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第十七話 届かないサーブ

試合までの一週間。


サーブを打っても、スパイクを打っても激痛が走った。


痛すぎて息が止まる。


私はグッと堪えた。


だけど、やっぱり痛い。


無意識に肩へ手が伸びてしまう。


そんなある日、先生に聞かれた。


「肩、痛いのか?」


もう堪えきれなかった。


「肩が痛いです」


そう言った瞬間、涙が出た。


痛い。


悔しい。


色んな感情が一気に込み上げてきた。


本当は隠したかった。


みんなに心配なんてかけたくなかった。


だけど結局、余計に心配をかけてしまった。


試合まであと三日。


そこから私は、肩を少しでも休ませる為に負担のかかる練習を控えさせてもらった。


思うように練習が出来ない。


それがもどかしかった。


試合の時も痛かったらどうしよう。


不安だけが残った。


そして試合当日。


私は肩にしっかりテーピングを巻いて会場へ向かった。


先生に聞かれる。


「試合、出られるか?」


「大丈夫です」


そう答えるしかなかった。


本当は全然大丈夫じゃなかった。


私はちゃんとやれるだろうか。


心臓がうるさかった。


肩のストレッチを、いつも以上に念入りにする。


大丈夫。


大丈夫。


私は何度も自分に言い聞かせた。


試合が始まる。


スパイクを打った瞬間、鈍い痛みが肩に走った。


グッと堪えて息が止まる。


だけど試合は止まってくれない。


ここで諦めるわけにはいかなかった。


その気持ちだけで、私はコートに立ち続けた。


みんなも必死にカバーしてくれた。


ありがとう。


ごめん。


そんな気持ちでいっぱいだった。


なんとか試合は乗り切った。


それからもしばらく病院へ通いながら練習を続けた。


肩の筋力を戻す為のトレーニングもした。


だけど、ある日。


サーブが入らなくなってしまった。


届かない。


ネットに引っかかる。


何度打っても入らない。


ボールが静かに床へ転がった。


私は絶望した。


今まで当たり前に出来ていたことが、突然出来なくなってしまった。

ここまで読んでくださりありがとうございます。


この頃は、本当に「気持ちでどうにかしよう」としていた時期でした。


痛くても、大丈夫と言い聞かせて練習をしていました。


だけど体は正直で、無理をした分だけちゃんと壊れていくんですよね。


サーブが入らなくなった時はかなりショックでした。


今まで当たり前に出来ていた事が突然出来なくなる怖さを、この時初めて知った気がします。

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