「女に当主は務まらん」と叔父が言うので、当主の座を賭けて婿選びをいたします ~候補の皆様、持参品は叔父様の悪事の証拠でお願いします~
最新エピソード掲載日:2026/11/08
「女に当主は務まらん。婿を取れ。この家を継ぐのは、その婿だ」
父の葬儀の翌日、叔父アドヘマールは親族の前でそう言った。婿はもう決めてある、と。叔父の言いなりになる、徴税役の息子だ。
辺境伯家の一人娘ジスレーヌ。七年、父の秘書として砦の帳簿を回してきたのは、私だ。
「承知いたしました、えぇ、承知いたしました」
怒ると二度言うのが、私の癖だ。
「では、婿選びをいたします。家法のとおり、王家の立会いをお願いして」
立会人は、父の弔問に来ていた十二歳の第三王女ミルティーユ。退屈そうに足をぶらぶらさせていた王女に、私は一枚の紙を差し出す。
「なになに……『求婚の品は、叔父アドヘマールの悪事の証拠を一つ』。……え、面白っ!」
叔父の顔から、血の気が引いた。
「叔父様。どうかお体を大事になさって。数え終わるまで、長くかかりそうですもの」
翌朝、門の前に最初の求婚者が立っていた。手には、叔父が三年かけてごまかした、通行税の控え帳。
父の葬儀の翌日、叔父アドヘマールは親族の前でそう言った。婿はもう決めてある、と。叔父の言いなりになる、徴税役の息子だ。
辺境伯家の一人娘ジスレーヌ。七年、父の秘書として砦の帳簿を回してきたのは、私だ。
「承知いたしました、えぇ、承知いたしました」
怒ると二度言うのが、私の癖だ。
「では、婿選びをいたします。家法のとおり、王家の立会いをお願いして」
立会人は、父の弔問に来ていた十二歳の第三王女ミルティーユ。退屈そうに足をぶらぶらさせていた王女に、私は一枚の紙を差し出す。
「なになに……『求婚の品は、叔父アドヘマールの悪事の証拠を一つ』。……え、面白っ!」
叔父の顔から、血の気が引いた。
「叔父様。どうかお体を大事になさって。数え終わるまで、長くかかりそうですもの」
翌朝、門の前に最初の求婚者が立っていた。手には、叔父が三年かけてごまかした、通行税の控え帳。
1. 女に当主は務まらん
2026/11/08 12:02