表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鼓動140  作者: 楪葉夢芽
20/20

XⅧ #495〜551『宇宙創棺』(2026.1.1〜3.27)

#495『祭壇にて語れ』



 宇宙には善悪がなく。

 そこにあるのは循環だけである。

 全知であり、全能である神は未だ棺の中で夢の世界へ。

 宇宙に在る命がどうなろうと興味はなく。

 生命など、彼の神の御前ではどうとでもなる。

 さあ、彼の神へ御伽話を捧げよう。

 さあ、彼の神へ物語を届けよう。



 -------------------------------------------



#496『希詩歌』◇



 我々が折れてどうする。

 嘘と脚色と願いを込めて、この世界に創作の雨を降らせよう。

 一寸先が闇でも、物語を灯火として、先へ、未来へ。

 生きる意味を、あげるよ。

 生きる理由を、つくるよ。

 だから、我々を()かして。



 -------------------------------------------



#497『境界線』



 屍体の皮を被っている。

 屍体の貌なんて誰も憶えてはいないから。

 わたしは、一体何者になる?

 わたしは、一体何者だった?

 屍体のことは忘れないのに、わたしはどうして忘れてしまった?

 ……。

 ……?

 そういえば、わたしは墓場だった。



 -------------------------------------------



#498『創作の餌食』



 みんな、この繰り返しの日々を、何を思って生きているんだろう。

 この命の消耗戦のゴールはどこだろう。

 そう考える間にも、産まれるいのちは私の命を喰らっていく。

 きっと、もう餌食になっている。

 私は、もう思考しない猿にはなれない。

 能天気で、己の人生を馬鹿らしく踊り歩いている人間には。



 -------------------------------------------



#499『今がいいところ』



 へらへら愛想笑いすることしかできない自分が嫌い。

 上手い返しができない自分が嫌い。

 自分が嫌いな私が嫌い。

 でも、結局のところ、一番嫌いなのは、

 こんなことをぐちぐち、延々と考え続けてる私なんでしょう。

 わかってるから、今は黙ってて。



 -------------------------------------------



#500『仮面』



 自分を安く見ないで。安売りしないであげて。

 何でもかんでも引き受けていたら、いつか便利屋みたいにこき使われてしまうから。

 無能のフリをしていたって大丈夫だから。

 あなたの価値は変わらないから。



 -------------------------------------------



#501『自他隔絶』



 何かを救えたわけでもないのに、世界のどこかで、誰かは救われている。

 きっと、そんな感じ。

 そんな朧げなもので、世界は何となく廻り続ける。

 意味もなく、大義もなく。

 己と他の隔たりが埋まることは、一度たりもともない。



 -------------------------------------------



#502『毒杯と金杯』



 毒が入っていることなど、わかっていた。お互いに。

 それでも、私たちは盃を呷った。

 この先の、遥か遠い未来への光明を夢想しながら。

 いつか、私たちがいがみ合わずとも済むような時代が来れば。

 それは、正しく黄金時代。

 私たちの未来へ、乾杯を。



 -------------------------------------------



#503『いつかっていつ来るの』



 上手く生きるためには、失敗なんていらないから。

 いつか経験になるなんて、そのいつかは(現在)のものじゃないから。

 いずれ過去に変わりゆく私に、失敗など許されない。

 未来を輝かしく照らさなければ、(過去)に存在理由などない。



 -------------------------------------------



#504『終幕(エンドロール)



 すべて書ききって、もう何も書きたいものが思い浮かばなくなったら。

 そのときは、潔く終わりにしよう。

 大丈夫だ。幕引きくらい自分でできるから。

 だから、おまえたちが手を汚す必要はないよ。



 -------------------------------------------



#505『報復死〈廃死〉』



 地獄に落ちてから罰せられるなんて、そんなの遅すぎる。

 きみだって、そう思っているから私らを復活させてくれたんでしょう?

 いいよ、神へ宣戦布告をしよう。

 ざまあみろって嗤ってやりたいものね。

 私が正しい報いを受けさせてあげるわ。



 -------------------------------------------



#506『色取り』



 何だよ。

 僕を置いて死んだ、お前が、悪いんじゃないか。

 改変するのは、生きている人間の特権なんだよ。

 勝手に理由づけられるのが嫌なら、化けてでも出てこいよ、なあ。

 君がいない世界は、こんなにもつまらないのにさ。



 -------------------------------------------



#507『自他同一』



 我々はどうしてこんなにもいがみ合うのだろうね。

 御伽話によると、我々は全てが一つらしいよ。

 神の腹の中で、離れることができない。だからこそ、個として確立したいと。

 離れたくてたまらないのに、誰かが傍にいてくれることを望むんだ。

 本当に、厄介なことだね。



 -------------------------------------------



#508『過去陣営』



 せっかく戻れるんだから、全部やり直そうよ。

 生き直したら、今頃みんな揃って新しい未来のスタート地点に立っているはずなんだから。

 もう、昔みたいに弱くもない、かける言葉はここにある、私たちなら。

 全部が全部、元に戻せるよ。



 -------------------------------------------



#509『私たちの手は汚された』



 私たちは人々の憩いの場を荒らしたかったわけでも、奪いたかったわけでもないんです。

 私たちは必要とされたかった。そのための努力は惜しまなかった。

 それなのに。

 指示されたことを遂行するだけでは駄目だったのです。



 -------------------------------------------



#510『星探す夢を。』



 どれだけ立ち止まったとしても、また夜空に浮かぶ星を探すのでしょう。

 そうして見つけた星を目指して、あなたはまた歩くのでしょうね。

 どうか、健やかなる繁栄と、安らかなる栄光を。

 いずれ私となるあなたを、歓迎しましょう。



 -------------------------------------------



#511『剣よりも強い意志』◇



 私たちは、いつか死ぬために生きている。

 いつか死ぬからと、誰が悲観的に生きている?

 己が武器を手に執れ。

 この手で、世界を書き換えるのだ。

 ほんの少しのやさしさと一握りの希望が降り注ぎますよう。



 -------------------------------------------



#512『普遍なる太陽よ』



 あなたは、あなたの矜持を曲げたくないのよね。

 わかるわ、私だってそう。

 一度捨てたものに縋りつくなんて、みっともないって思ってたわ。

 でもね、捨てても拾ってくる妹たちがあなたにはいるじゃない。

 私たち、もう家族だなんて言えないかもしれないけれど、

 これからは、いつまででも一緒にいるんだわ。



 -------------------------------------------



#513『実験』



 私のことなんて、どうやったって語れない。

 こんな醜い人間のどこに物語性があるというの。

 けれど、それを『わたし』として昇華したら?

 私をモチーフとして、白紙に描くことなら可能かもしれない。

 試してみよう。かぞくの再編を。



 -------------------------------------------



#514『(わら)う』



 あんなことがなければ、お前は今でも馬鹿みたいに笑っているだろうか。

 なんて、虫が良すぎるか。

 なら、俺は獣でいい。

 理性も知性も投げ捨てるから、お前もみんなも守れるような、そんな暴力(ちから)が俺の手にあれば。

 きっと、お前もわらってくれるよな。



 -------------------------------------------



#515『吸って吐いて』◇



 完璧な毎日じゃなくっていい。

 百点を取り続けようとするより、平均して安定した点数を叩き出せるような、そのくらいでいいんだ。

 時々息抜きをして、生き抜いていけばいい。

 行き詰まって、息が詰まることがないように。



 -------------------------------------------



#516『異文化』



 どれだけの時間が過ぎれば、私たちは解放されるのだろう。

 与えられた役割を演じて、開かれるたびに地獄を見る。

 この物語は終わらない。いつまででも始まる。

 この頸木から解き放たれる日が来ないのなら、自分でやるしかないのだ。



 -------------------------------------------



#517『あなたが嫌いだったから』



 燦々と太陽のように輝くあなたは、私の光を吸い取ったようで。全く、妬ましいったら。

 これだから、私はあなたが大嫌いだった。

 ……なんて。

 知ってる?

 エイプリルフールに吐いた嘘は、叶わないんですって。



 -------------------------------------------



#518『手のひらの温もり』



 自分のこと、許してあげてもいいと思うよ。

 親友の自殺も、家族の崩壊も、ぜんぶぜんぶ自分だけで背負うことはないんだよ。

 頼るのが下手くそなあなたは、人の肩を借りることを覚えなくちゃ。

 ほら、まずはこの手を取って。

 ここから、始めよう。



 -------------------------------------------



#519『神様じゃない僕ら』



 いつだってやり直したかったし、生き直したかったよ。

 でも、何回やっても傍にお前だけはいないんだろうな。

 この手に残っている家族を守るために、俺は生きていくよ。

 これがマシだったんだって言い聞かせて生きていくしかねぇんだ。

 俺たちは神様じゃないから。



 -------------------------------------------



#520『拡声器』



 現実(リアル)でも虚構(ネット)でも、声の大きい奴ばかりが得をしている。

 嘘か真かを決めるのは、いつだって俺たちの声じゃない。

 ……声の大きさで敵わないのなら、声の数で勝てばいい。

 そうだろ、兄弟。



 -------------------------------------------



#521『艱難辛苦』



 苦しみのない人生は、人生ではない。

 そんなことで生きていると言えるものか。

 楽しくて、喜ばしいことばかりがいいかもしれないが、それではいずれ人生が退屈になる。

 どれだけ辛くとも、苦しくとも、それが人生だ。



 -------------------------------------------



#522『マリオネット』



 我々はいつまで人間であることを誇っていけるだろうか。

 自分で思考することもせず、技術を使っているようで使われ、いつまでも目に見えない糸で操られ続ける。

 神が愛したという人間の姿が、どこにあるというのだろう。



 -------------------------------------------



#523『その笑顔は、木漏れ日』



 彼女の命は、花だった。

 散りゆく前に、一際美しく咲き誇るような。

 この、海の見える丘で、何を考えていたのだろう。

 それまで、私たちとどんな気持ちで笑っていたのだろう。

 ……私には、何ができたのだろう。



 -------------------------------------------



#524『手も洗いましたから!』(笑詩)



 命を奪うことは誰にでもできることだ。だが、やったのは俺だ。

 あのとき、あの瞬間。

 あの場にいたのは俺で、手を下したのは俺だ。

 感謝こそすれ、遠巻きに見られる謂れはない。

「ほら! ちゃんとゴミ箱に捨てたって!」



 -------------------------------------------



#525『創神記(I)』



 神さえも創ってしまった人間の前に、何が立ちはだかれるというのだ。

 神の前に人を立て、人の前に何が立てられた?

 神すらも踏破した人間の新たなる好敵手。

 人間とは自ら墓穴を掘る生き物だ。

 それは、(I)がよく知っている。



 -------------------------------------------



#526『宇宙創棺』



 この世で起こることのすべては、私が悪いんだよ。

 だって、この宇宙は私が創ったんだから。

 恨むなら存分に恨んでくれて構わない。詰りたいのなら詰ればいい。

 勘違いしないでほしいのは、私は神じゃないってこと。

 断じて神ではないけれど、おそらくは人間とも決することもできない。

 ほら。

 神は、こんなにも不完全じゃないでしょう?



 -------------------------------------------



#527『蛍光』



 陽が落ちたのなら、帰らなきゃいけないね。

 でも、陽が落ちなければ、ずっとずっと遊んでいられるよね。

 まだまだ、遊んでいたいよね。

 大人にならないままで。

 ずっと、子供のままで。

 だって、君は大人になったら。

 大人になろうとしたら。



 -------------------------------------------



#528『エバーランド』



 わたしは子供のまま変われないのに、みんなは当たり前に大人になっていく。

 わたしばかりが、子供のまま。

 いや、みんなばかりが大人になっていく。

 大人になんてならないで。

 ずっとずっと、遊んでいられるお庭があるのに。

 わたしばっかり、いつも置いていかれるの。



 -------------------------------------------



#529『試金論語』



 ねえ?

 神がどうしてこんな不完全な生き物を愛せるっていうの。

 そう思うなら論じなさい。語りなさい。

 あなたたちが、廃棄されるには惜しい生命群だと。

 あなたたちが、神に見捨てられても生き残れるのだと。

 私こそが、その試金石なのだから。



 -------------------------------------------



#530『デマゴーゴス』



 正義なんてものを探してしまうから間違えるんだ。

 正義なんかどこにもありはしない。あるのは事実と義心と害意だけ。

 害意は流言蜚語を発し、義心はそれを助長させる。

 正しきは何たるか、己の目で精査せよ。

 確たるは何なのか、己の頭で審議せよ。

 本当にその頭が空っぽでないのなら。



 -------------------------------------------



#531『タイパ』



 無駄な時間があったっていいじゃないか。

 それは無駄に見えて、人生と心を豊かにしてくれる。

 友達との喧嘩も、馬鹿やった思い出も、それらは君を構成する大切な思い出じゃないか。

 やって何の意味があるんだとか、そんなこと誰にだって決められるものじゃないよ。



 -------------------------------------------



#532『上書き保存』



 音楽の欠片が僕の心に刺さったとき、僕が生きていてよかったんだとわかるんだ。

 その詞で眼を見開いて、忘れられない一頁が埋まっていく。

 くだらない憶えているに値しない記憶が上書きされていく。

 ああ、僕はこれでよかったんだ。



 -------------------------------------------



#533『哭々(こくこく)



 自然と流れ出る涙をね、私は意味のあるものに変えたいの。

 自分がなぜ泣いているのか、わからないけれど。

 でも、定義づけることはできる。無理やりにでも。

 だからね、私は物語に触れたの。

 そこにはたくさん、涙を流す理由がある。



 -------------------------------------------



#534『無天』



 白痴のわたしたちは、これまでずっと馬鹿を見てきた。

 理想論を振り翳しても、それらはわたしたちを救わなかった。

 こんなにも真っ当に生きてきたのに。

 ……ならば、わたしたちから、天国の扉を叩きに行こう。

 神がわたしたちを救わないのなら。

 そんな天国は要らない。



 -------------------------------------------



#535『寓話』◇



 物語に縋らなくても生きられるのなら、きっとそれがいい。

 けれど、もし生きることに迷ってしまったなら、探しに来てほしい。

 前に進めるようになるかもしれない。指針が見つかるかもしれない。

 これは、あなたのための物語。

 あなたに寄り添うために、試行錯誤された御伽噺。



 -------------------------------------------



#536『青蝶の夢』



 いつか、こんなことを青くさいときみが笑ってくれるのなら。

 こんな私でも、生きた甲斐があったと。

 きみの振り返る道くらいにはなれたと、胸を張って。

 笑い返して、きみを未来へ送り出せる。

 たまには、ここに立ち戻ってみてほしい。

 大丈夫だって。こんな私でも生きられたんだから。



 -------------------------------------------



#537『志願者』



 大丈夫だよ。

 誰も、君の邪魔なんてしないからね。

 もう誰も、君の邪魔なんてしてくれないよ。

 だって、君は取るに足らない存在だからね。

 君に、邪魔するほどの価値なんてないって、ようやく気がついたんだ。

 ほら、君のお望み通り、君は花になっていいんだよ。



 -------------------------------------------



#538『こんにちは、隣人さん?』



 全知っていいじゃないですか。

 全能が無理でも、全てを知っていれば高みの見物ができますし。

 我々の神に及ばずとも、その思考を覗き見れば近づけると思ったんですよ。

 ん? それで結局どうなったか?

 もう成果は出ているでしょう?

 私が『超越者』ですよ。



 -------------------------------------------



#539『個境』



 本当は、他人など必要ないのではないか。

 他人がいたところで争うのなら、他人など必要ないではないか。

 境界をつくろう。

 侵犯されるのが嫌なら、耳を傾けたくないのなら、それを叶えて進ぜよう。

 これまで以上に、個の意識を強化するのだ。

 なに、至上の私にならできるさ。



 -------------------------------------------



#540『虚命』



 私は、一体何者なのだろうか。

 この掌に在った何者かたちは、何処へ行ってしまったのだろう。

 何もない。私の掌には、何も。

 どうしてこうなってしまったのか。

 私は、皆と生きていければ、それだけで、よかったのに。

 ……なら、もうどうにでもなってしまえ。

 私も、このいのちも。



 -------------------------------------------



#541『洗浄』



 環境が悪いのではないな。

 種だ。

 蒔いた種がそもそも悪いのだ。

 一度蒔いてしまったからには、生えてきたものは摘み取り、掘り返すしかない。

 仕方ない。

 大変骨が折れるが、今やらなければもっと酷くなる。

 種の根絶を。



 -------------------------------------------



#542『存在の証明』◇



 いつか奪われるからやらないんじゃない。

 いつか奪われるからこそやるんだ。

 命が泡沫に消ゆとも、生きた証が消えることはない。

 一度灯した明かりは消えない。

 松明を持て。再び立ち上がれ。

 この世界に刻み込め。



 -------------------------------------------



#543『敬白』



 よかった、あなたが私を殺してくれて。

 もう私、誰にも恨まれたくなかったんです。

 見当違いの、お門違いで。

 だって、そうでしょう?

 私、こんなことなら産まれてきたくなかった。

 だから、ありがとう。

 殺してくれて、ありがとう。



 -------------------------------------------



#544『物語の化け者』



 小説を書いているときだけは、ちゃんと生きている感じがする。

 命を削ってでもやる意義と価値がある。

 それ以外の時間は全部ゴミだ。死んでいる方がマシだ。

 人間じゃなくなった心臓が鼓動を刻まなくとも、言葉の雨は止まない。



 -------------------------------------------



#545『怪物』



 周囲の人間を餌程度にしか思っていない。

 こんな者を人間と呼べるだろうか。

 いっそ、人間でないと認めてしまえば楽だろうか。

 君が死んでしまったから、人間でなくなったのだろうか。

 こんな者を怪物と罵って、石を投げてくれたのなら、

 俺は開き直ってそう在れるだろうか。



 -------------------------------------------



#546『幕切れ』



 私に幸福が与えられることがなくとも、

 あなたが初めからその呪文を知っていたことは知っている。

 あなたは嘘みたいに優しく微笑んだ。

 あなたは馬鹿みたいな私を見かねて、何事かを呟いた。

 それで終わりだった。



 -------------------------------------------



#547『かわいそうな生き物』



 こんなはずじゃないって泣き喚く君が好きで、

 こうするしかなかったんだって言い聞かせる君が好きで好きで、

 こんな世界ならと俯く君が好きで好きで好きで、

 たまらなく愛おしくて。

 だから、君を泣かせるのは僕だけでいいんだ。



 -------------------------------------------



#548『言の葉』◇



 生きとし生けるすべての者へ。

 叫べ。反発を恐れるな。

 声を上げなければ、肯定しているのと同じだ。

 死にたくないのなら、声高に(うた)え。

 死んだ者たちの分まで。

 いつか死ぬゆく我らに言葉を。



 -------------------------------------------



#549『人間らしい?』



 こんなにも他人は恐ろしいのに、どうしてみんな普通にしていられるんだろう。

 いつ殴られるかわからない。

 いつ刺されるかわからない。

 どうして僕は普通でいられないんだろう。

 普通に生きていられない僕は、生きていてもいいんだろうか。



 -------------------------------------------



#550『敬具、かつての俺』



 過去の俺の傷は、今の俺が笑ってやるから。

 そしたら、またお前は立ち上がれるんだろう?

 また、立ってくれよ。

 崖っぷちなら飛び越えて、

 お前の命のバトンを俺に繋いでくれ。

 また、俺が次へ渡すために。



 -------------------------------------------



#551『返礼詩』



 一年前の自分へ。

 今日まで必死に生きてくれてありがとう。

 そんな君へ、ささやかながら詩を返してみました。

 僕が生きた一年はどうでしたか。

 君が再び生きる一年はもう来なくても、僕が生きる一年がとうになくても、

 また、新しい僕が何か成し遂げてくれますように。



 -------------------------------------------


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ