転生士 Ep.3 魂を喰らう門
輪廻を守る者と、輪廻を憎む者。
その戦いは、ついに本格的な幕を開ける。
師が見せる転生士の真の力。
そしてシオンが目にする、想像を超えた絶望。
魂を救うための戦いは、新たな局面へ――。
黒い手は、大地を突き破るように次々と現れた。
一本、二本ではない。
輪廻の庭を埋め尽くすほどの黒い腕が、うめき声とともに空へ伸びる。
「救って……」
「苦しい……」
「帰りたい……」
その声は敵意ではなかった。
助けを求める、魂の叫び。
シオンは思わず耳を塞ぐ。
「この人たちは……」
クロードは険しい表情のまま答えた。
「まだ完全な堕魂じゃない。飲み込まれかけているだけだ。」
「なら助けられる!」
シオンは前へ出ようとする。
だが、その肩をクロードが掴んだ。
「焦るな。」
「救いたいだけでは救えない。」
その瞬間。
黒衣の男が笑う。
「優しいな、転生士。」
「だからお前たちは弱い。」
男が槍を地面へ突き刺した。
ドォォォン――!!
大地が裂ける。
黒い亀裂はさらに広がり、その奥から巨大な門が姿を現した。
まるで地獄へ続く入口。
門には無数の顔が浮かび、それぞれが泣き、怒り、叫び続けている。
シオンは息を呑んだ。
「……何だ、あれ。」
クロードの顔色が変わる。
「まさか……。」
「魂喰門……!」
男は満足そうに笑う。
「知っているか。」
「転生できなかった魂は、どこへ消えると思う?」
「その門が……全部喰らう。」
門がゆっくりと開き始める。
中は真っ暗だった。
だが、その闇の奥から膨大な怨念だけが溢れ出してくる。
輪廻の庭に漂っていた魂たちが、一斉に門へ引き寄せられ始めた。
「まずい!」
クロードが白い結界を展開する。
しかし吸い込む力は止まらない。
「シオン!」
「結界を支えろ!」
「はい!」
シオンも両手を前へ突き出した。
青い光がクロードの結界へ流れ込む。
二人の力が重なり、吸引を押し返していく。
だが。
「あっ……!」
シオンの足が少しずつ前へ滑る。
あまりにも強い。
まるで魂そのものを引っ張られているようだった。
「ははは!」
「まだまだ足りない!」
男が槍を掲げる。
その瞬間、門の中から巨大な黒い影が姿を現した。
人ではない。
獣でもない。
何百という魂が絡み合ってできた異形。
全身から黒い霧を撒き散らし、赤い瞳だけが不気味に輝いている。
「守護者まで起きたか……!」
クロードが低く呟く。
「師匠、あいつは?」
「あれは魂喰門を守る番人。」
「喰魂獣だ。」
喰魂獣は咆哮を上げる。
その一声だけで結界に無数の亀裂が走った。
パリン。
乾いた音が響く。
「結界が!」
シオンの顔から血の気が引く。
クロードは静かに目を閉じた。
「……仕方ない。」
彼は胸元から一枚の白い札を取り出す。
そこには黄金色の紋様が刻まれていた。
「師匠、それは?」
「本来なら、お前に見せるつもりはなかった。」
札が光り始める。
輪廻の庭全体が、その光に呼応するように輝き出した。
「転生士には階位がある。」
「お前が使った『魂鎮』は第一階位。」
「そして――。」
クロードは札を天へ掲げる。
「第二階位。」
「魂装!」
眩い光が彼の身体を包む。
白い外套は銀色へ変わり、杖は巨大な槍へ姿を変えた。
背中には六枚の光の翼。
その姿は、まるで神話に語られる守護者そのものだった。
シオンは言葉を失う。
「……これが、転生士。」
クロードは静かに微笑む。
「いや。」
「これが、本当の転生士だ。」
その直後。
光の翼が大きく羽ばたいた。
クロードは一直線に喰魂獣へ飛び込み、銀の槍を振り下ろす。
光と闇、両者の力がぶつかり合う。
第3話ご覧いただきありがとうございます!
いやー!楽しいです!!
読んでいただける方が居るというのはとても嬉しいですね!
私の話にはなるんですけど異世界転生してみたいと最近強く思うんですよね笑
私生活が不満とかではなくただの憧れです。。
恐らく私が転生してもすぐゲームオーバーになるでしょうけどねTᵕT




