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翌朝、ロゼッタは太陽の光と共に目覚めた。
リアムの訪問で少し興奮してた節があったが、睡眠が絡むと別なのか、存外よく眠れた。
昨日は仕事で家を空けていた兄は、仕事がなかなか片付かず、帰るのにまだ2日くらいかかりそうだという連絡が来た。朝の食卓には父、母、従兄弟が既に席につき、談笑をしていた。
朝を誰か共に食べるということは、前世ではほとんどしていなかったため、人と食べれることは幸せなことだなぁと毎回ロゼッタは思うのだった。
少しぼーっとしていたロゼッタにアリシアが尋ねる。
「ローズ、どうしたの?立ち止まって……体調が宜しくないの?」
「ううん。なんでもない!さぁ、頂きましょう!」
一瞬の憂いた顔もなかったかのようにロゼッタは元気よく席に着いた。
誰もがその事には触れず、朝食の時間を楽しんだ。
朝食を済ませた後、ロゼッタとエドワードは馬車でエインズワース邸へ向かっていた。
「ねぇ、お父様。意外と遠いのね。アルフレッド様のおうちは。」
馬車は1時間ほど走っていた。王都の商店が立ち並ぶ繁華街を過ぎ、南下していた。王都のきたの方にあるオースティン家から南部にあるエインズワース家だいぶ距離があった。
「こんなに遠いなら、いつも来て貰って悪いわ…今度から私が出向いた方がいいのかしら。」
「ローズは気にすることはないさ。もし、来る気がなければ、彼は来ないということも出来るんだ。実はね、いつも彼にここに来たいかどうか聞いてから、伯爵にお伺いをたてているんだよ。」
父の思いがけない言葉に初めは理解ができなかった。
反応は薄くとも、彼は私との時間を前向きに考えてくれていたと思っていいのかしら…と。
「アルフレッド様は私と会うことをお嫌いではないのかしら…。ならもう少しちゃんと反応が欲しいですわ」
嬉しいと思う一方で、どうして?と思わないわけではなかった。
「ははは。彼にも彼なりに思うところがあるのだろう…もう少し待ってみようではないか」
エドワードはそういうとロゼッタの頭をポンポンと撫で、着いたようだなと馬車をおりた。そしてロゼッタもそれに続き馬車を降りた。