その25。御先祖って言われてもさあ。
「とりあえず主様あ。アイス溶けちゃうから、食べましょうよ。」
ビビっちが口を尖らせる。
「そうね。」
シロフワちゃんもアイスに目が無いのだ。
「仕方ないから、お二人にもわけてあげますにゃ。」
「え、優しい…」
「猫ちゃんがおやつの分配をしきるのかい?」
ベロディ王女は感激のあまり手を胸の上で組み、ジャンは目を丸くする。
咄嗟にかけた冷え冷え魔法のおかげでアイスは溶けてない。
いただきまーす!
「とにかく説明するね?食べながら聞いて。」
「やはり…貴女様はディディ国の姫なのですか?」
とジャンは恐る恐る口を開く。
「まあね。私はこの髪と瞳の色を持って産まれたの。」
「え、やはり天然なんですか。その青い髪。」
ベロディ王女が凝視する。
「茹でると赤くなるとか…」
「かあっ!エビやイカやカニといっしょにすんな!」
「以前もありましたにゃ。こんなやり取り。」
ホント。あの銭ゲバで失礼な王子と同じこというんだな。
「…生まれたその日に魔女仲間が迎えに来て、ディディ国とはそれっきりよ。それから魔女のババーラ一族として生きてる。
私の従姉妹がやはり、カカオワナ国の初代王妃になったのね?
従姉妹の母と私の母は双子だったらしいから、似ていても不思議ではないわ。」
かちゃん。
「え、じゃあ。貴方様は御先祖様…」
ベロディ王女が匙を落とした。
「そうだけど。そんなにショックを受けること?」
がばっ。
テーブルにつっぷすように平伏する姫。
「ごめんなさい、歳上の人を敬えと言うのが我が家の家訓なんです!
それと先祖供養は念入りにって!
…なーむーさんだー。」
こら、私に向かって手を合わせるなっ!
「まだ死んどらん。先祖供養はノーサンキューじゃ!」
「ヨウシ、わかった!」
ポン!と手を打つジャン。
「それでは姫のひいひいお婆様のお従姉妹様と言う事ですか。」
「あー、そうかもね。どうでも良いけどさ。アンタが好きなミゲール王子は、ここに占いを頼んだり、自分の姉妹達へのパワーストーンを頼みに来ていただけだよ。」
「そうですにゃ。」
「ウンウン。」
シロフワちゃんもアリス・ゴーストも頷く。
「ええ…そうなの?猫ちゃんが言うことなら信じられます。」
なんじゃ、それ。
「ミゲール王子は絵姿を何枚か持ち込んで、この中から自分と相性の良い女性を選んで欲しいと言ってきたのよ。」
「あっ。知ってます。メルト国の伝統。『寿ぎの魔女様によるお相手選び』。確か今の国王もそうでしたね。」
「ジャンさんとやら。アンタ詳しいね。」
「はい、物凄く高額な御礼が必要だから、なかなか占ってもらうのは難しい…と。
ですから、姫様達はノー占いで嫁いでいかれたとか…」
「それは先代の魔女よ。私は適正価格よ。」
「で、占ったんですか?ミゲール様の相手は決まったの?!」
ベロディ王女は悲痛な叫び声を上げた。




