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有り触れたもの
ほんのりと、遠くの雲が赤らんでいました。
空と雲の間は、曖昧に霞んでいます。
まるで、そこに明瞭な境なんてないみたいに。
千切れた雲。
仄かに色付いた陽光。
伸びる影は微かに、空の青を深く染めます。
広々とした青空。
光に縁取られた雲の灰色。
蕩けそうなほどに、色彩は淡くて。
案外、はっきりとしないのかもしれません。
青も黄色も、赤も灰色も。
渾然として、でもそれが自然で。
空を織り成す無数の彩り。
名前を知らない色も多くあります。
知らないまま、その幾つもが巡っていきます。
落日に染まる空の片隅。
雲から漏れた光は、何色なのでしょう。
赤と呼ぶだけでは足りないと思うんです。
残照の中、棚引く雲が朧になります。
夜めく空は一瞬白けて。
そして、次第に闇へ沈んでいきます。
私の言葉では、語り尽くせない景色。
そんな光景が、この世界には溢れていて。
でも、それも悪くないなぁと思うんです。
暗くても、黒ではない夜の空。
定まらないままの、でも当たり前のような。
そんな不思議が有り触れています。
撮影日2015年12月31日




