2話 初めてのクエスト
スタッフ「!」
「そんな。だってこれは最難関クエストの一角ですよ?!」
周りの人「流石に嘘なんじゃないか…?」
周りの人B「まあなあ。」
そういう疑いの目がこちらに向けられている。
ネイン「あれ。リュータロー。ここにいたんだ。」
ネインがギルドの建物の中に入って来た。
龍太郎「何となく。ね。」
ネイン「今何してるの?」
俺は、ここで起きたことを話した。
ネイン「そうなんだ。」
ネインはスタッフに向けて言った。
ネイン「彼は私と一緒に今までいました。シュガルに襲われている私を助けてくれたんです。」
ネインは、魔法のようなもので、シュガルを出した。
シュガルはまだ気絶していた。
その時、ギルド内が一気に騒がしくなった。
周りの人C「じゃあ本当にそうなのか?」
周りの人D「信じられん…」
スタッフ「えっと…シュガルの体を持って来たのは、ネインさんで、ギルド側ではどちらの功績か判別ができないので、報酬はネイン様。あなたに支払われます。」
龍太郎「そうなんだ。」
ネイン「はああ!納得できない!」
龍太郎「いいって。俺は最初から始めるから。」
周りの人たちは、みんなこっちを見ている。
驚きの目で。
スタッフ「では、初期ランク、Fから始めるということでよろしいですね?」
龍太郎「はい。」
スタッフ「最初は、パーティを
組んで、色々クエストをクリアしてみるといいですよ。1人の人もいますが、そっちの方が断然達成率は高いので。」
龍太郎「わかりました。」
俺は、スタッフから渡されたカードのような物を持って、受付を後にした。
そして、偶然近くにいたパーティに声をかけてみた。
龍太郎「パーティ。組みませんか?」
近くのパーティの人A「いやちょっと…うちは…」
パーティの人B「人数が足りてて、他をあたってくれないかな?」
軽く拒否された。
俺は、他の人にも声をかけてみる。
近くの人G「なんだよお前。シュガルを、倒したんだって?」
龍太郎「ああ。」
近くの人G「じゃあ。だめだ。」
龍太郎「?」
近くの人G「ジェリルに追われるだろ。」
みんなジェリルという組織が怖いのか。
それからも俺は断られ続けた。
ネイン「ねえ。」
「私とパーティ組んでみない?」
龍太郎「どうして?俺といると危険なんじゃないのか?」
俺はジェリルの重要人物を倒した。ジェリルには認知されているに違いない。
ネイン「だからだよ。私だって、弱いわけじゃない。それにジェリルが嫌いだ。向こうからやって来てくれるなんて、都合がいい。」
龍太郎「…」
一瞬紀伊透を思い出した。
そして、
龍太郎「いいよ。」
と答えた。
ネイン「じゃあ最初のクエストは…」
「岩盤紅の討伐だね。シュガルを倒したあなたからしたら、簡単かな。」
龍太郎「とりあえず。それやろう。」
そうして、俺とネインは、岩盤紅がいる渓谷へと向かった。
その頃。
シュガルが倒れた場所に黒いローブのようなものを着た男がいた。
???「いったい誰がやったんだ?」
ネイン「ステータス画面ってわかる?」
龍太郎「わからない。」
レベルの書いてある物のことか?
ネイン「じゃあ開くね。」
ネインは、そう言って、ステータス画面を開いた。
だが、俺の思っていたものとは違った。
龍太郎「なに、それ?」
ネインのステータス画面には、使える魔法、所持品のインベントリなど、いろいろ書いてあった。
ネイン「リュータローも開いてみてよ。」
そう言われて俺はステータス画面を開いた。
魔法も使えないし、インベントリは空だ。当たり前だけど。
ネイン「あれ。空っぽなんだね。」
ネインは、少しがっかりしたように言った。
ネイン「どうやってシュガルを倒したの?」
俺自身、どうしてシュガルを倒せたのかわからない。
龍太郎「わからない。」
と答えた。
残りの道で、俺は何となくネインに聞いてみた。
龍太郎「家族…どんな人だったの?」
ネイン「…優しかった…私のことを、ずっと大切に思ってくれてて…本当に…」
俺は、紀伊透のことを思い出してしまった。
重い雰囲気になっていき、話しづらくなっていた頃。
ネイン「あ。着いた!」
ネインが地図を指差しながら言った。
ここが、岩盤紅の出る地域らしい。
岩盤紅とは、カニのような見た目で、真っ赤なモンスターらしい。
岩に擬態しているとか…
龍太郎「でもさ。」
俺は指差して言った。
龍太郎「ここって渓谷じゃないの?」
ネイン「確かに。おかしいな?」
近くで、ガサッという音がした。と思ったら、山が崩れ始めた。ように見えた。
ネイン「まさか…!」
俺は思わず背筋がゾワっとした。
渓谷が、岩盤紅で埋まっていたんだ。
岩に擬態していて全く気づかなかった。
ネイン「戦うよ!」
ネインが魔法を詠唱し始めた。
「スター・レイ!」
ネインが魔法を出し、次々と岩盤紅を倒していく。
俺も、何かできないかな。と、レベルの画面を見てうろちょろしていると、ネインが、
ネイン「何やってるの?空中で指を動かしたりなんかして…?」
と言ってきた。
まさか見えてないのか?
まあいい。
俺は、レベルの横の、
「スキル発動」
と書いてあるところを、押した。
すると、ネインの出したスター・レイのような魔法が、ネインよりもずっと多く生成されて、一気に岩盤紅を倒してしまった。
ネイン「すごい…」
俺もびっくりしている。
その時
???「お前なのか。」
声をかけられて、後ろを振り向くと、少し先に黒いローブを着た男がいた。
ネイン「誰だ…お前?」
???「言わない。」
そう答えると、男はまず俺のステータスを覗き見してきた。魔法のない持ち物もない俺のステータスを見て、男は言った。
???「こいつ…な訳がないか」
俺を見てそう言った男は、すかさずネインに向かって走っていった。
???「だとすればこの女…」
その男がネインに刃物を刺そうとした瞬間。
俺は、スキルを発動した。
その途端、男の刃物が割れた。
???「!」
男は、すぐに後ろに下がって、折れた刃物と俺を見つめた。
???「まさか…!」
「なぜスキルを使える?!」




