転生
これから、卒業後の人生が始まるはずだったのに、
こんなところで、終わってしまうのか・・・?
お前たち、学校生活は楽しいか?
選択肢
1 楽しい
2 楽しくない
選択肢1を選んだ人へ
ほう、それは結構だ。けどな、そうじゃない人たちもいるということを、忘れないでくれ・・・。
おっと、説教じみてしまったな。
選択肢2を選んだ人へ
そうか、実は俺もそうだったんだ。
世界には学校に行きたくても行かれない子供がたくさんいる国もあるというが、俺たちの国はむしろ、学校に行きたくないのに行かされている国だと思うな。
おっと、説教じみてしまったな。
そんなわけで、俺の学校生活は、周囲とは馴染めず、特に思い出に残るようなこともなく、級友との会話らしい会話もそれほどなく、ただ、惰性【だせい】で学校に通っていただけの、そんな学校生活だった。
それでもどうにか、中学も出て、高校も、卒業式まで迎えた。
高校の卒業式の当日。よくある卒業式の光景だった。
俺は卒業式と、その後のクラス担任の挨拶を聞き終えると、さっさと帰路についた。
その瞬間だった。今までに受けたことの無いような、衝撃が襲ってきたのは。
何が起こったのかもわからないまま、俺の体は跳ね飛ばされ、そして気を失った。
これから、卒業後の人生が始まるはずだったのに、
こんなところで、終わってしまうのか・・・?
その後のことは、記憶に無い。
その次に、気がついたのは、ベッドの上だった。病院のベッドか?と思ったが、まぎれもなく、自分の家のベッドだ。
「仁太、起きなさい。」
それは、母の声だった。
気がつくと、何と中学の入学式当日だった。
カレンダーの日付を見てわかった。ベッドは俺のベッドだが、カレンダーの日付は、まぎれもなく、中学の入学式当日の日付だ。
そして、朝食をとる。朝食のメニューは、チーズトーストと、ハムトースト、それとサラダと牛乳。
この朝食のメニューは、中学、高校の6年間変わっていない。
「ねえ、母さん、俺ついさっき、高校を卒業したばかりなんだけど。」
「高校を卒業!?何寝ぼけてるの、今日は中学の入学式でしょ!?
それより、急いで行かないと、遅刻するよ。早く食べて、早く着替えて準備して。」
朝食を終え、制服に着替える。その制服は、中学の学ランの制服だ。
高校の制服はブレザーだったし、中学の時は3年間、学ランを着ていたから、覚えている。てか、なんてひどい記憶の混乱なんだろう、と思っていた。
高校までは、遠距離通学で電車に乗っていくが、中学は、自宅と目と鼻の先。
そして、入学式が始まる。俺は1年3組だ。
入学式では、新入生代表挨拶というのが行われる。その新入生代表というのが、1年3組の新葉多香美だ。
この名前には聞き覚えがある。俺と彼女は小学校時代からの同級生で、彼女がクラスの女子たちのリーダー的存在、成績優秀でスポーツも万能、俺に対しても面倒見が良いことで、母親代わりのような存在だった。
高校は別々の高校に行くことになったのだが、とにもかくにも、二度目の中学生活を過ごすことで、忘れていた記憶を呼び起こすことになるかもしれない。
そして、今の俺には、中学高校の6年間過ごしてきた中で、その6年間に起こったニュース、出来事の知識、それから中学高校の6年間勉強してきた勉強の知識がある。
そして何より、この6年間過ごしてきた、その意味を、あらためて考え直してみたいと思うようになった。
いったい、中学、高校の6年間とは、何だったのか。
そして、忘れていた過去の記憶が、一つ一つ甦ることにもつながる。




