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寿(ことほ)ぎの魔女は途方にくれる。  作者: 雷鳥文庫


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13/16

その13。

「色々ご紹介しましたけど石とは出会いが大切。

自分が見て、あ!コレいい!って思ったものがいいですよ。」


「そうなんですか?」


「ええ、気に入ってもらった石に加護をつける、そう言うやり方でも大丈夫なんで。」


「私はあの目玉の化け物みたいな石がいいです!アレを是非是非是非是非是非ぜひぜびぜひぜひひげっ!」


最後になんか違うのまじってるよ。

ピザと10回いって膝とかひざとか言うやつみたいじゃんか。


「はあはあ。おいくらですの?」

「息切れしてるわ、落ち着いて。アレは少しお値段はります…「いくらでもかまいません!」

私の声に被せてくる金髪ポニーテール。


「もうウンザリなの、あのお局!いちいちネチネチと!きいいいいいい。」

「しっかり、ビビっち。」

「あんたが1番あのホクロ女に目をつけられていたからね。」

他の侍女さん達が背中を撫でてやる。


いや、もうさあ、転職したら?ビビっち。


「ビビよ、そんなにティボーネにいじめられていたのかい?」

王子様が恐る恐る声をかける。

「ええ、あのティボーネは王子様にガチに恋してましたから。」

「王子様は金髪色白美人がお好きでしょ。」

「ビビっちがお気に入りになるんじゃないかとイビルことしかり。」


イビルか。サビダンやガブラはいないのか。


「そんな。私が侍女に手を出すと思うのか。」

「王子様、滅相もない。そんなことは思いません。」

「夢見てるのはアイツだけですよ。」

あら、アイツになった。

「王子様は鑑賞用です。それで充分でございます。」


「ええー、なんかそれも複雑…」


「王子様。ウチの王家は美形で売っているのですから。」

「みんなのアイドルでいてください。」

「色男金とチカラはなかりけり、でいいじゃないですか。」


なんのかんの言っても、慕われてはいるみたいである。


「ビビさん。貴女のその苦労とダークなパワーに免じて二つセットで13000ギエンでいいですよ。税金はオマケね。」

「ありあとやんす!」

「それに、ま、人避けのおまじないもかけとくわ。」

「ラッキーー!」


喜んでもらって何よりだ。


その後、ビビさん以外の侍女さん二人には、ブレスレットやネックレスを売った。

ちゃんとご希望のパワーを込める。


「あの…今、手持ちがないので取り置きでお願いします。」

「ビビさん、OKよ。後、他の人にも宣伝してね。」

「はい。」


 口コミで顧客が増えるといいなあ。

そのうち王都に店を移すか。

お金(前の魔女の貯え)はあるし。引っ越し費用は充分よ。

街に住んだらカフェ巡りも良いわねえ。

「にょほほほほ。」

おっと、変な笑い声が出た。

あるじ。品がありませんよ。」

シロフワちゃんはため息をつく。

彼女達が立ち去ってから十日後、優雅に紅茶を飲んでいた。


「こんにちはー、魔女様。アクセの代金を支払いに来ました。」

ドアの前から声がする。


「ビビっちか。開けてあげて?」

「ハイですぅ。」

シロフワちゃんがドアノブに飛びつき体重を使って開けた。


「魔女様、十日ぶりです。あの…」


ヒヒーン。


「…ヒヒン?」


ビビっちの後ろには白馬が立っていた。

「あのう。ウチはその…牧場をやってるんです…」


「そっ、それで?」


「…最近、その、母が病気になりまして。」

「それは…お気の毒に?」

「お、お給料も貯金も、全部仕送りしまして…」

「それは、健気な事で。」


まさか?


「…あの、物々交換というか!現物払いって言うか!

…どうでしょうかっ?」


「はあっ?」


ヒヒン。


つぶらな瞳で見てくる白馬ヒヒン


「チョイ待ち。アクセと交換にこのヒヒンを?」


「ハイ。実は…母が入院するので手が足りなくて、動物の世話が行き届かなくなりまして。」


「それは…お気の毒に?(2回目)」


「だ、だから!ちょうど良いと思って!!」


ちょっとまて。


「ですが!無い袖は振れないのです!それにホラ、13000ギエンではこの馬買えませんよ!

お買い得でっせ!!」


ヒヒーン。



ドヤ顔するヒヒン。


そんな事言ったってさあ。


「エサはこの森の草を食べれば大丈夫です!

お願いしますう、助けると思って!!」


目を潤ませて縋りついてくるビビっち。



ああもう。まったく…途方に暮れる私だよ。

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