第33話 始まりの登校日
「…くん~?おーい。真くん~?」
聞き慣れた声が俺を呼んでいる…
真「うあ…」
翠花「お、起きたね。ご飯できてるよ?」」
真「あ…翠花姉…おはよう」
翠花「うん。おはよう。ご飯食べれる?」
真「…うん」
俺は目を擦りながら椅子に座った。
真「わあ…!」
机にあったのは…オムライスだった。とても美味しそうで、さっきまで眠気が一気に吹き飛んだ。
翠花「今日はオムライスだよ。それじゃあ…」
3人「いただきます!」
俺はオムライスを勢いよく口の中にかきこんだ…。でも…
真「あつ!」
めっちゃ熱かった…。
蓮乃「出来立てですからね」
翠花「しっかりと冷まさないとね。ふー…ふー…。はい、真くん。あーん」
これって…もしかして…伝説の…あーんか!?しかもふーふーつき…
真「あ、あーん…」
翠花「どう?おいしい?」
真「うん…おいしいよ。ありがとう、翠花姉」
翠花「どういたしまして~。今度は気を付けてね」
真「うん」
そうして俺はオムライスの熱さに気を付けつつ、オムライスを食べていた。
そんな時、翠花姉がこんな会話をしだした。
翠花「ねえ真くん。明日から授業始まるんだけどそれは把握してる?」
真「え?」
待て待て待て。今日入学式だよな?もう授業あるのか?明日に?うそだろ?早すぎやしないか?
真「明日から…もう授業あるの?」
翠花「うん。確かあるはずだけど…後でいいからプリント見せてね」
真「うん…」
衝撃の事実が食べるスピードを急停止させた…。だが美味しいことに変わりはなく少し遅くなったがすぐにスピードを取り戻すことができた。
3人とも食べ終わった。
3人「ごちそうさまでした」
翠花「じゃあ真くん、リュックにプリントあるよね?もらうよ」
真「うん」
俺はリュックに入っているプリントを翠花姉に渡した。翠花姉が今日もらったプリントをすべて見ている。
翠花「あれ?あ、真くんと私じゃそりゃあ違うか。来週からだね、授業は。明日からは身体測定とかっぽいね」
真「身体測定ってなにするの?」
前の世界だと身長とか体重、視力とか聴力をしたような。身体測定なんでそんなものだと思っている。
翠花「えっとね…身長、体重、視力、聴力、握力、神気量検査、色目検査っぽいよ。結構多いね。一日いくんじゃない?これ」
蓮乃「予定時間とか書いていませんか?」
翠花「うーんと…開始8時半、終了予定時刻3時か。これだけしかやらないのに?」
蓮乃「小学生も結構多くいましたし全員終わるのにはそれくらい時間かかるんじゃないですか?」
翠花「まあそういうものか。頑張ってね、明日」
真「うん。でもなるようになれって感じでいいよね?」
翠花「だね。緊張はしなくていいし」
まあ身体測定だもんな。そんな緊張する要素ゼロだ。
翠花「まあ早く寝るに越したことはないし、早くお風呂入っちゃおっか」
蓮乃「そうですね。また2人で入られますか?」
翠花「うん」
その言葉と同時に俺は翠花姉に手を握られ、そのまま浴室に入った。一緒に服も脱いで、浴槽に速攻で入った。
真「翠花姉…早いね。やっぱり」
翠花「まあ慣れたものでしょ?」
真「うん」
正直慣れていて驚く要素がないな…。翠花姉が髪や体を洗ってくれるのも、翠花姉がとても早く洗い終えるのも変わらない。完全に一つの流れとなっている。今日は先に話すのではなく洗い終えた後で会話を浴槽でした。
真「明日の身体測定の中で神気量検査と色目検査ってあったじゃん?あれってなにするの?」
翠花「神気量検査は文字通り神気がどれくらいあるのかを調べる検査。いつも通り神気を出せばいいよ。ちゃんと鍛錬しといてよかったね」
確かにそうだな。神気の鍛錬は翠花姉たちに教えてもらってできるようになった。今となっては余裕でできる。
翠花「色目検査は目自体の検査と、色についての検査。まず目自体の検査は視力検査とは別ね。視力検査はどれだけ見えるかだけど、目にある障害とか、特徴なんかを見てもらうの」
真「目の…特徴?」
翠花「うん。多分真くんなら…龍の目のことを記入されるかな。まあ担当の人が知らない可能性もあるけど。その目は本当に珍しいからね。実質的に色目検査も兼ねてるのかもね」
俺の目は龍のような目で、瞳孔といえる部分が縦に細くなっている。ここは触れられるんだろうな。
真「じゃあ色目検査は?」
翠花「色目検査も漢字そのまま目の色の検査をすることだね。真くんは片方は琥珀金色、もう片方は黒って答えれば大丈夫だね」
真「これをやる意味って?」
翠花「一応能力を学ぶ学校ってのもあるから能力がどんなものなのかを学校側が知るためじゃないかな?能力次第で能力の授業の中身変わるかも?」
なるほど。能力を学校側が知れば、それに合う授業とかもするのかもしれないのか。まあどうこうできる話じゃないしいいか。
翠花「それじゃあそろそろ出ようか。明日も早いしね」
真「そうだね。出よう」
俺たちは浴槽を出て、部屋着に着替えた。そのままリビングにいる蓮乃さんにお風呂を出たことを伝え、翠花姉の部屋に向かった。俺はそのままベッドに倒れるように入った。
真「はあ~」
翠花「入学式のこともあって疲れてるね」
真「うん。でも翠花姉の方が大変だったよね。お疲れ様」
翠花「ふふ。ありがとう。相談役の2人が起こした騒動は翠帝がなんとかしてくれて助かったね。真くんも次会うときはお礼を言わないとね」
真「そうだね。これからお世話になるもんね」
翠帝が2人を気絶させてくれたから俺は今助かってるんだろうし、命の恩人と言っても過言ではない。それに王医学校にいるんだしお礼も言わないとな。
翠花「お世話には…なるのかな?まあ会える時にお礼だけ忘れないようにね。じゃあ寝ようか」
真「うん」
翠花姉が部屋を暗くし、俺たちは眠りについた。
「ちゅんちゅん!」
いつものように朱雀がさえずり、朝日が昇ったことを知らせた。俺は朱雀の声によって起きた。毎朝起こしてくれるから勝手に動く目覚まし時計と思っている。
真「朝か…」
朱雀「そうじゃ。今日は身体検査と聞いたので早く起こしてみたぞ」
俺は時計を見た。指している時間は…
真「6時半か。まあ妥当か」
朱雀「身体の目覚めにちょうどいい時間がわらわの中で6時半と思っておるからの」
真「そうか。なら起きようかな」
俺はベッドから起き上がり、部屋を出た。
リビングにはすでに光があり、中から声が聞こえた。リビングのドアを開けた。
翠花「あ、おはよう~真くん」
真「おはよう。翠花姉、蓮乃さん」
蓮乃「おはようございます。真くん」
蓮乃さんが朝ごはんを作っていてキッチンにいる。翠花姉はソファに座っていてテレビを見ている。
蓮乃「そろそろご飯ができます。準備を手伝ってもらってもいいですか?」
真「うん。なにすればいいかな?」
蓮乃「パンを乗せる用のお皿をお願いします」
真「りょうかーい」
俺はお皿を持ってきて、机に持ってきた。
蓮乃「ありがとうございます。翠花さま、準備が終わりましたよ」
翠花「あ、終わった?じゃあ食べようか」
翠花姉がソファから立ち上がり、椅子に座った。俺と蓮乃さんも座った。
3人「いただきます」
ご飯を食べ始め、その道中ではテレビに映っているものの会話をしたくらいで、学校に関することは何も話していない。
3人ともご飯を食べ終わった。
3人「ごちそうさまでした」
翠花「じゃあ準備してくるね。真くんもするよね」
真「うん。ていっても着替えたりするだけでしょ?」
翠花「うん。いつものよーに着替えたり歯磨きしたりしてきてね」
真「はーい」
俺は先に服を着替え、翠花姉は歯磨きや寝ぐせなどを直していた。
交代で歯磨き等を終わらせ、もう行くだけとなった。翠花姉は制服に着替えるのに手こずっていて少し待っていた。
リビングで待っていた時、ドアが開いた。
翠花「真くん。おまたせ。行こうか」
翠花姉が制服を着ていた。昨日とは違い、靴下が白色のひざ下5センチくらいの靴下を履いていて、似合い具合がもうすごい。
真「うん。それじゃあ行こう」
玄関に向かい、靴を履き、扉を開けた。
翠花「行ってきまーす」
蓮乃「行ってらっしゃい。2人共」
俺は翠花姉に連れられ、登校をした。
翠花「このバック重たいな…まあそんなものか」
翠花姉はスクールバックを持っていて、パンパンに詰まってるように見えた。とても重たそうだ。
学校への道中、見慣れた人影二つが見えた。翠花姉がそんな人影に向かって声をかけた。
翠花「ひなこ!」
その声に王医学校の制服を着た女子が振り返る。
日菜子「お~!翠花!おはよ~」
翠花「うん、おはよ~」
2人が並び、一緒に歩いていく。俺は結夢に向かって声をかけた。
真「結夢、おはよう」
結夢「おはよう!真くん!」
結夢が昨日と同じように大きな声であいさつをしてくれた。こういう挨拶をしてくれる人がいるとこっちまで気分が良くなるのは多分俺だけじゃないはずだ。
結夢「一緒に行こうよ!」
真「そのつもりだよ。一緒に行こうか」
結夢「今日身体検査だってね~。なにするんだろう?」
真「いろんなことするんじゃない?翠花姉に聞いたら神気とかも使うらしいよ」
結夢「へー!真くんもお姉さんも物知りだ!」
そんな会話をしながら学校に向かって歩みを進めている。
しばらく歩き、学校が見えてきた。校門の目の前まで来て、翠花姉が立ち止まった。
翠花「よし、真くん、結夢ちゃん。ここで一回別れるよ」
真「え?」
日菜子「小学校はこのまま入って歩けばいいんだけど、中学校は遠いから転移魔法で移動するんだ。1年生はそのまままっすぐ歩けば見えてくると思うから、心配はいらないよ」
結夢「うん…」
翠花「大丈夫だよ、結夢ちゃん。今日も一緒に帰ろうね」
結夢「本当!?ならよかった!」
翠花「ふふ。真くん、ちゃんと結夢ちゃんを守ってあげないとだぞ~?」
日菜子「我が愛しの妹に何かあればその時は…」
真「わ、わかってます!大丈夫ですよ!」
日菜子「あはは。ならよかった。じゃあ私たち行くね」
結夢「うん!行ってらっしゃい!お姉ちゃんたち!」
翠花「行ってきまーす」
翠花姉たちがカードを読み込む機械に学生証を読み込ませた。その直後、2人の姿が一瞬にして消えた…!これが転移魔法…!その光景は俺が驚くには十分すぎた…。
結夢「すごいね…転移魔法は…。お姉ちゃんたちいなくなっちゃった」
真「他の人たちもカードを読み込ませたらみんないなくなってる…これが普通なのかな」
転移魔法に感動をしていると…
「その通りだよ」
後ろから声がした。女性の声だ…。俺たちは声のした方を向いた。そこに立っていたのは…青と緑を混ぜたような色の髪をした女性だった。制服は…翠花姉たちとも違う、けれど気品を感じるような制服…もしかして…高等部の人なのか?
真「えっと…お姉さんは…」
碧「ああ、驚かせてしまったかな?私は水神碧。高等部2年生で高等部の生徒会長をさせてもらっているよ」
生徒会長!?この人が高等部で生徒会長を…すごい人にあったな…。
結夢「そんな人がどうして私たちに…」
碧「転移魔法に驚いていたのを見て声をかけたくなってしまってな。すごいだろう?」
真「すごいです。これを設計した人はすごいですね…」
碧「そう言ってもらえて光栄だ。これは私が作ったものだからね」
真・結夢「え!?」
このシステムを作ったのは…彼女だというのか!?だとしたら革命レベルの大発明なんじゃないか!?
碧「このシステムを作って翠帝様に驚かれたよ。それと同時に賞とかももらえて、成績が優秀だったのもあって生徒会長に翠帝様が推薦くれたし。人の役に立つことをしたほうがいろいろいいぞ~」
真「もうなんていうか…」
結夢「思考が…」
碧「おそらく昨日入学したばかりだね。まあ驚くのも無理はないと思うよ」
驚くことしかない…それにこんなシステムも作るわ翠帝から推薦をもらうレベルで成績優秀で…この学校結構名門校なんだよな?その名門校の校長である翠帝から推薦をもらうレベルの人間…驚かないわけないよな…。
碧「あ、もうこんな時間か。じゃあ失礼するとしようか。じゃあね、2人共」
真「は、はい!さようなら!」
別れの挨拶をすると共に、碧さんもカードを読み込ませ、そこから消えていった…。雷に打たれたかのような衝撃を残していなくなったな…。
結夢「私もあんな風になりたいな…!」
結夢が目を輝かせていて、結夢の理想の女性像が彼女になったような気がした。
真「結夢、僕らも行かないと遅刻しちゃうよ!」
結夢「え?うそ!?いっそげ~!」
俺たちは教室に向かって走っていった。クラスにはもうみんな集まっていた。先生は来ていないようだ。
結夢「間に合ったね~。セーフセーフ」
真「よかったよかった。初日から遅刻をするところだったよ」
そんな会話をしていると、先生が教室のドアを開けて入ってきた。
燕「はーい、皆さん。席に座ってくださいね。今日は身体検査です。頑張っていきましょう」
クラスメイト達「はーい!」
燕「では番号順に並んでくださいね」
俺は赫星で、出席番号1番だから、一番前に、結夢は俺より一つ後ろだから俺の後ろに並んだ。そのままみんな番号順に並んでいっている。
俺は周りのクラスを見た。結構な人数がいることがわかった。推測でも…8か9クラスはある。もしかしたらそれ以上…すごい数が入ったものなんだと改めて理解した。
そんな風に思っていたら、みんなが並び終わったようで、先生が声をかけた。
燕「では早速行きますよ」
先生が俺たちを連れ、どこかに向かって歩いている。これから始まる身体検査…どんなものになるのだろうか…




