その13。
「色々ご紹介しましたけど石とは出会いが大切。
自分が見て、あ!コレいい!って思ったものがいいですよ。」
「そうなんですか?」
「ええ、気に入ってもらった石に加護をつける、そう言うやり方でも大丈夫なんで。」
「私はあの目玉の化け物みたいな石がいいです!アレを是非是非是非是非是非ぜひぜびぜひぜひひげっ!」
最後になんか違うのまじってるよ。
ピザと10回いって膝とかひざとか言うやつみたいじゃんか。
「はあはあ。おいくらですの?」
「息切れしてるわ、落ち着いて。アレは少しお値段はります…「いくらでもかまいません!」
私の声に被せてくる金髪ポニーテール。
「もうウンザリなの、あのお局!いちいちネチネチと!きいいいいいい。」
「しっかり、ビビっち。」
「あんたが1番あのホクロ女に目をつけられていたからね。」
他の侍女さん達が背中を撫でてやる。
いや、もうさあ、転職したら?ビビっち。
「ビビよ、そんなにティボーネにいじめられていたのかい?」
王子様が恐る恐る声をかける。
「ええ、あのティボーネは王子様にガチに恋してましたから。」
「王子様は金髪色白美人がお好きでしょ。」
「ビビっちがお気に入りになるんじゃないかとイビルことしかり。」
イビルか。サビダンやガブラはいないのか。
「そんな。私が侍女に手を出すと思うのか。」
「王子様、滅相もない。そんなことは思いません。」
「夢見てるのはアイツだけですよ。」
あら、アイツになった。
「王子様は鑑賞用です。それで充分でございます。」
「ええー、なんかそれも複雑…」
「王子様。ウチの王家は美形で売っているのですから。」
「みんなのアイドルでいてください。」
「色男金とチカラはなかりけり、でいいじゃないですか。」
なんのかんの言っても、慕われてはいるみたいである。
「ビビさん。貴女のその苦労とダークなパワーに免じて二つセットで13000ギエンでいいですよ。税金はオマケね。」
「ありあとやんす!」
「それに、ま、人避けのおまじないもかけとくわ。」
「ラッキーー!」
喜んでもらって何よりだ。
その後、ビビさん以外の侍女さん二人には、ブレスレットやネックレスを売った。
ちゃんとご希望のパワーを込める。
「あの…今、手持ちがないので取り置きでお願いします。」
「ビビさん、OKよ。後、他の人にも宣伝してね。」
「はい。」
口コミで顧客が増えるといいなあ。
そのうち王都に店を移すか。
お金(前の魔女の貯え)はあるし。引っ越し費用は充分よ。
街に住んだらカフェ巡りも良いわねえ。
「にょほほほほ。」
おっと、変な笑い声が出た。
「主。品がありませんよ。」
シロフワちゃんはため息をつく。
彼女達が立ち去ってから十日後、優雅に紅茶を飲んでいた。
「こんにちはー、魔女様。アクセの代金を支払いに来ました。」
ドアの前から声がする。
「ビビっちか。開けてあげて?」
「ハイですぅ。」
シロフワちゃんがドアノブに飛びつき体重を使って開けた。
「魔女様、十日ぶりです。あの…」
ヒヒーン。
「…ヒヒン?」
ビビっちの後ろには白馬が立っていた。
「あのう。ウチはその…牧場をやってるんです…」
「そっ、それで?」
「…最近、その、母が病気になりまして。」
「それは…お気の毒に?」
「お、お給料も貯金も、全部仕送りしまして…」
「それは、健気な事で。」
まさか?
「…あの、物々交換というか!現物払いって言うか!
…どうでしょうかっ?」
「はあっ?」
ヒヒン。
つぶらな瞳で見てくる白馬。
「チョイ待ち。アクセと交換にこのヒヒンを?」
「ハイ。実は…母が入院するので手が足りなくて、動物の世話が行き届かなくなりまして。」
「それは…お気の毒に?(2回目)」
「だ、だから!ちょうど良いと思って!!」
ちょっとまて。
「ですが!無い袖は振れないのです!それにホラ、13000ギエンではこの馬買えませんよ!
お買い得でっせ!!」
ヒヒーン。
ドヤ顔するヒヒン。
そんな事言ったってさあ。
「エサはこの森の草を食べれば大丈夫です!
お願いしますう、助けると思って!!」
目を潤ませて縋りついてくるビビっち。
ああもう。まったく…途方に暮れる私だよ。




