30.閑話(エイドリアン)
だいぶエイドリアン本性発揮です。
注R15!
最近のジェシカの様子がおかしい。
これまでは僕に惚れていて、「愛してほしい」そんな表情で一生懸命、僕に尽くしてくれていた。
彼女に優しくすればするほど、僕を愛したし、王太子妃としての理想を語れば、その通りの女性になってくれた。
元々、実家で才能溢れる兄と妹に挟まれ、自分の非凡さに劣等感を抱いていた彼女。
だから、僕が婚約を申し出れば、きっと王太子妃という特別な居場所のために、全力で尽くしてくれるだろうと確信していた。
自分を認めてほしい、そんな承認欲求の塊だった彼女は僕の予想通り、周りに認められようと頑張り、そして僕の愛を求めた。
居心地が良かった、気持ちが良かった。
自分を無条件に愛してくれて、切実な思いをぶつけてくる彼女に、堪らなくゾクゾクした。
王族として幼い頃より縛りの多い生活を余儀なくされ、愛などに惑わされるなと諭されてきた。もし、好みの女性がいたら愛妾にでも迎えれば良い、正妃や側妃は国のために選べと。
だから、国のために僕の言いなりになりそうなジェシカを選んだ。カルティアン侯爵家なら家柄も異論なく、ジェシカの両親も王族にとって特に害はなかったのも大きかった。
僕の思惑通りジェシカは、女神のような慈悲深さを持った女性になるため努力をし、幸いにも僕に惚れてくれた。
両親からの愛など分からなかった。あの2人の関係は既に冷めていたし、未来の王として、好きだの愛しているだの、そんな愚かな感情など必要なかった。
ジェシカからの一途な愛は気持ちよかった。けれど、同じように彼女には返せなかった、いや、返したくなかった。
もっと彼女に僕を切実に求めさせて、愛に焦がれる彼女を見たかった。
だから、ミーシャが現れた時は彼女を利用した。ジェシカが嫉妬で狂い苦しむ姿が見たかったし、泣きそうな姿は快感だった。
愛さないと言ってくれ、と泣き叫んでいた時は、人生で1番の快感だった。あの時のジェシカの姿を思い出すだけで、雄の物がゾクゾクし始める。
嫉妬と戸惑いを見せながらも、身体を許す彼女に僕の性欲は自制を忘れる。彼女ほど僕のこの快感を満たしてくれて、生きているという実感をくれる者はいないだろう。
愛してくれと泣く彼女に飴と鞭を与えながら、僕がいなければ生きられないように、そうするつもりだった。
それなのに、いつの間にか彼女は僕への執着を手放しつつあった。ミーシャに構っても嫉妬する様子がなくなった。
調べれば、彼女の周りを彷徨くあの男や兄、そして侍女達が何やら影響している模様。
邪魔だな。消えてほしい。
少し会う機会を少なくしてみたけれど、何の反応もなく、彼女はお腹の子に愛を注ぎ出した。僕に向けられるその愛が、別の方へ向いている。
自分の子なはずなのに、腹立たしくて憎かった。身体でさえ許してくれない。妊娠してから、彼女の心も身体と変化していく様に、苛立った。
その苛立ちをミーシャで満たした。
あの温室で、僕はジェシカに見られていることを承知の上で、ミーシャに口付けた。きっと、これでジェシカは怒り狂い僕を求めるはず。
それを想像して興奮しそのまま…ゾクゾクした。
愚かな女だ。僕から本当に愛されていると勘違いし、優越感に浸りあんな場所で身体を許すなんて。
笑えてくる。
僕にとっての優先事項は今も昔もジェシカであることは変わりない。
それなのに、ジェシカは僕をもう昔みたいに見つめてこない。
あの男のせいだ。幼馴染だが知らないが、人の物に手を出す奴は、ここには必要ない。
戸惑う彼女を自分の物だと分かるよう言い聞かせ、印も付けた。彼女の身体の至るとこに花が咲く。
綺麗だった。
花を散らせ、涙を堪える彼女が。
あぁ、現状をどうにもする事ができずに耐える彼女も悪くない。愛を請う彼女よりいいかもしれない。
愛している、そんな簡単な言葉では表せない。
僕が見つけて僕が育てたんだ。
誰にも彼女を渡すもんか。
僕の愛しい物を。
そんなエイドリアンを書くのが楽しい私もやべー奴、です。笑
ごめんなさい。




