第四話「接近戦に定評のあるヤンキーちゃんにタジタジでござるよ」
「メガネ氏、飯を食いましょうぞ」
「いいですわぞー」
太田君の昼飯はパンが2つ、
チョココロネとメロンパンである。
「太田氏、嫁リスペクトはいいが、片方に絞ったほうがいい」
「なにをいう。二人とも溢れんばかりの愛で俺氏が包み込んでやるんだ」
本当うるさいこいつ。
あとネタが分からない人は申し訳ない。こなたもシャナも愛してる。
「太田氏。ボクも38階まで来たんだ。あとでウズメを貸しちくり~」
「苦しゅうない。よかろう」
キャッキャとモンシュトトークを繰り広げていたところに、またもや彼女がやってきた。
太田氏の脳内ではダース○ーダーかジョー○のテーマが流れているだろう。
顔が真っ青や。うけるー。多分俺も真っ青ー。うけるー。
「西戸崎。このぎゃらくしー?なんとかに勝てないんだ。どうすればいい?」
「え?」
「も、モンシュトをはじめたんだが。ぎゃらくしーうみへび?に勝てない」
えええええええええええええええええええええええええええええ
ヤンキーちゃんがモンシュトはじめとるやんっっ!!
いやまて、昨今このゲームは異常なまでに流行している。
例えばキャバクラなどの嬢が話題作りの為にやっているなんて噂も聞くらいだ。
ヤンキーちゃんがモンシュトをやっていてもおかしくはない。
いやまて。(2回目)昨日ボクがモンシュトをやっているのを聞いてから始めたのか?
なぜだ?ウソ告白に信憑性を持たせるために接近戦までやってのけるのか?
いつからウソ告白はそんな繊細な計画練り上げて実行するものになったんや……。
頭の中はそんなことをフル回転させながらも、
ヤンキーちゃんへの対応は親切丁寧にミス無く行うぜ。
「ギャラクシーウツボか~。難しいよね。砂尾さんのパーティーは?」
「え?赤いのと青いのと緑のやつ……」
「…え?」
「ん?」
ヤンキーちゃんは小首を傾げていた。
どうやらヤンキーちゃんは初期設定の雑魚キャラでやっていたようだ。
そりゃ勝てへんやろ。銀河ウツボはそこそこ難易度あるやつやぞ。
ちなみに太田氏は限りなく影を薄くして存在そのものを希薄にしていた。
おたくの ちからって すげー。
「え~と砂尾さん。画面見せてもらってもいい?」
「ああ。よろしく頼む」
意外だ。あ、いや、初期キャラでやってるのはわかってたけど。
ボクにスマホを触らせたのが非常に意外だった。
普通のヤンキー女だったら「スマホ腐る!触んな!オタクキモイ!キモイオタク!」
とかいうのがテンプレートなのに……。
「よっ…と。砂尾さん。強いキャラがいませんね」
「なんだと!はずれデータなのか!!」
「いえ、初期のキャラしかいませんので。ガチャ引いてみよっか」
「おお!ガチャガチャ!!」
石は結構たまっていたようだったので、ガチャ画面へ切り替えて渡した。
渡すときに気づかれないほど自然に手が触れるようにして渡した。
しかしヤンキーちゃんは嫌がるそぶりは全く見せなかった。これまた意外だった。
「この珠をひっぱるんだな?」
「そうそう。星5個のやつが基本的に強いやつだよ。10連だよ!がんばれー!」
「そ、そうか。どきどきするな」
あれ?この人可愛い……。
本当にドキドキしながらアプリゲーのガチャ引いてる感じが可愛い。
ボクの女の子耐性は本当に脆弱なんだな。すーぐ可愛い言う。
あと10連って声で太田氏が現実にもどってきた。
ヤンキーちゃんのスマホをちらちら見ている。気になるよねー。ワカルー。
「おおっ!西戸崎!強そうなのが出たぞ!!」
「うん。それは星4のわりとしょーもないやつだね」
「そ、そうか」
ちょっとションボリしてる。やばい。可愛いぞ……。
太田氏はこっちを見て「しょーもないとかいうなよ!殺されるぞ!」みたいな顔をしていた。
ヤンキーちゃんの10連は見事に爆死していた。
それを伝えた時のヤンキーちゃんは、こんな顔→(´・ω・`)をしていた。
もんすとすき