第9話
遅れました!
大学生って、意外と面倒だ。
…バイトも、ね?
第9話 ナナ、落つ
「私がこの店『RE:TOOL』の店主のレン=トールです。以後お見知りおきを」
えええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ?!
「あなたが店主ですか?何歳ですか?」
「はい。9歳です」
「...え?」
「だから、9歳ですよ」
...え?
身長170CMオーバー。幼さの少ない整った顔立ち。そして丁寧な言葉使い。
この18歳だと言っても通用しそうなこの人が同い年?
......え?
「ネタ?」
「違いますよ。本当です」
...ガチかー。
街の子供は皆こうなのか?
「いえ、僕だけですよ」
「うわぁ」
なんで急に?まさか考えていることを
「すみません。それは分かりません」
違った。じゃあ何で?
「声に出ていたので」
「あらま」
「大抵は140から158ですね」
「タカッ」
ちなみに僕は117CM。
「女子で130から140ですね」
「俺は女子以下?!」
ガーン。ショック。
「何言ってるんですか?あなたは女の子なんだから良いじゃないですか」
うるっ
セリカの目が涙で一杯になった。
そして、
「ぼ、僕は男だー。・゜゜・(>‐<)・゜゜・。」
セリカがオコタ
しかし、怒ったとは言っても120CMにも満たない見た目完全女の子。
微笑ましい光景しか生み出せない。
「...え?男?」
今度はレンが困惑、そして頭がショートする番だった。
そこに入ってきたナナ。店内を一瞥し、出した答えが
「...え?なにこのカオス?」
だった。
まぁ、それもそうだろう。
どうか想像してほしい。
店に入ると絶賛涙目の男の娘。
フリーズしているイケメン君。
寧ろそれ以外になんと言えと?
「えーと。大丈夫?」
絶賛涙目の男の娘に声を掛けると、
「ふえええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇん!」
泣きながら抱きついてくる超絶美少女。
「ぐはっ」
ナナハ チヲ ハイタ 。
そして、立ち上がると、
「大丈夫?」
まるで姉であるかのように心配した。
「うん。だいじょうぶ。ありがとう。お姉ちゃん」
ドンッ
ナナハ セリカニ コイゴコロ ヲ イダイタ。
ナナは呆然としているレンに
ドゴッ
情け容赦無く蹴りをいれ、
「とっとと再起動しろ。レン」
同じく情け容赦無く殺意の含まれた目で睨みつけた。
家にいる時間が取れない今日この頃。
そろそろ、本格的にヤバイ、かも(体力的に)?!