真守の本気
短いですが読んでくださると有難いです。
第9章 〜真守の本気〜
結局、俺らは考える事を辞めて寝てしまった。
その後起きたのは16時だった。
(はぁ・・・頭が追い付かなくて寝ちまったか)
「起きたのねルーちゃん」
(あ、どうも)
「クーちゃんはまだ起きてない見たいね。フフフ・・・襲うなら今よルーちゃん」
(いや、ぬいぐるみの姿なのに襲える訳無いじゃないですか)
「一時的になら人間に戻せるわよ?」
(ほ、本当ですか?)
「えぇ、本当よ。私を誰だと思っているのよ」
(あぁ、そうでしたね)
「じゃあ、行くわよ」
(ちょ、ちょっと待ってください!俺は戻るなんて言ってませんよ!?)
「そうなの?」
(そうですよ!!)
「あら、残念」
全く、この人は何を考えてるんだ。
何処の馬の骨か分からん奴に娘を襲わせるなんて。
てか、俺は向こうの人なんだろ。
まぁ、こんな母ちゃんの方が楽しいよな。
母ちゃん、か・・・
そいや俺、母ちゃんのこと何も覚えてないな。
「どうしたのルーちゃん。眉間にシワが寄ってるわよ?」
(え?あ、本当だ。別に大事じゃないので大丈夫ですよ)
「そう?それなら良いんだけど。これでも私結構心配してるのよ?」
(ご心配をお掛けして申し訳ないです。それよりも嬢ちゃん起きませんね)
「そうね、早く起こさないと明日の出発の準備間に合わないわ」
(そうか、出発は明日になったんでしたね)
「ルーちゃんは何か準備する物はあるの?あるんだったらジェスターに頼みなさい」
(いえ、大丈夫です。特に準備するものは無いので。強いて言うなら覚悟くらいです)
「あら、カッコイイ。でも大丈夫よ、私も行くから。いざとなればジェスターも呼ぶから」
(え?今なんて?エルザ様も行くと言いましたか?)
「えぇ、言ったわよ」
(初耳何ですけどぉ!?)
「それはそうよ、初めて言ったんだもの」
(待ってください。エルザ様って結構凄い魔剣なんですよね。そんな魔剣を俺が扱えるとは思えないんですけど)
「何を言ってるの?私よりもクーちゃんの方が全然凄い魔剣よ」
(え?エルザ様より嬢ちゃんの方が凄い魔剣何ですか?)
「そうよ。私は支援型の魔剣でクーちゃんは完全に攻撃型の魔剣よ」
(そうですか・・・)
「それよりも早くクーちゃん起こさないと話が進まないわよ」
(そうですね。ジェスターに頼みましょうか)
「ジェスター」
エルザ様はジェスターを呼びながら手を叩いた。
こんなんで来るとは思わないが・・・
「何でしょうかエルザ様」
(よう、ジェスター)
本当に来やがったーー!!
嘘だろ!?何でこれで来るの!?
「ジェスター、クーちゃん起こしてちょうだい」
「分かりました」
(頼んだぞジェスター)
そして、ジェスターはまた魔法の言葉を呟いた。
「分かったから!今すぐ起きるからお母様には言わないでー!!ってお母様!?」
「おはようクーちゃん♡」
「キャーーーー!お母様ごめんなさいー!!」
「もう、ジェスターその起こし方は私が居る時は辞めなさいって言ってるじゃない」
「そうでしたね。以後気をつけます」
「まぁいいわ。ほらクーちゃん早く支度を済ませない。明日は朝早いわよ」
嬢ちゃんが起きた時間は大体18時。
この後、嬢ちゃんはすぐに支度を済ませた。
因みに部屋はまだ広がったままだ。
(もう18時か。そろそろ夕飯を作らないとな)
「えぇ、そうね。今日はルーが担当する日だけどぬいぐるみの姿じゃ作れないでしょ?」
(まぁ、そうだな)
「今日は代わりに私が作ろうか?」
「何ですって!?何も出来なかったクーちゃんが料理!?」
(そ、そうですよ?)
「クーちゃん!いつから料理出来るようになったの!?」
「じ、自分で勉強した」
(おい、嬢ちゃん!嘘をつくな!料理を教えたのは俺だろ!)
「シーッ!なんで言っちゃうのよ!もうルーのバカ!」
「え!?ルーちゃん料理出来たの!?」
(なんで俺もこんなに驚かれるんだよ!)
「そりゃ驚くでしょ!戻った時の姿を見たら料理出来るようには見えないわよ!?」
(し、失礼な!俺だって元の世界では妹と親の料理作ってたんですよ!)
「本当に!?信じられないわ」
(そんなに言うんでしたら作りますよ!エルザ様元の姿に戻してください!!)
「分かったわ。貴方が作った料理が美味しかっら認めたあげるわ」
(えぇ!受けてたちますよ!!)
「それじゃ戻すわよ(ブツブツ・・・)」
そう言うとエルザ様は呪文を唱え始めた。
そして、呪文が唱え終わった直後俺の体が白い光に包まれ元の姿に戻った。
「よし、元に戻ったぜ!それじゃ俺の得意な料理で勝負してやりますよ!」
「さぁ!早く持ってきなさい!」
「そんなすぐに作れるわけないでしょが!!少し待ってください!」
そして35分後、俺が最も得意な料理のオムレツが完成した。(4人分)
「はい完成です。さぁ、俺の作ったオムレツの感想を頂くとしましょうか」
「えぇ、良いわよ。言っておくけど私結構厳しいわよ」
そして、採点が始まった。
「評価は最高10点よ」
「あぁ、分かった」
「見た目、形は8点ね」
「くそ、8点か。思ったよりもちょっと低かったぜ」
「卵を割った時のフワフワ感は9点ね」
「研究に研究を重ねたがこれでも9点か。だが、まだ味の採点が残っている!」
「最後に味ね。これが1番重要よ」
「分かっているさ」
エルザ様はスプーンで掬い口に運んでいった。
しっかりと噛み締め採点をして行く。
「・・・・・・うっ!」
「ど、どうしました!?」
「何よこれ!めちゃくちゃ美味しいじゃないの!これは10点じゃなくて100点よ!!」
「ひゃ、100点!?」
「ここまでの物を作られちゃ私も認めるしかないわね」
「あ、有難うございます!!」
「良かったわねルー」
「あぁ、めちゃくちゃ嬉しいぜ!!」
その瞬間、俺はぬいぐるみの姿に戻ってしまった。
(あ、あれ?ぬいぐるみに戻っちまった・・・)
「時間が無くなったようね」
(う、嘘だろ!?俺まだ食べてないんだぞ!!)
「ドンマイ、ルー」
「ドンマイですね」
「ドンマイね」
こんなゆったりした事があり、今日が終わって行った。
この後また寝れなくなると分からずに。
あぁ、もう!俺も自分の作ったオムレツ食べたかったぜ!!
感想、改善点などありましたら教えてください。