゲームを買おうとしてたのですから…
「金はあるよ…てか本当にいいの?」
彼女はそれに対しては何も答えずにまた僕の腕を引っ張って歩き出した。そのまま僕らは建物の中へ。
部屋は薄暗く建物の外壁と同じ色の照明で照らされていた。
いざ部屋に入ったものの、どういう風に切り出せば良いのか…僕はベッドに座り黙っていた。
すると、彼女は僕の隣に座り、一つ大きなため息をつくと口を開いた。
「ごめんね、急に」
(いえ、謝る必要なんてないです、大歓迎です)
「驚いたよ…その…君みたいなカワイイ子がさ…その…」
だが、彼女は僕がそう言っている最中に、自分のバッグをあさり出し中身を取り出すと、それらをベッドに置いた。
…
…
ベッドに並べられた物は、頑丈そうな長い紐、サバイバルナイフ、小さいけど切れ味はありそうな包丁…。て、何ですかこれ…
「どれ使ってもいいから、私を殺して」
呆気にとられている僕に質問をする間も与えず彼女はそう言った。
一瞬で僕の胸の期待ともう一つ膨らみかけていたモノが小さくなった。
「本気?」
「本気。覚悟はできてる」
彼女の表情にふざけてる様子は全く感じられない、こりゃ本気だ。
「僕に…君を殺せと?」
こんな展開、ゲームだってありえないって。この状況、昏睡強盗とか、美人局ならまだしも、まさかの殺人依頼!?
「ちょっと待ってよ、なんで君を殺さなくちゃいけないんだよ?」
「……あんまり時間は無いんだけど、やっぱりちゃんと話さなきゃだめだよね」
彼女はそう言うと、彼女が死にたい驚くべき理由を語りだした。
「私が死なないとね、地球が滅んじゃうの……」
(続く)
今回はラノベ調?若干ふざけてますw
僕の彼女はサイボーグ…を見た後に思いつきました。
のでタイトルは8割パクリです。
内容はパクリではないので、彼女は普通の人間です。
今後の展開は考えていますが結末は未だ?考え中。
初の連載モノなので手探り状態ですが頑張ります。
コメント、評価していただくと今後の展開も変わると思います
追記)10/30 少し表現とセリフを直しました




