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出来れば、ここにいたいです。  作者: 愬月茉乃
第1章 「ゲーム本編」開始前
19/57

本契約

 妃教育は相変わらず続いていて、今日も王妃様直々に教えて頂いた。疲労感が否めないが、今日の内にやっておくべきことがあるのだ。


 誕生日から明日で一ヶ月になる。つまり、今日でアロとの仮契約の期間が終了し、お互いに不満が無ければ本契約が結ばれる。


「契約の前に、教えておきたいことがあるの」 


 少し前、アロは何の属性が使えるのか分からないと言っていた為、調べた。借りてきた本の中に一冊、アロによく似た精霊について書かれていて、私のなかで引っ掛かっていた黒い羽がなんなのかがようやく分かった。


「うん」


「この前、何の属性か分からないって言ってたから調べてみたのだけど、アロは、水属性と……闇属性だと思うの」


「水属性と闇属性?闇属性ってあった?」


 アロは首をかしげる。


「今は、使える人と精霊は少ないからあまり本には書かれていなかったけど」


 闇属性。私の知る限りでは、二人いる。魔術師の息子のジュード、因みに攻略対象者だ。闇属性に関する文献を見つけたときに、唐突に彼の名前を思い出した。彼は使える属性が三つあるのだけどその内の一つ。

 もう一人は、ゲームでのラスボス、魔王。ゲームタイトルにある救済者、これは国家転覆を謀る魔王を主人公の光属性の力によって倒し、星屑国を救うシナリオから来ている。魔王を倒すには闇の対極にある光の力が必要だった為、主人公が活躍する。魔王が闇属性であることによって、主人公の光属性が必要となる為に、ストーリー上欠かせない要素だと思う。


 基本的には公にされていない属性で、使用者がとても少ないことからその存在を知っている人も少ない。私も本を開かなければ思い出さないところだった。


 ぽちゃっ。アロの目の前に小さいが水の塊が浮いている。


「水属性魔法は使えるかも……。急にやり方を思い出した!」


「闇属性の方は?」


「どんな魔法か思い出せないと使えないな。でも、無属性魔法なら十分に扱えるから時間の問題かな」


「それならよかった」


「ルファリエラさん教えてくれてありがとう」


「どういたしまして。あ、聞き忘れてたけどアロは本契約してもいいの?」


「元々僕が持ちかけた契約だからこのまま契約したいよ」


「じゃあ、契約は破棄しないと言うことで」


「うん」


◇◇◇


 この前借りた本の中に精霊との契約に関する物もあった。

 

 契約を結ぶと、その徴として綺麗な結晶が出来ると言う。結晶を持っていることによって、離れたところにいても精霊の加護を受けることが出来る。

 そう言えばゲームでも、精霊と契約している人はそういうものを加工して身に付けていたと思う。


 朝起きると、契約が結ばれたという証拠に深紅の結晶が枕元に置いてあった。

今週中に改稿します。

大幅に変更する予定はないので一応のお知らせです。

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