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白雪姫  作者: 柚子
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3/3

イマデモアイシテル

それからの日々は前にも増して仲良くなるときも

あれば対立することもあった。

でも、確実に2人の結束というか、なんか目に見えへん

ようなものが日に日に築き上げられていってるのも

感じられていった。

自分が反省したのもあるけど、そういう思いも

あってか、ユキに干渉することも妬いてしまうことも

少なくなって、おおらかに過ごしてた。


結婚の相談もトントンと進んで行ってて、

あの日は4年目の記念日っていうのとどんな料理が

好きかを探索しよう!ってことで待ち合わせすることになってた。


でも、1時間待っても3時間待っても来やんくて・・・

怒りとかよりも、集合場所を間違えない・遅刻を1回もした

ことない、そんなユキのことやから心配でたまらんかった。

それから、数分してユキからの着信・・・

電話の向こうに聞こえる慌ただしい音、

冷静に話す知らない声、

街の華やかなBGM。


気が付いたら走り出してて、

気が付いたら見知らぬ街へ来てて、

気が付いたら・・・


目の前にはいつもより蒼白感のあるユキがいた。

交通事故やった。

こんな展開、ドラマとか小説でしかない展開やと思ってた。

俺はただただ真っ直ぐユキの顔を見るしか出来ひんくて、

事故にあったっていうのにあまりにもキレイなその肌に

ずっとずっと触れていた。

もう3月やというのに、まるでユキを迎えに来たかのような、

夜やというのにキラキラした雪が窓の外に降り注いでいた。

その日から雪が嫌いになった。

俺の大事な人をイタズラに連れ去って行った

ような気がしてならんくて・・・


あれから2年・・・

ちょっとずつ落ち着きを取り戻してきて仕事も頑張って、

それなりに出会いもあった。

どうにかして押し込めてたつもりやのに、やっぱり神様って

ものは意地悪なもんなんやなあ。

そんなことを思ってたら、

「あー!雪やぁー!」

横で話をしていたカップルの彼女が嬉しそうに声を上げる。

見上げてみると、ふわふわの雪がキラキラ舞い降りてくる。

嬉しそうにはしゃぐ人、予報と違うと嘆く人、

うっとうしそうに空を睨む人・・・・・


俺は慌ただしい人並みの中に居るにも関わらず、

思わず立ち止まってしまった。

そして、ふと、その雪の中に君を探してた。

いや、降り出したって分かった時から見つけ出してたんかも知れん。

「ユキ・・・」

気付けばそう呟いていた。


そんなメルヘンなことあるわけないってことも、

アホらしいってことも自分が一番よく分かってる。

でも、俺が一目惚れをしたあの笑顔で、

どんなことも許させてしまうズルいけど

大好きで愛しくてたまらんかったあの無邪気な笑顔で・・・

俺を見下ろしてくれていた。


ユキ・・・?

考えやんとこうと思うほど考えてしまう、って本間なんやな。

周りにはもう整理したって言うてるけど、

本間はまだお前との思い出いっぱい残ってるねん。

アホみたいやけど、すれ違った人が似てたらちょっと付いて

行ってまうし、コンパとかでも無意識にユキとの共通点を

探してしまってる。

そっちの世界でもいっぱい笑ってる?

その無邪気な笑顔で誰かが幸せに

なってるんやろうな、俺のように。


「俺、やっぱり今でもお前のこと・・・・・・」


-アイシテル-・・・


その言葉は吐く息とともに消えてなくなってしまった。

でも、


-ワタシモ アイシテル-


そう言っているかのように、俺の頬に手を伸ばし、

包み込むようにして、微笑むユキ。

その瞬間、何かが弾けて色んなものが込み上げてきてしまった。


めっちゃ会いたかった。愛してる。戻ってきてほしい。

やっぱり、もっと、もっと・・・

そう思い手を伸ばし抱き寄せてみる。

だけど・・・


俺の手の中には儚く溶けてしまった冷たい液体しか残っていなかった。

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