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「この結婚はなかったことにしてほしい、お互いのためだ」と言われましたが……ごめんなさい!私は代役です  作者: 涙乃


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「そうですか、私としたことが大変失礼しました。」


「いえ、分かっていただければ……」


フィオナはゆっくりと顔を上げた。


って、まだ見ているではありませんかー。


「あ、あ、あの、ルーク様、私の顔に何かついていますか?」


「あぁ、いえ、お顔というよりも髪が……おち……ついた色ですね」



もしかして、気づいていますか?気づいていますよね? 


「私のことは、ルークとおよびくださいね。フィオーリ」


「ひゃ」


ルークはフィオナの髪を少し手に取ると、まるで口づけをするような仕草をした。


思わず変な声が出たフィオナは、慌ててルークと距離をとる。


「なにをするんですかっ!」


「いえ、ちょっとした挨拶ですよ。なかなか面白いことになりそうですね。さぁ、フィオーリ、ルークと呼んでくれますね? 呼ぶまで放しませんよ」


ルークと距離をとろうと後退るフィオナを、そうさせまいとじりじりと追い詰める。


遂に、壁際まで追い詰められたフィオナのことを、囲い込むようにルークは両腕を壁についた。


これは、襲われかけているのでしょうかっ。


酔っ払いに絡まれたり、痴漢に襲われそうになったりしたこともあります。そんな時は、急所を突いて逃げるようにと、女将さんから教わりました。けれど難易度高くないですか。


身体が動きません。

ここは大人しく、名前を呼ぶしかなさそうです。


「ル、ルーク、分かりましたので、放してください!」


「何をしている‼︎ 」


旦那様?



突如現れたアランが、猛スピードで駆け寄ってくると、ルークを勢いよく引き剥がし胸ぐらを掴む。


「アラン様、なんでもありません。ちょっとしたコミュニケーションをとっていただけです。」



「私には強引にフィオーリ嬢を襲いかけているようにみえたが?」


アランは手の力を強めて、怒気を含んだ瞳でルークを睨み問い詰める。



「誤解ですよ、ねぇ、フィオーリ」



急に呼びかけられたフィオナは困惑する。


ルークの胸ぐらを掴んだまま、アランもフィオナの方を振り向いたからだ。


なぜか鬼のような形相で怒っているアランと、平然としたルーク。



ルークが口元だけを動かして、「ルークと呼んで」とフィオナにだけ見えるように合図する。


「……ルークの言う通りです」



「ね?アラン様」


アランは渋々ルークを解放した。


「なぜ、お前が呼び捨てにしているんだ?」



「フィオーリのことですか? 別に構いませんよね? アラン様はクリスティナ様をお望みなのでしょう?」


「ぐっ、そ、そうだが! 随分と親しくなったのだな……」


先程までの剣幕はなりをひそめ、アランは急に大人しくなっていた。


フィオナは、アランが自分に好意を持ってくれていることが嬉しい反面、フィオーリに成りすましている自分に気づかないことに複雑な心境だった。


「旦那様?」


「フィオーリ嬢、あなたが誰を好きになろうと自由だ。だ、だが、間違いとはいえ、こうしてここにいる間は、私があなたの……保護者だ……ルークはいいやつだが、私の見えるところでは遠慮してほしい」



「では、見えない所でなら口説いてもいいのですね?」



「口説く? 本気なのか? いや、だめだ、とにかくだめだ!ルーク、お前は席を外してくれ、これは命令だ、さぁ!」



「そうですか、では、アラン様失礼します。また後ほどフィオーリ。」



ルークは一礼した後、乱れた襟元を正して去って行った。


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