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国王陛下の退出後、私達は王城を後にし、魔術庁公安部に来ていた。
真っ黒なフードを被り、白い仮面をつけ、長い長い地下の階段を降りると、目隠しをされ手錠をしたままの黒髪の男が椅子に静かに座っていた。
私の前には同じ格好をしたハインリヒ様とアレクシス様が立っている。
薄暗い、窓もない石造りの部屋の真ん中で座る男は猿轡をされていていた。
見覚えがあるその姿。最後に見たのは、ユニコーンの調査に行った時だった。
ハインリヒ様の透き通る声が部屋に響く。
「·······ハンス・デューリンガー。あなたは過去に囚われずに前を向いて生きて欲しかった。クレンペラー王家とは別に、あなただけの人生を歩んで欲しかった。お陰で、あなたは見てはならぬ者を見てしまった」
私は小さな声でノエルを呼ぶと、闇から這い出るようにノエルは現れ、私の肩に両腕を巻き付けた。
「ハンス・デューリンガー。あなたに審判を下す。悪魔ノエルを見た記憶、及び本日1日の記憶の消除をします」
「······ふぐ······っ」
猿轡の下で黒髪な男が何かを叫んだが聞き取れなかった。
「ノエル、ハインリヒ様に従って」
「いいよ。僕の魔女」
黒髪の男は糸が切れたようにその場に崩れ落ちた。
「300年······これで終わり······やっと終わりました·······」
白い仮面を外して、白目を剥いて倒れている男を見下ろした。
頬を伝うものを感じると、ハインリヒ様が指で静かに拭ってくれた。




