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記録(天至)  作者: sakasans
戻されるもの
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26/27

看護記録

出所:□□地域医療センター

---

[来院経緯]

母親同伴。

「天至に行く」と述べて外出。

翌々日早朝、自宅玄関前に立っていた。


帰宅後の様子は以下のとおり。

・皮膚を掻きむしり、制止に応じない

・一点を見つめたまま、長時間動かない

・その間、家族の呼びかけに無反応

---

[主訴]

「笛が鳴り続けている。」

「何かを書かれた。外ではない。」

「戻したものを戻してほしい。」

「書き込みをやめさせろ。」

---

[初診時所見]

意識ははっきりとしている。

見当識は保たれる。意思疎通は可能。

左前腕に表皮剥離。

被注察感や体感異常が認められる。


暫定診断:急性ストレス反応

対応:自傷があるため、任意入院。経過観察。

ベンゾジアゼピン系薬剤の投与を検討。

---

[看護記録]

入院第1日

しきりに明るさを気にする。

入院第2日

夜間、腕を掻きむしる。

入院第3日

皮膚科診察。異常なし。

入院第4日

笛の音がひどいとの訴え。

入院第5日

耳鼻咽喉科診察。異常なし。

入院第6日

病室に立ち、身動きせず。

入院第7日

ベッドに水濡れ。壁に落書き。

「名こそとうとき」

ベッドには、薄い紙片のようなものが積み上がっている。

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[担当医メモ 入院第4日]

患者の腕部の傷を確認。

何らかの文様にも見える。

患者から以下の発言あり。

「なこそとうとき」

---

[担当医メモ 入院第7日]

私自身の左腕に帯状の発赤。

感染性か。形状が気になる。

どうするかは、まだ、決めていない。

---

[皮膚科医師所見]

前腕部に複数の糜爛。

掻破による文字状の瘢痕。

ステロイドを処方し、経過観察。

---

二十XX年六月九日


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