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モブに慈悲はない…?  作者: いす


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31/110

ドーナツ

三十一話目

誤字・脱字があったら申し訳ありません

お昼を食べる、

ということで付いたのはフードコート、

いつもなら賑わいを見せているお店の数々も 

今は店員さんが突っ立っているだけ。

城戸さんからの話によると

ここら辺を貸しきりにしたとのこと。

これ苦情とかこないんかね。

「…なんで先輩お二方もここにいらっしゃるのですか…わたくしの部活の人達限定ですわよ…」

ちゃっかり付いてきている先輩二人を見ながら嫌そうに城戸さんは言う。

「だって、にーにゃんがお昼、一緒にいて良いって言ったんだもん、文句ならにーにゃんに言ってよねー」

「にーにゃん?誰ですのそれ」

「…」

無言で手を上げる。

「ふっ」

笑われた。

「わ、私はいいと思うよっ!」

笠木さんが慰めてくれた。

別に俺、にーにゃん嫌じゃないんだけどなぁ…

あずにゃんみたいで。

だけども周りがそれを認めてくれない。

「…なぁ、こんなにお世話になっていいのか?」

冬花ちゃんに、冬花ちゃんに!

先程から服を握られている新崎が静かすぎる

フードコートを見て口を開いた。

まぁ、ねぇ…

貸しきるだけでも結構な額いくってのに

ここって皆が使う場所でしょ。

それに昨日だって材料費やらも

ほとんど城戸さんの家からだと言うことを

風呂入ってる時に執事さんから聞いた。

「…お金に関しては大丈夫ですわよ、だって払うのバカ親ですし」

一体そのバカ親がどんなぐらいにバカかは

知らないが、城戸さん本人がというわけで

ないなら特に俺は気にしない。

逆にそれを見習っていきたいと思うぐらい。

「…ぉ…!」

さっきから新崎にくっついていた

冬花ちゃんは匂いに釣られたのか

やっとのこと新崎から離れ、

並んでいる店を見て目をキラキラさせているウエァァァァァ!可愛いぃぃぃぃ!



色々話している新崎たちをほっぽり出して店に

向かった冬花ちゃんに付いていくことにする。

その際、矢波先輩も付いていきたいと言ったので三人で行動中、まぁ普通のフードコートだから

グループ行動してもそんな意味ないんだけど。

店に近づいて分かったが目がイキイキしてるやつと若干死んでる目をしてるやつの二人がいる。

多分イキイキとしてるやつ働くのそんな好きじゃないやつだな、客がいつもより少ないから、

なんか少し楽しそうだぜ。

んで目が死んでるやつはその逆。

この食事が終わったらまた逆になるんだろうなぁ…

「おーい、にーにゃん?何食べるか決まったかなー?」

いつのまにやら矢波さんはドーナツを買っていたらしくトレイには結構な数がのドーナツが。

「…そんなのでいいんですか?」

冬花ちゃんの観察をやめ、

目の前のことを聞いてみる。

「え…?あ、うん、僕はそんな食べないからね、これで充分だよ、心配してくれてありがと」

矢波さんはトレイを持ってそそくさとテーブルのところに向かっていった。

チラッと見えた横顔は笑顔みたいな、微笑みたいな、そんな顔をしていた。

……冬花ちゃんの観察に戻ろう。

「あ…」

もう終わってる…

俺も、買おうか…



フードコートの席は多くて、4席、5席ぐらい。

だから五人+二人の七人いる今の状態では、

二人余る。

結局のところ何が言いたいかと言うと、

「…先輩本当に陽斗のところ座らなくていいんですか?」

今、俺の目の前の席には矢波さんがいる。

新崎の周りの席が早々と埋まってしまい、

距離は全然離れていないけど、同じテーブルで

食べることは出来なくなってしまった。

別に俺はそれでも良いんだけど、ヒロインの一人である矢波さんはそれでいいのだろうか。

ちなみに今、新崎くんは笠木さんに追い詰められています。新崎がどうして先輩たちと行動していたか、という笠木さんの質問に対し、

そこで出会った、と嘘をついてバレて今の状況。

いやー愉快愉快。

「あれぇ?にーにゃん、聞いてた?」

「あ…すいません」

こちらから聞いたのに返事を聞いていなかった。

「えっと…それで…何です?」

「だから、あっちはあっちで話したいことが色々とあるわけだし、って」

…今の話でもしかしたら矢波さんはヒロインではないのかもしれない。そうふと思ってしまった。

だって、新崎たちの声はガンガン聞こえているからその内容もバッチリと理解しているはず。

矢波さんがヒロインなら、その話に混じろうとして俺が一人になって、新崎が来て、結局みんなで食べることになっているはず。

うどんを食べながら、そんなことを考えていると

矢波さんが何故かこちらをガン見している。

「…何ですか?」

「いや、君ったら結構な頻度で陽斗くんのことだなぁって、愛してるねぇ…」

「男に愛なんてあげたくないですよ…」 

そう俺が言うと矢波さんは少し考えて、

「だったら僕に愛をくれないかな~?」

……

「何か裏がありそうなので結構です」

「ぶーぶー」

多分愛を貰ってあげたからとかでお金とか

要求されそう、友達料みたいな感じで。

まぁ…ドキッとしなかったわけではないけど。


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