お魚天国
「シロさんやーい」
「陛下、最近引きこもって何をなさっているんですか?」
「AIを使って最近の採掘量や使用量、貯蓄量を計算して、新しいコロニーを建設できるか考えていた所だ」
「そうですか、それは漁業用コロニーの建設でしょうか?」
「なぜ知っている!?俺が考えたコロニーの妙案だぞ?」
「陛下が最近、料理長に魚の特徴や養殖の難しさなど聞いているのは知っていますからね」
「なるほど、そういう所からバレてしまったか」
「でも悪い事じゃないですよ、魚の天国を作ろうというのですからいい事だらけです」
「ふむ、まあ食べる為だがな、魚には健康にいい栄養素がたくさん含まれている、大規模に作れれば今よりもっと安くなって食べやすくなるだろう?」
「国民がもっと健康になりますね、いい事じゃないですか」
「しかし問題は水だな、大量の水が必要だ、それに水だけじゃない、各種バクテリアや、海藻類、温度、海流、各種魚いろんな問題がある、これをAIに頼って解決しようとしてたんだが、なかなか解決しなくてな」
「それでその無理難題を私に聞こうとなったわけですか」
「そ、そうだ、シロさんなら答えを知っているかと思ってな」
「さて私は一から星を作った事は無いのでわかりかねますが今新型の6代目のAIが建設されようとしているじゃないですか?」
「あぁアルフレッドが危険だと言っていたマザーAIだな」
「その6代目にすべて計算を任せて建設させればいいのではないですか?」
「ふむ、それはいい考えだな、計算力も随時必要になるし、天然の海を作るわけだからな」
「漁業はロボットに任せるんですよね?」
「あぁもちろんだ、各地に水揚げ拠点は設けて、マジックバックで持ち帰る予定だ」
「なるほど、それはいい考えですね」
「シロさん研究所に6代目の製造許可を与えておいてくれ、用途は海洋コロニーの建設、運営に限定する」
「わかりました、後で連絡しておきます」
「そうだ、すでに建設に着手してると思うが、農業用コロニー2個目はどうなっている?」
「現在建設中で外装は完了して現在内部の建設に取り掛かっていると思います」
「なるほど、あれから2年たったがまだ建設中か、やはりすぐにはできんか」
「そうですね、時間はかかりますね、大きいですからねー」
「農業用コロニー1号機は生産量10%だったな?」
「はい、現在も10%で推移しています」
「人口の推移はどうだ?増えてきてるか?」
「そうですね、年間30%の伸びになってます」
「年間30%も増えてるのか?今までそんなに増えてなかったと思うが」
「居住用コロニーができて大人数家族用の住宅供給が大幅に増えたので出産ラッシュですね」
「なるほど、それでエルフ化してる子供の割合は?」
「99%です、ほぼすべての人がエルフ化、魔力保有手術を受けています」
「怪しい宮廷医師も役に立つもんだな、あの研究はどうかと思っていたがこうやって成功を生み出している」
「そうですね、私もかなり血を取られましたからね、今は患者の血で研究しているそうですが、未だに私の血も偶に取りに来ますよ」
「まだシロさんからも血を取っていたのか!確か今はハイエルフの研究をしていると聞いているが、何か知っているか?」
「ハイエルフの研究をしているのは間違いありませんね、10万年は生きますからね、この研究が成功すればハイエルフ不足のエルフの都市も息を吹き返すでしょう」
「ふむ、今はエルフの都市の中でもハイエルフは王族の血を引く者だけじゃなかったか?」
「たまに生まれるんですが王族の係累として王宮に連れて行かれますね」
「そこで英才教育を受けて今のシロさんのようになるわけか」
「私もたまに生まれただけのハイエルフですからね、王宮に缶詰にされてまいってましたよ」
「今は自由か?」
「えぇ自由を謳歌してます」
「そうかそれはよかった、だがまあ帝国を運営してるのは忘れてないよな?」
「それはもちろん毎日書類作業から始まり、AIと討論を行い、様々な業務をこなして過ごしていますが、まだ比較的自由な時間があり、ストレスなどは感じていませんよ、AIによって大分効率化されて時間は生まれていますからね」
「ほうほう、もっと仕事をこなせると・・・」
「いやそういうわけではありません、もう精いっぱいです」
「ハハハ、すでに十分な仕事量だ、これ以上任せる事は無いよ」
「しかしハイエルフか・・・全員がハイエルフになってしまえば人類滅亡説はなくなってしまうな」
「人類は滅亡してしまうかもしれませんよ?エルフ種ですから」
「人類種は滅亡するか、それも時間の問題よな」
「より優れた種族に進化するのは当然の成長なので仕方ありませんが、人工的ですからね、これがいい事なのか、悪い事なのか、まだAIの中でも議論が続いており結論はでておりません」
「そうか・・・まあ仕方ないのかもしれないな長寿の夢は人類の夢だ、昔から研究してきた事だしな」
「ハイエルフは子供ができにくいという説もありますよ」
「そうなのか?それは困ってしまうな、エルフ止まりでいいかもしれんな」
「エルフでも1000年から3000年生きますからね、十分と言えば十分ですよ」
「まあ皇族は10万年生きてもいいかもしれんがな」
「そうですねぇ・・・子供ができづらくなっても問題ないんですか?」
「むむむ、それは問題かもしれんが・・・大丈夫だろう?」
「大丈夫でしょうか?何年もできないと問題になるかもしれませんよ」
「確かに・・・それは問題になりそうだが、ハイエルフになれるチャンスを逃す方が問題だろう?」
「そうですねーそれは問題です」
「ならやはりハイエルフ化するのもありだろう?」
「AIに聞いてみます、また議論が始まるでしょうね」
「まあアルフレッドの代でハイエルフ化できるかできないかだろう?」
「そうですね、まだ研究段階ですから、臨床実験も残ってますし」
「そうだな、臨床実験は大事だ、皇族に使うんだからな」
「そうですね、一般人にも数多く使われると思いますが、仕方ないですよね?」
「あぁそうだな、一部人間にハイエルフ化が進むのも仕方ないだろう」
「仕方ないですね、では宮廷医にも臨床実験の許可がでたと伝えておきますね」
「うむ、伝えておいてくれ、それと、海洋コロニーの建設時期がわかったらまた伝えてくれ」
「わかりました、私の方でも何が必要か研究してみます、海を作るのは大変そうですからね」
「そうなんだよ、大変だったんだが俺にはできなかった、AIができれば最高だな」
「特化すればできると思いますよ、計算に時間はかかるでしょうけどね」
「AIでも時間かかるのか、仕方ないな、しかし海洋コロニーの建設は必要だろう?」
「そうですね、海で採れる海産物も減ってますからね、増やしていく方針なのは大事だと思います」
「そうだろうな、俺も調べたからわかるが、海産物の採取は減ってるな、結果として資源全体が減っているのが問題だし、もっと広い海で海産物を作るのはありだと思うんだがな」
「それは私もそう思いますよ、これ以上海産物が減ると復旧が難しいですからね、今のうちに対策取っておくのは正解だと思います」
「そうだろう?それにマグロもイカもカニもエビも鮭ももっと食べたいからな」
「他にも魚は色々いますが、その種類がメインで増える予定なんですか?」
「いや全体的に増やしていくぞ、珊瑚も海藻類も増やして、いい漁場になるように調整してもらうつもりだからな」
「そうですか、ではAIに計算させて天然の漁場にしていけるようにしたいですね」
「クジラはどうしようかな?あれは大ぐらいだしな、だが海洋生物の頂点だからな、いなくなれば問題も起こるかもしれん」
「クジラは必要でしょう?100年ぐらい生きるそうですが、その死骸は海洋生物が200年ほど食べられるそうですよ?」
「なるほど、天然の餌かそういうのはやっぱ必要なんだろうな」
「今の海洋生物はすべて移しましょう、自然に増えるまで年数はかかるでしょうが、観測衛星である程度は数はわかるでしょう」
「そうだな、増やすだけ増やして減らないようにしてから採取だもんな」
「そしてなんですが、海洋コロニーをリゾートコロニーにしてはどうですか?」
「お?リゾートコロニーか・・・いい考えだ、旨い海産物が採れたてぴちぴちを食べられるのは特権かもしれん」
「マジックバックで持ち帰るのでほぼ鮮度は変わりませんけどね?でも雰囲気が大事ですよ?」
「そうだな、一部島にはリゾート感が味わえる施設の整備もいいな」
「高級ホテルに高級海産物食べ放題などセットにしてビーチで遊べるや、カヤックや島を探検できるツアーなどもいいですね」
「なるほど、島を体験するか・・・いいだろう、その案は賛成だ、AIの計算の中に入れよう」
「では研究所に連絡いれますね、6代目の製造許可と早急に完成させるようにと・・・。」
「ああ頼むぞ、俺は書類仕事が残ってるからな、それを済まして晩御飯までに終わらせよう」
「もう何日分もたまってますもんね、頑張ってください」
「あぁ、頑張るしかないからな、やるだけさ」
1年後
ルッタ皇帝陛下49歳
アルフレッド17歳
「研究所所長からお電話です」
「あぁ繋いでくれ」
「陛下お待たせしました、競技場の件からお話ししましょう」
「競技場か、それでどうなった?」
「はい、元帝都には設置しないで第1区から第6区まで6か所に設置し新大陸にも4か所設置し合計10か所競技場を設置します、チーム数も10組でシーズン制を採用し各企業に参加募集をした所、6チームは大手企業が参入予定です」
「ほうほう、順調だな、設置場所の建設も順調か?」
「はい、基本的に埋立地を使う予定なので、大規模レジャー施設やショッピングモールなどの併設も可能な場所には設置します、それで次に闘技場ですが、これも各10か所に設置し、シーズン制を採用しチャンピオンリーグも開催します」
「ほうほう、楽しそうだな、それでいいだろう」
「それで居住地の追加開発許可が欲しいのですが、いいでしょうか?」
「ほう?いい場所は埋まってしまっているのではないか?」
「新たに新駅も作って高速道路も延長し、道路幅も拡幅し、今まで20%だった居住地をさらに10%増やし、大規模家族用専用で20%増やします、これで星の居住地の50%を使用する事になりますが、よろしいでしょうか?」
「それだけ大規模家族用が不足しているのか、わかった、許可しよう、それと新たに居住用コロニーを建設しろよ?」
「マザーAIが足りません、第4マザーAI規模のマザーAIを新たに製造してもいいでしょうか?」
「うむ、最新型でなくていいなら自由に製造していい、許可は研究所所長に一任する」
「ありがとうございます、では居住用コロニーの製造も始めます。」
「それで第2農業用コロニーはどうなった?」
「建設完了して現在生産量は10%で第一コロニーの生産量も20%で安定しております」
「人口が増えるごとに必要になるからな、第一コロニーの生産量が30%になったらまた新しく農業用コロニーを製造するようにな」
「わかりました。それと陛下肝いりのリゾートコロニーですが、第6AIが計算しまして、建設できる目途が立ちました」
「やっと目途がたったか、第6AIも大したことないな、第7AIはまだ建造せんのか?」
「大規模宇宙開発用に製造しようかと検討中です」
「そういえば、魔法学校と共同開発していたワープ装置はどうなったんだ?」
「もうじき完成予定です、陛下は耳が早いですね、機密情報のはずですが・・・」
「ハハハハハ、報告書には載ってなくても、端々に匂わせる書類があったが?」
「陛下には隠し通せませんね、もう間もなく完成しテスト航行を何度か行って安全性を確かめます」
「これでどこにでもワープしていけるということか?」
「まだテスト前で計算上の数値しかだせませんが、間に星がない状態で1000万キロを1秒でワープできる装置になる予定です」
「さて?それはどの程度か?」
「この星の500周分ぐらいです、隣の惑星までだと50周分ぐらいでしょうか?」
「ほうほう、なら連続稼働もできるのか?」
「連続稼働は5分毎にできますので、事実上無制限に飛んでいけます」
「なるほどな、一回の距離は短いが短距離をどんどん飛んでいけるということか」
「それほど短距離でもありませんが、まぁその通りですね、燃料もほぼ食いませんし、無限の彼方まで行けるという事になります」
「これで宇宙事業がさらに盛んになるな、宇宙船に乗せる兵器はどうなった?」
「各種武装を試した結果、レーザー兵器をメインに載せる事にしました」
「威力はあるのか?」
「威力はあります、ある程度のシールドならレーザー兵器でシールドを破壊し貫通しますので、有能かと思われます」
「ふむ、だがそれだけではないだろう?他にも開発している兵器があるだろう?」
「えっと・・・物理兵器でしょうか?」
「そうだ、小型弾頭の物理兵器だな、超音速で飛ばす兵器だとか・・・」
「レールガンですね、これもまだ実験段階ですが、完成間近です」
「宇宙で実用的に活用できますので、レールガンも宇宙船に搭載予定です」
「レーザーと物理攻撃か、まあ2種類もあればどちらか効くかもしれんな」
「これからも改良、新規開発も行っていきますので、武装は増えて強力になっていくかと思います」
「そうか、それならいいんだ、宇宙にはどこに何がいるかわかったもんじゃないからな」
「そうですね、一応観測できる宇宙空間には人口衛星がある星はありませんでしたので、発展した人類はいないかと思います」
「どんどん観測範囲を増やして調査は後回しだ、巨大望遠鏡を早期に展開して発見に努めよ」
「わかりました、僻地にどんどん巨大望遠鏡設置して回りますね」
「うむ、鉱物惑星は見つかったか?」
「沢山ありますよ、特に巨大なのがありまして、そこで採掘をやってます」
「小型の惑星は宇宙船で直接採取してしまって鉱物が混ざってない土砂を殺菌消毒してから埋め立てに使おう」
「そうですね、氷の惑星ですが、厚い氷の層をぶち抜いた所が一か所だけありまして、そこから水を直接採取してるんですが、惑星は小さくならず、大きくもならず一定の大きさを維持しております」
「なら水の心配はしなくても済みそうか?」
「そうですね、水の心配はしなくて済みそうです、後氷の惑星を新たに3か所発見しましてそこの水をつかってリゾートコロニーの水は手配できそうです」
「ふむ、それはよかった、すべて海水にするんだろ?岩塩とかどっかから取ってくるのか?」
「それですが、大量に必要なので氷の惑星に塩もあるだろうという事でまとめて採取することにしました」
「後は人工的に作った塩分ですね、それを配合してリゾートコロニーに注入します」
「定期的に塩分を供給しないといけないということか?」
「そうかもしれません、塩の星などあればいいですが・・・」
「そんな都合よく見つからんだろう?ワープ技術ができれば遠くにも取りに行けるからな、可能性はなくはないか?」
「調査船は造船継続しており数は十分です」
「巨大宇宙船は今停止させてるんだよな?」
「えぇ武装が完成するまで停止させています」
「小型原子炉はどうなっている?」
「濃縮型で小型原子炉完成しています、巨大宇宙船には必要なので」
「そういえば、水の惑星から水を採取してその中に水素は含まれていたか?」
「含まれていましたよ、成分のほとんどは本星の成分と同じでした」
「一部違っていたと?」
「えぇ、どうやら海水のようで塩分がやや多く、バクテリアなども見たことない種類が数多くいました」
「そうか、他の星から何かを持ってくるときは十分注意して運ばないと変な病気が流行っても困るからな」
「えぇ、十分に加熱処理して殺菌して濾過してから使用しています」
「武装が完成次第、巨大宇宙船は製造してもいいですよね?」
「あぁもちろんだ、物理無効化、魔法無効化、もちゃんと装備するんだよな?」
「えぇ、もちろんです、あとビーム無効化も装備させる予定です」
「無効化とはいえ、数打てば貫通するからな・・・無効化ではないかもしれないが」
「そうですね、やはり巨大宇宙船も数が必要ですから製造施設を現在作っています」
「そうか、大規模量産しないといけないんだもんな」
「やっぱり相手も攻めてくるとしたら100万とかの単位で船を用意してくると思うんですよ」
「そうか・・・相手がいればだがな、だが備えておくのは絶対必要だ、用意は任せる」
「わかりました、しっかり用意します。年々新しい装備に換装して最新の状態を保ちますね」
「できるかわからんが毎年更新せんでもいいぞ?新造艦には新しい装備を付けた方がいいとは思うがな」
「できる限り更新していきます、今ビーム兵器はどんどん新しいのができてまして、どれが有用か比べるのも大変なのでAIに分析させて1番有用なのを搭載予定ですが、まだまだ新しい物ができると思います」
「レールガンは完成した物理兵器なのか?」
「そうですね、開発に何年もかかりましたし、宇宙ではかなり成熟した兵器だと思います」
「連射もできるのか?」
「本星で検査した時は加速熱のせいで1分6発程度でしたが宇宙空間は寒いですからね、連射も可能かと思います」
「そうか、まあ1分に60発も連射できれば十分だと思うがまだ宇宙空間での試験はしてないのか?」
「はい、まだ宇宙空間では試験していませんね、乗せれる船がありませんでしたので」
「乗せれる船がなかったか・・・そうかもしれんな」
「試験艦を何隻か作っていいでしょうか?」
「レールガンの試験用にか?」
「レールガンも試験したいですが、宇宙空間でのビーム兵器の有用性の確認の為です」
「うむ、いいだろう、必要だしな」
「ありがとうございます、これで必要な物が揃いました、ではこれで失礼します。」
「うむ、また掛けて来い、いつでもいいからな」
「はい、今日の話の件も書類にして送りますので決裁お願いしますね」
「あぁわかった、ではまたな」
「はい、失礼します」




