↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

9/9

片手間で覚えた剣術で勝てるってことは、きっと手を抜いているに違いない


「――なんだぁテメェ。まさか出来損ないのお貴族サマかよ」


 急にそう言ってきたのは、ひどく酔っ払った中年の男性。

 昼間からひどい悪酔いだな。


「あ、あなたは……?」


 嫌な予感しかしないが、俺は一応、そう訊ねておく。


「なんだテメェ。俺のことを知らねぇのかよ。魔法も使えねぇくせに、無礼な奴だな」

 おっさんはそう言うと、なんといきなり剣を抜き始めるではないか。

「腕利きの剣士――レイモン・サウゾア様とは俺のことよ。てめぇなんか目じゃないくらいの実力者だからな、わはははは」


「は、はぁ……」


 なんだこいつは。

 腕利きの剣士ってほどの風格は感じないが……


 本当にそうなのだろうか。


 たしかに、前世ではうまいこと実力を隠し通している猛者もいたが……それとも違うような……


 俺が本気で葛藤していると、レイモンは愉快そうにガハハと笑い始めた。


「へっへっへ。さすがのお貴族サマも、これにはびっくりかよ?」


「いや。そういうわけでは――」


「なあリーナ。こいつ、いまから試験を受けるんだろ? どうだ、俺様が試験官になってやるよ」


「え……? いや、その、えっと……」


 リーナが当惑の表情を浮かべる。


 たしか、試験に立ちあえるのはCランク以上の冒険者だもんな。

 このレイモンというおっさんでも、形式的には有効なわけだ。


「うん! いいですね、問題ありません!」

 戸惑っているリーナの代わりに、ユリスが前に出た。

「ちょうど《試験会場》も空いてるみたいですし……ゼロ様、この人と戦っていただけません?」


「え……?」 

 なんだろう。

 ユリスの奴、なんだか悪い顔を浮かべているな。

「いや、まあ……俺はいいんだが……」


「もちろん、この人は腕利きの剣士様なので! いくらゼロ様でも、手を抜いたらいけませんよ?」


「は、はあ……」


 なるほど。

 やはりこのレイモンというおっさん、実力を隠す系の実力者だったみたいだな。


 正直、そこまでの使い手には見えないんだが――


 ユリスが言うなら間違いないだろう。


「わかりました。レイモンさん……どうぞよろしくお願いします」


「はっ。挨拶はいい。とっとと来やがれ、ポンコツ野郎」



 数分後。ギルドの試験会場にて。


 俺とレイモンは、そこそこの距離を取って向かい合っていた。


 レイモンは剣を。

 俺は剣を使わないので、素手での勝負だ。


「くっくっく……あーっはっはっは!」


 と。

 レイモンがいきなり大爆笑し始めた。


「なぁゼロよ。いま、どんな気持ちだ……?」


「は……?」


「侯爵家として生まれた大貴族様! なのに魔法の適性はなし。なあ……俺だったら恥ずかしくてたまらないんだが!」


「そ、そうですか……」


 よくわからないが、本当に嬉しそうだな。

 人の不幸でここまで喜べるのも珍しい。


「レイモンさん、どうぞよろしくお願いします。俺もできる限り追い付いてみせますので……」


「はっ……。一丁前なこと言ってんじゃねえよ、馬鹿野郎」

 レイモンはそこで口を歪めると、剣の切っ先をこちらに向けた。

「魔法も使えねぇボンボンが俺に追いつくだって? できるわきゃないだろう、そんなこと」


「はい。ですから俺も全力でいきます。よろしくお願いします」


「ちっ……。いちいちムカつく野郎だな」

 レイモンは腹立たしそうに舌打ちすると、

「いいだろう……。そこまで死にてぇなら、望み通りぶっ殺してやらぁ!」


 剣を片手に、すさまじい勢いで突進してきた。


 ――ふぅ。

 俺は大きく息を吐き、レイモンの動きを観察する。


 のだが。


「は……?」


 0・01秒後。

 0・02秒後。

 0・03秒後。


 なんだ。


 動きが鈍重すぎて、動きが見え見えなんだが……


 手を抜いているのだろうか。

 これなら魔法を使わずとも、前世で片手間に覚えた剣術で戦えそうなんだが……


「らぁぁぁぁぁぁぁぁああっ!」


 怒声とともに振り下ろされた剣は、やはり鈍重そのもの。


 その剣を、俺は指二本でなんなく受け止めた。


「………………は?」


 レイモンの素っ頓狂な声が、会場内に響きわたった。



【恐れ入りますが、下記をどうかお願い致します】


すこしでも

・面白かった

・続きが気になる


と思っていただけましたら、ブックマークや評価をぜひお願いします。


評価はこのページの下側にある【☆☆☆☆☆】をタップすればできます。


今後とも面白い物語を提供したいと思っていますので、ぜひブックマークして追いかけてくださいますと幸いです。


あなたのそのポイントが、すごく、すごく励みになるんです(ノシ ;ω;)ノシ バンバン


何卒、お願いします……!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↑の☆☆☆☆☆評価欄↑をポチっと押して

★★★★★にしていただけると作者への応援となります!


執筆の励みになりますので、ぜひよろしくお願いします!
― 新着の感想 ―
[一言] レイモンさんそのままぶっ飛びそうですね(笑)
[一言] 無自覚系の物語の要諦は、なぜ無自覚なのか読者が分かることだと思ってるんですが、本作の主人公ははっきり言ってなぜ無自覚なのかが全くわかりません 他人と自分を比べる能力は人間なら持ってて然るべき…
[気になる点] 後書きにタップとありますがPCユーザーには違和感があり、評価を躊躇してしまいます。押して、タップorクリックして、などの表現をご検討頂きたくお願い申し上げます。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。