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星河さん家
9.
「ただいま〜。」
「おかえり、どこ行ってたの?」
「ちょっと出かけてた。」
「あら、蒼月にもとうとう彼女が出来たのね〜!!」
「ち、違う違う!すぐご近所の星河さんと高校一緒で遊んでたんだよ!」
「星河さん・・・?」
帰ってきて早々検索をかけてくる母さんに星河さんの名前を出すと顔色が変わった。
「どうしたの、母さん。」
「いやね、蒼月あんた星河さんに何か異変とか感じなかった?」
「別に、普通だけど?どうしたの。」
「・・・ご近所で噂になってるんだけど、星河さんのお宅から夜にたまに怒鳴り声や叫び声とか、物の割れる音とかするから、もしかして・・・ね。」
母さんの言葉に耳を疑わざるを得なかった。
星河さんが虐待・・・?
家族関連の話はしなかったものの、痣があるわけでも無かった。
そして僕はこの前の彼女の言葉を思い出した。
『家の用事!』
彼女が学校を休む日は家の用事だと言い張っていた、あれがまさか・・・?
考えれば考えるほど落ち着かず、悶々と自問自答を繰り広げる事しか出来なかった。
人の家庭事情なんてそんな簡単に聞いていいものなのだろうか。
僕は至って平凡な家庭で平凡に暮らしている。
そんなお前なんかに話したくないって思われるのだろうか。
脳裏に彼女の山でみせてくれた笑顔が焼き付いて離れなかった。




