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はじまりの雀

主人公がちょっとうざいかも。なんであんなテンション高いのか作者にも不明です。

こんにちは。


今日も晴れてて、いい天気よ。


チートで美人な私は相も変わらずモテモテ!


まぁ、嬉しくないけどね。
















私、スズメに転生しました。






輪廻転生って本当にあったのね。私、びっくりしたわ。

そして、さらに驚いたの。必ずしも人間になれるとは限らないのね・・・・・・。


生まれた時は驚いたわ。真っ暗で苦しくて、もがいてたら少しだけ光がさしてきて、それに必死に縋り付いたの。そしてついに、私は闇の中から脱出したのよ。それが誕生だったわけ。


お父さんとお母さんは餌よ~なんて言って虫持ってくるからほんと嫌になっちゃう。子供の頃は絶食よ!

それでもすくすく育った私はホントチート!鳥目、鳥頭なんて言わせないわ!


飛べるようになると、私はそのまま巣を飛び立ったの!

前世で鳥のように飛んでみたいとは思っていたけど、ほんと気持ちいいわ。風を切るなんてかっこいい言い方、かわいい雀姿の私には似合わないかもしれないけどそんな感じなの。


でも、調子に乗りすぎたかもしれないわ。キラキラ輝く素敵な庭が見えて、思わず飛んで行ったの。そしたら見えない壁にぶつかったわ。


あぁ、これが前世でよくあった鳥が窓にぶつかるというやつなのね。


ガクッ......。


鳥が窓にぶつかる理由を身をもって体験するなんて・・・。

と思いつつ目を覚ましたわ。


「良かったぁ。目を覚ましたんだね。」


声が聞こえて上を向くと、巨人、じゃなくて、人間ね。高校生かしら?そのくらいの女の子が私を覗き込んでいたの。

でもねぇ、それ、やめてくれないかしら。小さなスズメの私に大きな人間のドアップはちょっとした驚愕映像よ。


「ちょっと怪我してるみたいでね、後で病院連れて行ってあげるからしばらく我慢してくれる?」


あら、言われてみれば確かに羽に違和感があるわ。よくわからないチートな私ならしばらくすれば治るでしょうけど、この子、結構かわいいし、スズメを病院に連れて行くなんて言っちゃうようなお人よしみたいだし、気に入ったからおとなしくしといてあげるわ。


コクリ。


とりあえず了承の印に頷いておいたわ。


「かわいいねぇ。」


当り前よ。これでも美雀として異性からモテモテなんだから!

でもねぇ。私、ほかの雀の区別あんまりつかないのよね。親兄弟しか見分けつかないの。それに、私飛べるようになってすぐ巣立っちゃって、雀社会のことよくわからないのよ。だからモテても正直困るのよね。雀の結婚ってどうなってるのか知らないもの。流行りのプロポーズの仕方とかあるのかしら?


まぁ、いいわ。私はチート雀!自由気ままに旅する女よ!


なんて開き直っている間に彼女に運ばれたの。なんだか教室みたい。私ってば定番すぎるわ。学校の窓にぶつかるなんて。


「あれ。その雀、どうしたの?」


彼女に声をかけてきたのはイケメンだったわ。インテリメガネって感じ。神経質そうね。


「あ、春日君。あのね、この子中庭で倒れてたの。たぶん窓に勢いよくぶつかっちゃったんだと思う。」


「あぁ、鳥にはガラスがわからないらしいね。」


くっ。鳥目じゃないけど!ついきれいな庭があると浮かれちゃったのよ!普段はちゃんと窓ガラスくらい見分けがつくわ!


「うん。それで怪我してるみたいだから、うちに連れて行こうと思って。」


「家に?」


あらメガネ。いい質問よ。さっきは病院って言ったのになんで家なのかしら?


「うちね、動物病院なの。だからこの子、怪我して飛べなくなってるし、放っておいたらネコに食べられちゃうから」


「そっか。」


なんていい子なのかしら。優しいわ。それに比べてこのメガネ!もうちょっとかける言葉があってもいいんじゃない!

なんて、メガネの方を見るとなんだかね、こう優しげ~な目で見ててちょっと見てるこっちが恥ずかしかったわ!もう!青春ね!


その後、私は彼女の家に連れられて怪我の手当てをしてもらったわ。治るまでうちに居てもいいからねと言われて、また感動したのは言うまでもないわね。


さて、次の日。

彼女が学校に行くのを見計らってこっそり後を追いかけたの。


怪我は?どうやって出たの?って?

チートをなめてはいけないわ。怪我なんて昨日の夜には完治したし、窓のカギくらい自力で開けられるわ。


我ながらビックリよ!


さて、なんで彼女を追いかけたのかというと、昨日の二人の青春が気になったのもあるわ。

だって彼女、メガネに話しかけられてちょっとうれしそうだったんだもの。

でもね、それだけじゃないの。

あのメガネ。春日って呼ばれてたじゃない。

めったにお目にかかれないようなイケメンメガネに春日って名前。なんだか引っ掛かるのよ。前世で知っているような気がして。

それで来てみたの。

今度は窓にぶつかるなんてヘマはしないわ。


窓の外からこっそり観察してみたの。やっぱり見覚えがある気がして、ストーキングしてやったわ。鳥になった私はもう犯罪にはならないのよ!

すると、あれよあれよとイケメンや美女、美人が出るわ出るわ。

それが美女以外には見覚えがあって、気づいちゃったのよね。


これ、安藤さんシリーズの乙女ゲームだわ。全4作品の安藤さんつながりのゲームの一つ。

そう、あのインテリメガネは攻略対象の一人なの。

いやだわ。彼ってば彼女みたいな優しくていい子に好かれておきながら、やっぱり主人公の前何チャラになびいちゃうのかしら?

これは主人公の前何チャラも見といたほうがいいかしら。


とか思ったんだけど、その必要はなかったみたい。

攻略対象たちと安藤さんと美女の話を聞いてたら無駄な心配だってわかっちゃったから。


うふふ。なんだか楽しいゲームの始まりみたいね。私もまた見に来ようかしら。


でもそうね。とりあえず今日は帰るわ。家に私がいなきゃ、あの子が心配するもの。









チートな雀に転生しちゃった私。


明日から傍観始めるわ!


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