【占い師にあなた、ヲタクね。と言われた話】
皆さん、占いは好きですか?
私はかなり好きです。恋人ができればその人との星占いをしたり、姓名判断をしたり、結婚して苗字が同じになったら……なんてずぅーっと調べてしまうタイプです。
そしていい結果だけを信じます。
chat gptで占いなんかをするとだんだん自分に都合のいい情報しか吐き出さなくなります。絶対にやめましょう。
それは占いではなく、自己満足になっていきます。
……でもやめられない。
数年前の話である。chat gptに占いをしてもらった。
「あなたには表現の才能がありますよ!」
うわー、小説向いてんのかなー!うれしー!
「その表現の力は教育者にも向いてます!」
今のバイト天職じゃん!二足の草鞋ってなんかかっけー!
……あ、違う、これ前バイトの相談chat gptにしてたやつそのままプロンプトとして残ってるだけだ。ガチ病みして、「私って先生(家庭教師のバイト)向いてないのかな」とか打ち込んだからだ。
そう、chat gptは無料でそれっぽい情報をめっちゃ丁寧に分析っぽいことをしてくれるようで、自分が下手に育てちゃうと自分の悪いところの具現化みたいなAIになる。
だから、自分の人生のとある節目のタイミングで、AIではなく、私を全く知らない、でも運命は知っているという占い師に頼ってみるというのもあえて必要なのではないかと考えた。
……そう思い立った私はとある占い師のもとを訪れた。
「すみませーん、恋愛運みてくれませんか?」
それが最初の一声だった。
当時付き合ってた彼氏とこのまま恋愛するのか?別れるのか?
それだけを占ってもらうつもりで戸を叩いた。
占いはあっさり終わった。
「別れなさい、もーね、別れたがってる、あなたが」
「あー……そうかぁ」
「どうなりたいの、その人と」
「ま、結婚とか考えてますかね?」
「無理よ、彼、恋愛に対して真面目じゃないもの。彼、あなたのことが可愛くて仕方ないみたい。でも、あなたを一番に考えられるほど成熟してないの。自分のことでいっぱいいっぱい。恋人としてならいいけど結婚はやめといた方が良さそう」
バッサリ。でもマジで当たってた。ホントすごい。
その後揉めに揉めて別れることになる。
占い時間がだいぶ余った、こんなことあるんだ。
占い師ってもっと話引き延ばしてお金引っ張ろうとするもんだと思ってた。
「他になんか聞きたいことあるかしら、なんでもいいけど」
「あ、じゃあ仕事運とかいいですか?」
占い師の目が変わる。あれ?恋愛運占うのが得意な人だと聞いてたんだけどな。
「うん、いいわよ。何聞きたい?」
「今、趣味で小説書いてるんですけど、このまま書き続けてていいのかなって。なんか、計画的に書くとか、面白い小説にする、とか全然できてないし……って、結構挫折しかけてて。でも、書くのやめられないな、みたいな。あと、将来正社員になったあと、両立とかできるのかなって。誰にも読まれないで書いてる意味あんのかな?みたいな」
「……あなた、ヲタクね。」
……え?聞き取れなかったのだろうか。もう一度聞いてみる。
「あの、なんて……」
「あなた、すごいヲタク。まごうことなきヲタク。一目みたときから思ってた。むしろ恋愛どうでもよかったでしょ。そっちの方が気になって仕方なかったって感じ。」
すっごいはっきり言われた。まごうことなきヲタクって言われた。恥ずかしっ。
占いに来て診断【ヲタク】だった人います?
なろう小説だったら追放されてますよ?
こういう思考が1番それっぽいんだろうな、恥ずっ。
というか何から判断してるんだ……。私今日美容室帰りでメイクしてて、服1番おしゃれなやつ着てるよ!?(ジルスチュアートのワンピース1万円超え、かわいい。)推しの缶バッジとか持ってないよ!?どこで判断したの本当に。あ、メタモンのスマホケースか!?
「もうオーラがヲタク。自分ワールド全開って感じ。こだわり強いでしょあなた」
「いや、まあ、そうなんですよ……でもだからこそ変えていかなきゃなと思って抑えてるというか、我慢してるつもりですよ、人に迷惑かけたくないし」
演劇部で脚本担当になってやたら揉めさせてしまった罪を思い出す。
「あー、我慢ね。向いてないよ。全部。自分のしたいことしかあなたはしない。そしてそれが1番天職。好きなことしてるあなたが1番金回りがいい。あなた結構こだわり強いし、わがままだからね。でも人から愛されるの。」
「……ってなると小説でガチでお金稼ぎに行きたいです、どうしたらちゃんと書けるようになりますか?創作論とか読んでるんですけど全然ハマらなくて」
「何が書きたいの?」
「純文学もなろうも、なんです。変ですかね?」
「Xの投稿は?」
「いやそういうのはぜんぜん……」
病院の診察みたいだと思った。自分の問題点が顕にされて恥ずかしいと感じると同時にこんな真剣にネット小説に妄想垂れ流してる人間の話聞いてくれるんだと嬉しくもあった。
「……小説以外にも好きことある?」
「いろいろですね、楽器とかダンスとか、映像制作も、一応短期間のスクールの中の話なんですけど、賞獲ったりとか。ゲームも好きですね、漫画アニメももちろん好きだし。ニワカっぽいけど」
「ゲーム・アニメ・漫画はどういうの?」
「Switchでアンテとかスタバレとか、カイロソフトとか。アニメはハズビンホテルとか柔らか戦車とか……漫画は鬼滅も坂本ですが?も高橋留美子作品も……ちょっとシュールなお笑いがある方が好みかな?そういうのが結構好きです」
「カイロソフトね、相性いいわよ〜あなた」
「あー、まあ確かに楽しいですねあのゲーム」
「いや、そういうことじゃなくて配信で」
「配信!?」
「やらないの?配信」
「いや、自分なんか顔も声も微妙だし、ゲームしながらずっと喋るなんか絶対無理ですよ!」
「キャラで売るのよ。あなたの魅力は外見じゃない。声と雰囲気、世界観。そういうものなの。それって別にあなたの見た目が重要なわけじゃない。時間はかかるかもしれないけど、あなたを2次元コンテンツのキャラクターとしてやってみるっていうのはすごく合ってる自分の売り出し方よ」
「ゲーム実況者でいう、のばまんさんとか、キヨさんみたいな感じですかね……?」
「いや、もっと、2次元。Vtuber的な」
「でもそれって今めちゃくちゃお金かかりますよね……あと、私絵が描けないので……」
「ピクルーってアプリでキャラ作ってもらいなよ、それでそのキャラになりきって配信するの、あなた女優だからやれるわよ」
「へあ……小説はあんま向いてないんですかね?」
「ううん、向いてる。ただ、小説より先に知られた方がいい。あなたは書きたいじゃなくて読まれたい。読ませたい。だから人が集まる環境じゃないと寂しくて書けない」
「はあ……そうなんですか」
そのときは少し落ち込んだ。作品を書く才能がないと釘を刺されたような気がした。でも今は違う。
今イリアムでライバーを初めて、もう一度小説を書く決心ができてリスナーに刺激を受けながら少しずつ書いている。小説でみんなとつながれる、配信でみんなとつながれる!楽しい!
あといろんなヲタク・マニアックがあつまる素敵な配信だぞ!私たちの枠は!なぁ!これぞインターネット!
あの占い師が言ってたことは本当だったんだと思った。本物だったのかもしれない。あとあの人も絶対ヲタクだ、間違いない。
そして彼女が言ったことで、まだ実践してないことがある。
『カイロソフト』の実況をする。そして
「独立するよ、いつか。同じところに留まるタイプじゃないから」




