負けられない
3作品目です
誤字・脱字があったら申し訳ありません
声が校舎全体に広まったその後、
騒ぎを聞き付けた先生達が
不審者を捕まえたりするあの棒みたいなやつを
持ってきた、
どうやら悲鳴に聞こえてしまったらしい。
「どうした!」
体育教師の力強い声が広まる。
「秋葉ちゃんと、新崎君が結婚しているらしいんですよ!」
女子生徒が、大声で言う。
「ち、違います。先生!お、俺はそんなことしてないですって!」
新崎は、慌てている。
「お母さん達は認めてるし 昔は一緒にお風呂入ったしこれは夫婦どうぜんでしょ!ね?ね?」
秋葉さんは顔が真っ赤になりながらも、噛むこともなく淡々と言う、
どうやら引き下がりたくはないらしい。
「陽斗、それはいったいどういうことですの?
ぜひ、わたくしにもわかるように説明してくれませんか?」
城戸さんは満面の笑みだが、目は笑っていない。
「そ、それは!昔の話だから!今は絶対違うって!」
新崎が肯定した瞬間、周りにいる人達から
いろいろな声が響きわたる。
城戸さんの顔がこんどは鬼の形相になる。
「新崎!それと城戸と笠木!話すことがある!ちょっとついてこい!」
体育教師はすこし、動揺していたが
すぐにそれを直すと三人を連れてどこかに、
いってしまった。たぶん指導室かなにかだろう
周りにいた人達は、三人が廊下を曲がり見えなくなったら様々な話をしながらクラスに戻っていった。
(秋葉さんの名字は笠木か……)
さすがに話したこともない人のことを呼ぶのは心のなかであってもちょっとためらってしまう。
にしても両親公認か……これもよくあるな
お風呂は、うん、笠木さん美少女だったし
その子と一緒にお風呂入っただけでしょ?うん、
うん。
連れていかれた三人は授業にすこし遅れて帰ってきた。
二人が扉を開けて入る瞬間に、
城戸さんは、笠木さんに勝ち誇った顔を、
笠木さんは、城戸さんに悔しそうな顔を見せていた。
(クラスが違うだけでもそういうことがおきるのかぁ)
恋する乙女は少しでも差をつけたくないらしい。
そういえば、城戸さんの席はどこだろうか、
大抵こういう場合は、隣になるのだが。
肝心の新崎の席の隣はもう生徒がいる、
気になって周りをを見回してる、……
いた、けど一番うしろの窓際の席だ。
「痛って、」
急に頭をなにかではたかれた、
「転校生が気になるのはわかるが、今は授業に集中しろ。」
どうやら先生がやったらしい、
周りからクスクスと小さい笑い声が聞こえる。
俺が注意されるのが、そんなに面白いのか?
あぁん?
先生はまた黒板に戻っていく。
また城戸さんを見てみる、
あ、目があった。すっごい気まずい……
城戸さんはゴミをみるような目でこちらを見ている。
興奮しt
俺は目をそらした。
数分後、またまた懲りずに見てみると
新崎のことをすごい顔でみている。
鬼の形相的な意味じゃなくて、
女の顔的な意味で。
どうやら俺が見ていることには気づいていない
恋は盲目 というやつだろうか
このままみていても収穫はなさそうだし、
授業に集中したほうがいいよな。
2時限目
体育、テニス、二人組、
Oh……
どうしよう、この俺だぜ?誘えないぜ?
やばいぜ?と焦っていると、
「おーい!仁田!ペア組もうぜー」
急に呼ばれたので振り替えってみる、
奴だ、新崎だ、別に親しくはなかったはずだが
なぜだろうか、という、疑問が顔に出てしまったのだろう
新崎が答えてくれる。
「席近いし、な?いいだろ?」
こいつもあまり親しい男子はいないのだろうか
断る理由もないし、断れないし。
主人公オーラ?みたいのがでてる。
「あ、あぁ、いいぞ」
どうして俺は普通に返事すらできないのだろうか
そんなことより、こいつの運動神経はいいのだろうか。
ヤンキー倒してたけど、それと運動神経は関係あるのかね、詳しくないからわかんね。
まぁ、でも反射神経はあるだろう
複数を相手にして無傷だったから、回避すごいだ
ろうから。
「どうした?ストレッチさっさとしようぜ」
新崎はいろいろ考えて動かない俺を心配して、
声をかけてくれた。優しいなこいつ。
ストレッチを終えた後、軽く打ち合いをすることになった。中学生時代テニス部の(幽霊部員的な意味での)エースだった俺だ、多分大丈夫だろう
新崎は優しくボールを打ち、返しやすい場所に打ってくる
優しいなコイツ。
優しさを全力で返すのが俺のモットー
今決めた。
「うぉどりゃあ!」
おもいっきり打ち返してやった、のだが、
返された、返されてしまったのだ。
それなりの速さで地味に面倒くさい位置に打ったはずなのに、
どうやら運動神経は高い。
というか確認するまでもなくテンプレ主人公は大抵なんでもできるやん………
「誰か俺らとダブルスやんねー?」
打ち合いに飽きたのか、男子が試合を求める。
試合かぁ…
俺がチームにはいってると
二人VS二人のはずなのに、
二人VS一人VS一人になったりするんだよなぁ
新崎が勝負ごとに興味がないタイプだと祈っていたのだが、
「なぁ、仁田、俺らでやってみね?」
俺の祈りは届かなかった。
俺の返事など聞かずに、新崎は試合を求めている男子の近くに行き話している。
あぁ…やっぱアイツ優しくないな
もう新崎はコートに立っている。
もとから試合をする予定だったのか、
体育教師はなにもいわない。
周りには打ち合いに飽きたのだろう、男子共は
試合観戦モードだ。
俺も渋々コートの中に入った。
激闘の始まりである
結果
俺らの、間違えた アイツの勝ちである。
新崎は実質、というか実際一人で勝ったのである
相手の二人はテニス部でペアを組んでいるらしく
連携が取れていて、だいぶ上手いやつらであったのだが
新崎はそれ以上だった。
一人で打ち返していてぶっちゃけ超かっこよかった。
そのころの俺は手遊びでキツネとカエルが同時につくれないか頑張っていた。
二人VS一人だったのにそこまで時間もかからず
他の人達で試合が行われている。
試合が終わった後に新崎は俺に
「一緒に試合してくれてサンキュな!」
と、笑顔で声をかけてくれたのだ。
最初は皮肉とか混じってんのかなぁとか思ってたがあの笑顔からそんなことはないだろう、
うわぁアイツすっげぇ優しいじゃん。
「仁田!よけろ!」
新崎らしき声に呼ばれたので振り替えって見た瞬間、
俺の目の前は真っ暗になった。