表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
いつから  作者: 仙道 神明


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

10/11

昔の自分

いつからだろう。

昔の自分を、思い出したのは。


きっかけは、たいしたことじゃなかった。

たまたま入った店で流れていた音楽。

学生の頃、何度も繰り返し聴いていた曲だった。


懐かしい、というより、驚いた。

まだ覚えていたのか、と思った。

歌詞も、リズムも、自然に口をついて出てくる。


忘れていたわけじゃなかった。

ただ、思い出す必要がなかっただけだ。


忙しくなって、守るものが増えて、

気づけば、前の自分を振り返る余裕がなくなっていた。

置いてきたつもりでいたものは、

ちゃんと自分の中に残っていた。


帰り道、少し遠回りをする。

イヤホンから流れる音に合わせて、歩幅が変わる。

昔と同じようには歩けないけれど、

同じ方向には、まだ進める気がした。


若さは戻らない。

でも、感覚は消えない。

使わなくなっただけで、無くなったわけじゃない。


昔の自分を思い出したのは、

失ったものを数えるのを、やめたときだった。


変わったことばかりに目を向けていると、

変わらなかったものが見えなくなる。


それに気づいた夜、

世界は少しだけ、広くなった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ